アベノミクス下の日本経済は超低迷という現実
昨日2月15日、昨年10‐12月期のGDP統計が発表された。
前期比年率1.4%のマイナス成長になった。
事前予想通りのマイナス成長になったが、マイナス幅は事前予想を超えた。
アベノミクス相場が始動したのは2012年11月14日である。
2012年10-12月期から2015年10-12月期までの13四半期のうち、6四半期がマイナス成長になった。
経済を浮上させたと自画自賛する安倍晋三首相だが、現実のデータはこの自画自賛を否定している。
第二次安倍政権が始動してから実現した事実は
円安と株高
である。
8664円の株価が20868円にまで上昇した。
しかし、これは上場企業の企業収益の増加を反映したもので、日本経済全体を反映するものではない。
かつては、株価が経済全体を反映することが多かった。
経済の浮き沈みと株価の浮き沈みが連動していた。
しかし、今回は違う。
ここにアベノミクスの本質が表れている。
経済全体は超低迷を続けるなかで、大企業の企業収益だけが拡大し、上場企業の株価だけが上昇したというわけである。
安倍首相は労働者の賃金も増えたと自画自賛するが、これも大企業の正規社員の所得が増えたことを言っているに過ぎない。
中小企業庁が示す日本の企業数412万社のうち、大企業は12000社しかない。
東証1部上場企業は1942社しかないのであり、企業数全体の0.05%でしかない。
労働者の4割は非正規労働者である。
国税庁の公表数値によると、正規労働者の年収平均は471万円であるのに対し、非正規労働者の年収平均は170万円に過ぎない。
日本社会全体の、本当に上澄みの上澄みの部分だけが浮上しているのであって、大半の国民はアベノミクスによって下流に押し流されているのだ。
昨年10-12月期のGDP統計の特徴は中身の悪さにある。
実質GDP成長率は前期比年率でマイナス1.7%になった。
需要項目別の成長率を見ると、
民間最終消費支出 前期比年率 -3.3%
民間住宅投資 前期比年率 -4.8%
国内民間需要 前期比年率 -2.4%
になった。
景気を決定する核心である個人消費が大幅に下落したのである。
暖冬で季節消費が伸びなかったこともあるが、最大の要因は所得環境の悪さである。
大企業の利益は増えたが、国民の所得はまったく増えていない。
昨日は先週末のNY株価上昇の影響を受けて日本株価が上昇した。
想定通りの動きである。
株価は一気に急落したから、急落後の反動高はあるだろう。
しかし、こうした短期の変動とは別に、中期の変動の見極めが重要である。
アベノミクス下の2013年から2015年の3年間、日本経済は停滞を続けたが、株価は上昇した。
それは、円安とインフレ誘導が大企業の利益を増大させたからである。
円安の進行なくして日本株価の上昇はあり得なかった。
しかし、この環境が変化している。
為替変動の基調が円安から円高に転換していると考えられるのだ。
円高に転換している最大の理由は、日本円が円安に振れすぎたためである。
振り子の振動と同じように、一方向に大きく揺れれば、必ず反対方向に逆戻りする。
この状況を金融政策の対応だけで対処することに無理がある。
結局、安倍政権は財政政策の軌道修正を迫られることになる。
すでに、安倍政権は追加的な経済政策発動の検討に着手した模様である。
政策はブレまくりなのだ。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1367号「右往左往のアベノミクスが再び路線転換へ」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
|
|
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
|
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
|
|
安保法制の落とし穴 価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
| 日本の奈落 (TRI REPORT CY2015) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
| 日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章 価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
| 日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
| 20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
| オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
| アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
| 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
| 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
| 消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
| 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
|
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
| 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
| 日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
| 売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
| 知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
| 消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する
| 戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
| 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
|
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
| 検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
| 検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
|
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
|
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:鹿砦社 |
« 第二次安倍政権で経済が良くなったというウソ | トップページ | TPP批准阻止に向け2月22日午後東京地裁に集結 »
「アベノリスク」カテゴリの記事
- 鮮明なインフレ誘導の誤り(2025.08.22)
- 企業が耐えられなくなる円安誘導(2022.07.02)
- いざなぎ景気は超えていない(2018.12.13)
- 量的緩和政策に固執する日銀の機能不全(2018.08.01)
- 金融政策失敗修正できず安倍政権失速へ(2018.02.18)
« 第二次安倍政権で経済が良くなったというウソ | トップページ | TPP批准阻止に向け2月22日午後東京地裁に集結 »











