国会さぼりダボスでTPP批准表明など愚の骨頂
今年は1月4日が月曜日。
正月休み明けが月曜日で、三が日も通常の週末と似たような状況になった。
遠方に帰省した方々は、疲れが抜け切れぬうちに新年が本格始動する。
もっとも、各種小売業などで、年中無休に近い対応を示す企業が増えているから、そもそも正月休みさえ取れないという状況下の労働者も多い。
「豊かになった」と言うが、逆に「貧しくなった」側面が増大している。
2016年は1月4日に通常国会が召集される。
安倍政権は、日本国憲法が
第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
の規定を無視して、臨時国会を召集しなかった。
そして、通常国会を1月4日に召集する。
6月1日に通常国会を終えて、7月10日に参議院選挙を実施するための日程設定である。
同時に、6月1日に衆議院を解散すると、7月10日に衆議院総選挙の投開票日を設定できる。
すべては、自分のための段取りである。
主権者の意思など関係ない。
自分本位、自己中心主義がすべてを貫いている。
東京証券取引所も1月4日に取引が開始される。
年末のNY市場で株価が下落したことから、年初の東京株式市場も波乱含みのスタートとなる。
安倍首相は窮屈な日程となる通常国会において、意味のない外遊を繰り返す方針を示している。
首相の施政方針演説は1月22日に予定されていたが、スイスのダボスで開かれるワールドフォーラムに出席するため、この施政方針演説を1月25日に延期することが取り沙汰されている。
ダボスのワールドフォーラムは、新自由主義=グローバリズムの総集会であって、日本の首相が出席する必要などまったくない、意味のない集まりである。
安倍首相はこの会議に出席して、
TPPの早期署名
と
TPPの早期批准
を発表することを国際金融資本から指令されているのだと考えられるが、愚の骨頂である。
日本はTPPに参加するべきではない。
安倍自民党は2012年12月の総選挙で、TPPについて、
「国の主権を損なうISD条項に合意しない」
ことを確約した。
いま協議されているTPPには、ISD条項が盛り込まれているのである。
したがって、安倍自民党が主権者との公約を守る限り、日本のTPP参加はない。
安倍首相は昨年4月末に訪米して、戦争法制を夏までに成立させることを米国議会で宣誓した。
日本の国会にまだ提出もしていない法律案の成立を、米国議会で宣誓したのである。
これもまた愚の骨頂である。
日本の主権者を舐めきっているとしか言いようがない。
安倍政権は昨年の10月から12月までの期間に、臨時国会を召集する責務を負っていた。
憲法の規定で臨時国会を召集することが義務付けられていたのである。
ところが、安倍自民党は、憲法に時期についての規定がないからという、理由にならない理由を掲げて、臨時国会召集の義務を踏みにじった。
憲法破壊行為である。
その安倍自民党は、憲法改正草案のなかで、憲法第53条の規定を次のように書き換える提案をしているのである。
(臨時国会)
第五十三条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。
自民党自身が、臨時国会開会の要求があった場合は、20日以内に臨時国会を召集しなければならないと定めているのだ。
現行憲法に明文の規定はないが、自民党は、国会を開くまでの時間について、20日以内という判断を有しているのだ。
しかし、安倍政権は自己中心主義によって憲法の規定を踏みにじり、臨時国会を召集しなかった。
2016年は年初から安倍政権に対する逆風が吹き始めることになるだろう。
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