このままゆけば日本版全権委任法制定は確実
安倍氏がテレビ番組で、憲法改定の意向を示した。
憲法改定が現実の問題になっている。
2016年は参議院議員通常選挙が行われる年だ。
この選挙で安倍改憲勢力に参議院3分の2議席を付与すると、安倍政権は改憲に突き進む。
日本の憲法改正は、逐条改正の手続きを取る。
条文ごとに発議し、主権者の承認を得なければならない。
改憲で何に手を付けるのかが問題になる。
改憲で手を付けようとしているのが
緊急事態条項
である。
これは、改憲というよりも加憲である。
自民党憲法改正草案に盛り込まれている。
第九章 緊急事態
(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
第2項以下は省略
(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
第2項省略
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
1933年にナチスドイツのヒトラー政権が全権委任法を成立させて、ドイツの独裁政治が始まった。
その後のドイツがたどった道は、人類史上最悪の道のひとつであったと言って間違いないだろう。
安倍政権の改憲方針に賛同する勢力が参議院3分の2勢力を占有してしまうと、安倍政権が日本国憲法に緊急事態条項を盛り込む可能性が高い。
そして、その緊急事態条項が、安倍独裁政治をいよいよ本格稼働させる根拠になる危険が極めて高い。
日本の終焉と言っても過言でない状況が生まれると見て、まず間違いない。
日本終焉の危機が迫っていると言って過言でないと言える。
上記自民党憲法改定案を見ると、
「内閣総理大臣は」
「内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において」
「特に必要があると認めるときは」
「閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる」
つまり、
内閣総理大臣は「必要があると認め」れば、「緊急事態の宣言を発する」ことができるということになる。
緊急事態が宣言されると、
「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができ」
「内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い」
「地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」
こととされる。
さらに、
「何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」
「法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる」
ことになる。
選挙をやらなくてよい。法律を勝手に決めることができる。基本的人権を制限できる。
まさに、ナチスドイツの全権委任法と同じ効力を有することになるのだ。
そして、問題は、現在の選挙情勢では、改憲勢力が参議院3分の2勢力を占有する事態が生じる恐れが極めて大きくなっているのだ。
とてつもない危機が目前に迫っていることに、ほとんどの主権者が気付いていない。
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