« 決戦の参院選まで8ヵ月:勝利の方程式を探る | トップページ | 安倍政権が企む参院選後の全権掌握条項制定 »

2015年11月20日 (金)

自公と第二自公の二大政党体制では日本のおしまい

これからの日本政治を考える際に、二つの重要なことがらを考えなければならない。


ひとつは、どのような政策を掲げる勢力が国会過半数議席を占有するのかである。


政権を樹立するという意味で、とりわけ衆議院過半数勢力が重要だ。


もうひとつは、政権を担い得る勢力として、どのような複数の政治勢力が存立するのかである。


衆議院の小選挙区制度は、政権交代を生み出しやすいという特性を有する。


選挙の際に死票が多く発生してしまうことは小選挙区制度の欠点であるが、その一方で、小選挙区制は政権交代を生み出しやすいという長所を併せ持っている。


選挙制度を選択する際には、これらの長所と短所を比較衡量する発想が重要である。


現在の日本では、自公という勢力が議会過半数議席を占有している。


2014年12月の総選挙では、主権者のなかで、この自公に投票した者の比率は24.8%に過ぎなかった(比例代表)。


しかし、この勢力が議会議席総数の68%を占有した。


圧倒的多数、議席総数の3分の2以上の議席を占有したのである。


この多数議席を背景に、現在、安倍政権は傍若無人の大暴走を展開している。


大暴走であるということは、安倍政権の政策運営に反対する主権者が多数存在することを意味している。


原発、憲法=集団的自衛権、TPP


そして


辺野古、格差


の五つの問題について、安倍政権が推進する政策に反対する主権者は全体の過半数を超えている、あるいは、過半数に迫る状況にあると推察される。

人気ブログランキングへ

こうした現状を踏まえると、現行の小選挙区制度の下では、安倍政権に対峙する政治勢力が結集して、二大政党体制の、自公の退治勢力を形成することが合理的であると言える。


自公に対峙する政治勢力が、政権交代を担い得る、反対勢力として存立することにより、主権者は、主権者の意向に沿う政治権力=政権を樹立し得るからである。


2009年に樹立された、小沢-鳩山主導の民主党を軸にする政治勢力による政権は、この図式によって樹立された政権であった。


しかし、この「小鳩政権」は、わずか8ヵ月半の短期間で消滅した。


その背景には、日本政治を支配し続けてきた日本の既得権益勢力が、この反対勢力による政権樹立を心底恐れ、この政権を破壊するために、暴虐、謀略の限りを尽くしたという現実がある。


米官業のトライアングル、


米官業政電の悪徳ピラミッド勢力にとって、「小鳩政権」の誕生は、まさに悪夢そのものであった。


この悪夢を打ち消し、二度と悪夢にうなされることがないようにすること。


これが既得権勢力にとっての至上命題になった。

人気ブログランキングへ

この悪夢を二度と繰り返さないようにするにはどうすればよいのか。


それは、小選挙区制度の下での「二大政党体制」を構築する際に、自公の対極に位置する反対勢力が、「自公対峙勢力」ではなく「自公補完勢力」になることである。


日本を支配する「悪徳ピラミッド」の頂点に位置する米国は、このことを目指し続けていると考えられる。


その、「自公補完勢力」として、米国が介入し続けているのが、


民主、維新、大阪維新


の勢力である。


野党再編、政界再編の話が出るごとに、この勢力が取り沙汰される。


現有議席が多いという事情はあるが、それ以上に、この勢力を軸に野党再編が論じられるのは、上記の事情があるからだ。


2008年以降、「みんな」や「橋下維新」が不自然に脚光を浴びてきた。


その背景には、CIAを含む米国による工作、情報操作があったことは間違いないと考えられる。

人気ブログランキングへ

このような洞察を踏まえたとき、日本の主権者が目指さねばならぬ方向は、民主、維新、大阪維新を軸とした野党再編ではないことは明白である。


現有議席が少ないから、これらの勢力を野党再編の中心に置かざるを得ないのではないかとの見方があるが、「正」対「反」による緊張関係を生み出すには、自公と自公補完勢力による二大政党体制は、絶対に避けなければならないのである。


こうした点を踏まえて、今後の自公対峙勢力の結集に際しては、現有議席の数には囚われずに、


原発、憲法=集団的自衛権、TPP


そして


辺野古、格差


の「政策を基軸に」して、


「党派には関わりなく」


「主権者が主導して」


自公対峙勢力の結集を図るべきなのである。


この政治勢力を


「オールジャパン」勢力


として結集する。


「オールジャパン新党」


とも呼べるような勢力の結集を図ることが求められている。


メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」


http://foomii.com/00050


のご購読もよろしくお願いいたします。


上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。


http://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1297号「政策を軸に党派超え主権者がオールジャパン候補選定」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

安保法制の落とし穴

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社

href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社

« 決戦の参院選まで8ヵ月:勝利の方程式を探る | トップページ | 安倍政権が企む参院選後の全権掌握条項制定 »

2016年参院選」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 自公と第二自公の二大政党体制では日本のおしまい:

» 大阪トコーソーという戯言をうれしそうに担ぐ大阪人 [心理カウンセラーの眼!]
自民党分派(維新)対自民党のW選挙なんて新喜劇ちゃう? [続きを読む]

« 決戦の参院選まで8ヵ月:勝利の方程式を探る | トップページ | 安倍政権が企む参院選後の全権掌握条項制定 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ