承認取消辺野古問題最大焦点は本体工事着手阻止
想定通り、沖縄県の翁長雄志知事が埋立承認を取り消しした。
問題は、
「辺野古に基地を造らせない」
という公約を実現できるかどうかである。
「辺野古に基地を造らせない」
という公約を実現するために、何よりも重要なことは、
辺野古米軍基地建設の
本体工事着手
を阻止することである。
沖縄防衛局は7月29日に、本体工事着手のために、沖縄県に事前協議書を提出した。
仲井真弘多前知事が出した埋め立て申請承認のなかで、埋め立て工事着手の前に事前協議をすることが定められていた。
このために、国は沖縄県と事前協議をしなければ、本体工事に着工することができなかった。
したがって、この「事前協議」のための協議書が沖縄県に提出される前に、翁長知事が埋立承認を取り消してしまうと、沖縄県は「事前協議」のための協議書を受理する必要がなくなる。
そうなると、手続き上、国は本体工事に着手することができなかった。
したがって、「本当に」「辺野古に基地を造らせない」という公約を守るには、一番遅くとも、国が本体工事着手の事前協議書を提出する前に、
埋立承認を取り消しておく必要があった。
メディアは、翁長知事が埋立承認を取り消したことを沖縄県民が高く評価していることを報道するが、沖縄県民の翁長知事に対する評価は、
「埋立承認を取り消したか否か」
ではなく、
「辺野古に基地を造らせない」公約を実現できるかどうか
で判定されるべきものだ。
「埋立承認の取り消し」は、
「辺野古に基地を造らせない」ための
手段
であって
目的
ではない。
「埋立承認を取り消し」ても、
「辺野古に基地を造らせてしまう」なら、
翁長氏は公約を守ることにならない。
昨年11月に沖縄知事選が実施された。
この候補者選定の時点から、私はこの問題を指摘し続けてきた。
翁長氏が知事に就任して、直ちに埋立承認を取り消ししていれば、
「辺野古に基地を造らせない」
という公約を守ることができた可能性は高い。
しかし、本体工事着手のための「事前協議書」が提出され、沖縄県がこれを受理してしまったあとに、埋立承認を取り消ししても、
「辺野古に基地を造らせない」
公約を守ることは困難になると推察される。
現時点で、結果が出ているわけではないから、断定することはもちろんできないが、少なくとも、これまでの翁長知事の行動が、
「辺野古に基地を造らせない」
公約を守るための
「全力投球の行動」
ではなかったことだけははっきりしている。
翁長氏の支持陣営のなかに、
「辺野古に基地を造る」
ことを容認して、それと引き換えに、大きな政府の沖縄支援策を獲得しようと考える勢力が存在すると考えられる。
USJの誘致も、那覇空港の滑走路増設も、医療特区の創設も、沖縄コンベンションビューロー会長人事も、沖縄都市モノレール社長人事も、沖縄MICE建設地選定も、この文脈で捉えることが必要との指摘もある。
翁長氏に対する評価は、あくまでも、
「辺野古に基地を造らせない」
公約の可否によって定められるべきものだ。
なぜなら、埋立承認取消をここまで先送りしてきた合理的な理由が存在しないからである。
「埋立承認は取り消した」が「基地は造られた」という結果が生じる場合には、その最大の原因は、
「埋立承認取り消し」があまりに遅すぎたということになるからだ。
もちろん、今後のさまざまな情勢変化により、辺野古基地建設が頓挫する可能性はある。
結果が大事だから、仮に頓挫するなら、それに越したことはない。
しかし、それは「棚からぼたもち」であって、政治の意思により、成果を間違いなく生み出した結果とは言えない。
この意味で、最重要の問題は、国が辺野古基地の本体工事に着手するのかどうかである。
国が本体工事に着手し、工事が進行する場合、
「辺野古に基地を造らせない」
公約を実現することは難しくなる。
実際に工事が進んでしまうからだ。
翁長知事が、6月までに埋立承認を取り消していれば、国は本体工事に着手できなかったと考えられる。
理由は、先述したように、「事前協議」を実行できないからである。
翁長氏は、なぜ、事前協議書提出の前に埋立承認を取り消さなかったのか。
現時点での最大の問題がこの部分にある。
続きは本日の
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