小さな個人が連帯して大きな力を創り上げる
年の瀬も迫り、2015年を回顧し、2016年を展望するべき時期にある。
安倍政権は憲法を破壊する戦争法制を強行制定した。
近代民主主義において、憲法は最重要の存在である。
憲法は、政治権力が暴走して、憲法が保障する基本的人権を侵害しないよう、政治権力に対して縛りをかけるために制定されているものである。
だからこそ、憲法改定のハードルは高く設定されている。
日本国憲法が自衛権について、どのような考え方を取っているのかについては、多くの論議がされてきた。
憲法の条文の上では、必ずしも明確ではない部分も生じてきた。
そのなかで、政府が諸事情を総合的に勘案して、憲法解釈を定め、その憲法解釈を憲法条文の内容として定着させてきた。
その憲法解釈の中心に置かれてきたのが、1972年の政府見解である。
1972年政府見解は、
「わが国が、国際法上右の集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然といわなければならない」
と記述し、日本が主権国家として、個別的および集団的自衛権を有していることを認めたうえで、
「平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されない」
とした。
その上で、自衛のための措置を講じることができる場合について、
「あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置として、はじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」
としたのである。
つまり、
日本は主権国家として個別的および集団的自衛権を有するが、日本国憲法の規定により、その行使は制限される。
個別的自衛権については、三要件を満たす範囲内で、その行使が認められるが、集団的自衛権については、その行使は認められない。
この憲法解釈を確立し、爾来、40年以上にわたって、この憲法解釈を維持してきた。
したがって、この憲法解釈が現行憲法の実質的な内容を意味すると捉えられるのである。
したがって、安倍政権が安全保障環境が変化して、日本が集団的自衛権を行使する必要があると考えるなら、憲法改定を提案し、憲法が定める手続きに従って、憲法を改定する行動を取るべきなのである。
安倍政権は当初、憲法改定の意向を示していたが、憲法改定が容易には実現しないと判断して、憲法を変えずに、憲法の中身を変えてしまうという行動に出たのである。
これを「憲法破壊行為」と表現する。
憲法を破壊する行為は許されてはならない。
2015年を回顧したときに、私たちが絶対に忘れてはならないことが、この憲法破壊行為である。
こうした年間回顧を踏まえて、2016年を展望する際、2016年に決定的に重要なイベントがあることを忘れてはならない。
7月頃に参院選がある。
そして、2016年内に衆院総選挙が行われる可能性が高いのだ。
衆院の任期は2018年まであるが、安倍政権は2016年に総選挙を実施するだろう。
場合によっては、衆参ダブル選ということもあり得る情勢だ。
衆参ダブルが実施されない場合には、2016年末の衆院総選挙の可能性が浮上する。
いずれにせよ、衆参の選挙が実施される可能性が高まっている。
この選挙で、安倍政権与党が大勝すると、安倍政権はいよいよ憲法改定に手をかけるだろう。
安倍政権はメディアを支配しており、日本の主権者に正しい情報が十分に伝わらない状況が生まれている。
この状況下で、安倍政権を敗北させなければならない。
極めて厳しい状況にあることは間違いない。
この状況を打破するためには、主権者が行動するしかない。
オールジャパン平和と共生
は、この問題意識に立って立ち上げたものである。
この運動は、お金を集めず、主権者のボランティアによって展開される連帯運動である。
大金を集めて展開される市民運動が存在するなかで、オールジャパン平和と共生は、金の力によらず、ネット上を中心とする主権者の主体的な行動で、政治変革の風を巻き起こそうとするものである。
その基本理念は、政策基軸、超党派、主権者主導である。
何よりも大事なことは、政策を基軸に据えることである。
小さな力も終結すれば大きな力になり得る。
オールジャパン平和と共生では3月18日午後6時半より、文京シビック大ホールで、国政選挙に向けた総決起集会を開催する予定である。
主権者の積極的な参画を呼びかけたい。
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