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2016年1月30日 (土)

政治支配下日銀のマイナス金利政策賞味期限

日銀がマイナス金利採用に踏み切った。


日銀は1月28、29日に金融政策決定会合を開き、マイナス金利採用を決定した。


しかし、採決では賛成5、反対4ということになった。


賛成したのは


黒田総裁、岩田副総裁、曽根副総裁


と審議委員の


原田泰氏


布野幸利氏


である。


原田泰氏が審議委員に就任したのは2015年3月、


布野幸利氏が審議委員に就任したのは2015年7月だ。


原田泰氏は経済企画庁のOB、布野氏はトヨタ自動車の副社長経験者である。


日銀の政策決定会合の議決権を有する参加者は9名である。


5名を押さえると政策決定できる。


原田泰氏は宮尾龍三氏の後任、布野氏は森本宜久氏の後任である。


2014年10月31日の追加金融緩和策決定においては、森本氏は反対票を投じた。

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何を言っているのというと、安倍政権は安倍政権の意向に沿う金融政策を遂行するために、日銀政策決定会合の9名の議決権者のうち、5名を支配下に置いているということである。


金融緩和推進=インフレ誘導


は可能であり、これを実行するべきだと主張する人々が、


リフレ派


と呼ばれる。


安倍政権は国会同意人事を通じて、第二次安倍政権発足後に起用した5名の総裁、副総裁、審議委員のすべてをリフレ派に染め抜いたのである。


したがって、安倍政権が指示すれば、日銀は安倍政権の指示通りに動く。


これは、政治権力による中央銀行の支配であり、極めて不健全なことである。


権力を握る内閣総理大臣が、中央銀行幹部人事では、中央銀行の独立性を尊重することが必要だが、このような正論は、安倍晋三氏には通用しない。


安倍政権の支配下に日銀を置いているのだ。


2015年7月に、布野氏が審議委員に起用されて以降は、日銀の政策決定会合は基本的に極めて意味の薄いものになっている。


政治権力の意向で金融政策が決定されるからである。


今回は、マイナス金利導入を決めた。


市場には驚きが生じ、日経平均株価は476円上昇し、ドル円レートは1ドル=121円台にまで円安回帰した。

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『金利・為替・株価特報』2016年2月1日号


http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html


は、1月29日の印刷・発送で、この号には日銀によるマイナス金利導入についての考察を盛り込めていない。


そのフォローアップを含めて、本記述を提示している。


金利低下でメリットを受けるセクターを中心に株価が上昇したが、金融政策の効果波及メカニズムから考えると、効果は未知数である。


この問題は、そもそも、インフレ誘導が可能であるのかどうかなどという問題と深く関わるものである。


リフレ派と呼ばれる人々は、


「量的金融緩和でインフレ誘導は可能である」


と主張してきたが、第二次安倍政権発足からの3年間の現実は、この主張を否定した。


量的金融緩和は大規模に実施されたが、インフレ誘導は成功しなかった。


短期金融市場残高が増大しても、マネーストックが増大せず、インフレが実現しなかった、と要約してもいいだろう。


そこで、日銀は、今度は短期金融市場残高=ベースマネーではなく、金利そのものを引下げることを打ち出した。


金利効果に着目したということになる。


しかし、市中の金融機関が日銀に預ける準備預金に対して、「利子を払う」のではなく、「手数料を取る」ということになると、市中銀行は、日銀預け金をできるだけ圧縮しようと努めることになるだろう。


この行動は量的金融緩和拡大政策と根本的に矛盾を来すことになる。


サプライズ効果で市場は反応しているが、その効果が持続するかどうか、慎重な見極めが必要である。


つまり、金融政策全体がかなり手詰まりな状況になっているというのが現状なのである。


結論から言えば、事態を立て直すには、財政政策の方針転換が不可欠である。


円高傾向に回帰している為替市場動向を踏まえると、財政政策を超緊縮から、少なくとも中立に回帰させることが必要不可欠であろう。

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