« 安倍政治を終わらせるための大同団結・連帯 | トップページ | 辺野古訴訟和解は誰にとって都合の良いものか »

2016年3月 3日 (木)

まずは小異を残して大同につく野党共闘の実現を

参院選が近づくなかで野党勢力の対応が注目される。


しかし、日本政治を変革するための道筋ははっきり見えていない。


日本政治における与野党対立のあり方についての考え方が明確に整理されていないからである。


二つの考え方がある。


第一は、与野党対立を政策による対立ではなく、政権交代可能な状況を作るという意味での対立とするという考え方である。


政策に対する対立が鮮明ではなく、類似した二つの政治勢力が存在し、比較的頻繁に政権交代が生まれる状況を作るというものだ。


主権者の政策に関する対立が大きくはなく、政策対立が、いわばニュアンスの違いに留まるようなケースでは、このような二大政党体制を構築して、ときどき政権交代を実現させれば良いということになる。


米国の2大政党体制がその類型であるとも言える。


これに対して、主要な政策において、主権者の意見が大きく二つに割れている状況下では、この政策対立を軸に、与野党の分化が生じるのが適正である。


英国の保守党と労働党との対立、あるいはフランスの保守とリベラルの対立などは、こちらの類型に属すると言えるだろう。

人気ブログランキングへ

問題は日本である。


野党第一党の民主党は維新との合流を決めた。


野党勢力の結集という動きが本格化し始めている。


参院選を前にして、安倍一強体制を打破するためには、野党の結集は一定の合理性を持つ。


安倍政権の暴走に歯止めをかけて、憲法の本格的な破壊が実行されることを防ぐことを現時点での最優先課題に位置付けなければならないからだ。


そのためには、本年夏に実施される参院選で何としても自公与党勢力を後退させねばならない。


共産党はこの点を重視して、各選挙区に候補者を擁立するという従来の戦術を抜本的に修正した。


1人区での候補者擁立を取り下げ、野党共闘によって自公勢力の退歩を実現させる方向に全面的な協力姿勢を示している。


これに他の野党勢力が呼応しないことは、自公勢力への加担ということになる。


小異を残して大同につき、野党共闘を成立させることは、安倍政治を許さないと考える主権者の意思に沿う行動である。

人気ブログランキングへ

しかしながら、野党の中心に位置する民主党と維新の党の政策方針を見ると、そこには大きな矛盾が内包されていることが分かる。


原発稼働、安保法制、TPP、辺野古基地などの問題について、自公の与党勢力と類似した政策方針を掲げる議員が多数存在するからである。


本来は、自公と類似した政策方針を掲げる議員は自公の側に移動して、自公政権と政策的に対立する方針を掲げる勢力が野党勢力として大同団結することが望ましい。


日本においては、


原発、憲法、TPP、基地、格差


という国の根幹に関わる重要問題について、主権者の考え方が大きく二分されている。


この状況を踏まえるなら、この政策の対立を軸に、二大勢力が分化することが政治を格段に分かりやすいものにすることになるだろう。


主権者は政策を基軸に、選挙での投票行動を通じて主権者が求める政権を樹立することができる。


オールジャパン平和と共生


https://www.alljapan25.com/


は、この理念を提示し、その実現を目指す。


政策を基軸に党派を超えて主権者が主導して日本政治を変えることを目指すのである。

人気ブログランキングへ

しかし、いま直ちにその実現を現実化させることは困難である。


政党分化の状況がその実現を促す体制になっていないからである。


民主党や維新は、いわば相反する政策主張がひとつの政党のなかでごった煮の状況にあり、主権者はこの党に特定の政策の実現を託せない状況になってしまっている。


いずれは、政策路線の対立を軸にこの勢力が二分されることが望ましいが、その動きは顕在化していない。


他方で、自公与党勢力を退歩させなければならないという喫緊の課題がある。


したがって、ここは、二つの段階に分けて、日本政治潮流の転換を図る必要がある。


まずは、政党の政策純化という課題を横に置いてでも野党勢力の結集を図ることが必要である。


そのための動きが民主と維新のなかからも生まれ始めている。


民主と維新が合流し、そのうえで生活と社民も合流するという大同団結の図式が見え始めているのだ。


合流してより大きな勢力になる野党が共産党と選挙協力を実施して選挙に臨むなら、大きな変化を引き起こすことができるはずだ。


政治の潮流を転換することは必ず可能になる。


最終的には政策を軸にした政党分化が進み、主権者が政権を選択することによって、望ましい政策が実現される状況を生みだす必要がある。


政治潮流を変えることはできるとの信念を持って、段階的に行動を進展させてゆかねばならない。

人気ブログランキングへ


メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」


http://foomii.com/00050


のご購読もよろしくお願いいたします。


上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。


http://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1378号「日本政治刷新するため「ゆっくり急げ!」」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

安保法制の落とし穴

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社

href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社

« 安倍政治を終わらせるための大同団結・連帯 | トップページ | 辺野古訴訟和解は誰にとって都合の良いものか »

政策連合(平和と共生)=ガーベラ革命」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: まずは小異を残して大同につく野党共闘の実現を:

» 「安倍政権の最後は」と「生活実感とアベノミクス」の投票/アンケートを登録しました。 [雑談日記(徒然なるままに、。)]
 前回総選挙(※)では、安倍自民応援マスゴミが世論調査、その実世論誘導狙いのインチキ調査を頻繁にやった。投票日までの間、圧勝予想で煽ったのである。読売・産経だけでなくほぼ横並びだった。あまりに露骨だったので「狙いは投票率を下げたいのだな」と多くの人が思ったはずだ。案の定、戦後最低の52.66%の低投票率となり、安倍晋三の大勝となった。※(2014年12月14日第47回衆議院選挙)  スポーツのトレーニングで、イメージトレーニングと言うのがある。安倍暴政に反対する勢力が勝った時の情景を折にふれ頭でイメ... [続きを読む]

» 安保法案(憲法違反・殺し殺され法案)は貧富格差法案だ。 [大辛カレーのブログ]
自民公明はアメリカ足舐め政党である。日本の国民の事を考えていない。 この政治体制 [続きを読む]

« 安倍政治を終わらせるための大同団結・連帯 | トップページ | 辺野古訴訟和解は誰にとって都合の良いものか »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年6月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ