アベノミクスの未来が暗いから株価が下落する
年明け後の日経平均株価が下げ止まらない。
1月8日付ブログ記事
「年初来の株価下落の背後にある三つの要因」
に三つの要因を指摘した。
第一は、中国株価調整。
第二は、地政学リスクの高まり。
第三は、安倍政権の経済政策運営スタンスが緊縮財政の傾向を強めていること
である。
第一と第二の要因については一般的に指摘されている。
しかし、第三の要因を指摘する声は少ない。
指摘する者が少ないことと、メディアが真実の情報を報道しないことが背景にある。
しかし、この第三の要因が最も重要である。
バブルの崩壊が始動して26年が経過した。
「失われた10年」が「失われた20年」になり、そしていま、「失われた30年」が現実味を帯びる。
私は
『日本経済復活の条件
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を上梓した。
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日本経済を浮上させるための方策を考察している。
重要なことは、
近視眼的発想を排して、中長期の経済発展を目指すことだ。
残念ながら、日本の経済政策、そして、財政健全化策は、いずれも、近視眼的な病理に冒されている。
日本経済の衰退が26年の長期に及んでしまった最大の原因は、日本の経済政策の失敗にある。
財務省には、
「経済あっての財政」
という発想がない。
ひたすら財政赤字の縮小だけを追求する。
経済をしっかりと育てることが、最大の財政健全化策であるという、根本を理解していないのである。
経済が少し浮上すると、財務省が逆噴射のレバーを引く。
これで日本経済は長期停滞の蟻地獄に嵌(はま)ってきたのである。
さらに、もう一つの問題がある。
それが安倍政権の経済政策=成長戦略である。
成長戦略の具体的な中身は、
農業自由化
医療自由化
解雇自由化
経済特区創設
法人税減税
だが、これらのすべてが、国民を豊かにすることを目的としていないことだ。
国民ではなく、グローバル巨大資本の利益極大化を目指す。
これが成長戦略の本質なのだ。
巨大資本の利益が拡大すれば、巨大資本の株価時価総額は拡大する。
株価は上がる。
しかし、この株価上昇と国民生活の向上はまったく結びつかない。
結びつかないと言うよりも、国民生活の犠牲の上に資本の利益拡大があり、株価上昇があるということなのだ。
円安が進行している間は、ひずみが隠されていた。
しかし、円安から円高に流れが転換し始めて、ひずみがくっきりと表面に表れ始めている。
そして、資本の利益拡大だけを追求する経済政策は、中長期の経済を必然的に衰退させる。
メディアはアベノミクスで経済全体が良くなったかのような宣伝を繰り広げるが、この広報は虚偽である。
国民生活の向上、国民生活の底上げ、という視点が安倍政権の経済政策には存在しない。
だからこそ、日本経済の中長期展望は暗いのである。
その暗さがいま、日本の株式市場に、くっきりと翳を落としている。
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