主権者が国会に集結して戦争法案を阻止する
大多数の憲法学者が違憲だとしている安保法案=戦争法案が安倍政権によって強行制定されようとしている。
日本国憲法第9条は
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
と明記している。
集団的自衛権の行使は、
国際紛争を解決する手段として
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使
を行なうものであり、憲法違反である。
1972年政府見解は、
国連憲章に規定のある、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の存在を認識したうえで、日本は主権国家として自衛権を有し、その自衛権のなかには集団的自衛権が含まれることを明記したものだ。
ただし、自衛のための措置を取ることについては、厳しい制約があることを明記した。
1972年政府見解は、自衛のための措置をとることができる要件として、
1.外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に、
2.国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置を
3.必要最小限度の範囲にとどまるべきもの
として、自衛権の行使が容認されるとの見解を示した。
しかし、
「わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」
と記述した。
つまり、1972年政府見解は、日本が主権国家として個別的自衛権だけではなく集団的自衛権を有することを明記しているが、しかしながら、憲法の制約があるために、
「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使」
は、
「憲法解釈上、許されない」
としたのである。
この憲法解釈が40年以上の長期にわたり維持されてきた。
つまり、この憲法解釈が憲法の内容そのものを形成してきたと言えるのだ。
この憲法解釈を安倍政権が変えて、
1972年政府見解が
「他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」
と明記したことについて、
「集団的自衛権行使を容認する」
ことを閣議決定し、これを法案化し、制定しようとしている。
これらの措置は、すべて、米国の指令に基づいている。
山本太郎参院議員が国会質疑で厳しく糾弾したように、安倍政権の政策はそのほぼすべてが、米国のアーミテージレポートに示された米国の指令をそのまま実行しているものに過ぎないのだ。
もはや、日本を独立国ということは困難な状況だ。
戦争法案は来週にも国会で強行採決される可能性が高まっている。
日本の主権者が立ち上がり、この暴政を止めなければならない。
この緊迫する国会情勢のなかで、
本日、9月10日(木)午後6時から、
衆議院第一議員会館多目的ホールにおいて、
オールジャパン平和と共生=AJPaC(エイジェイパック)
主催
テーマ別勉強会vol.2「戦争法案を許さない!」
が開催される。
講師は
伊藤 真 氏(弁護士・伊藤塾塾長)
小林 節 氏(慶應義塾大学名誉教授)
(50音順)
である。
小林節氏は、政局の潮目を変えた、6月4日の衆議院憲法調査会での「安保法案は違憲」の陳述を行った憲法学者の一人でもある。
伊藤真氏は、昨日9月8日の平和安全法制特別委員会で参考人として意見を後述した憲法学者・弁護士の一人である。
「安保法案が憲法上許されているのか否かの議論が十分なされているとは思わない。
法案は国民主権、民主主義、憲法9条、平和主義、立憲主義に反する。
直ちに廃案にすべきだ。」
と述べた。
明確かつ説得力のある論陣を張っている。
本日、9月10日(木)のテーマ別勉強会に、一人でも多くの主権者が参加し、主権者の力で戦争法案を阻止してゆかねばならない。
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