« 被爆者代表に糾弾された戦争法案推進安倍晋三氏 | トップページ | 安倍暴政打倒する主権者運動の本格始動 »

2015年8月10日 (月)

埋立承認取り消さず国と協議に談合の気配充満

沖縄県名護市で安倍政権が推進している米軍基地建設に関連して、安倍政権は8月4日、移設に関する作業を8月10日から9月9日まで1カ月間中止して、沖縄県と集中的に協議すると発表した。


この日、沖縄県知事の翁長雄志氏は記者会見を行い、辺野古埋立工事の1ヵ月中断と引き換えに、「埋立承認取り消し」を公式に棚上げした。


この会見で翁長雄志氏が、


「解決の糸口が探れる可能性があるのであれば、そのための努力は惜しまない」


と述べたことについて、記者が


「解決は政府が辺野古への移設を断念することか」


と質問した。この質問に対して翁長氏は次のように述べた。


「それを含めて議論する。これについては全く今日まで話したことはなく、どうなるか分からないが、県からすると辺野古への建設は不可能だという中から議論をしていきたい」


8月5日付琉球新報は、1面トップに


「辺野古1ヵ月停止」


の大見出しを打ち、


「県と国 合意」


のサブの見出しを付けて報道した。


まるで、沖縄県が国から大きな譲歩を勝ち取ったかのような報道だが、問題の本質を取り違えた、ミスリーディングな報道である。

人気ブログランキングへ

問題の本質は、


翁長雄志知事が、


「辺野古に基地を造らせない」


という知事選公約を実行するのかどうかである。


それ以上でなければ、それ以下である。


工事が中断しようと、工事が続行されようと、そんなことは基本的にどうでもよいことだ。


最終的な結果として、


「辺野古に基地を造らせない」


という公約を守れるかどうか。


これが問題なのである。


1ヵ月工事が中断されても、辺野古に基地が造られるなら、何の意味もない。


逆に、1ヵ月工事が中断されなくても、辺野古に基地を造らせないという公約を守れるなら、大きな問題にはならない。


「木を見て森を見ず」


の議論から脱却する必要がある。

人気ブログランキングへ

「辺野古に基地を造らせない」


という公約を実現しようというなら、いま何よりも重要なことは、辺野古基地の本体工事着手を阻止することだ。


本体工事に入る前に、国は沖縄県と「協議」をしなければならない。


沖縄防衛局は7月29日、本体工事着手のために、沖縄県に事前協議書を提出した。


仲井真弘多前知事が出した埋め立て申請承認のなかで、埋め立て工事着手の前に事前協議をすることが定められている。


国は沖縄県と事前協議をしなければ、本体工事に着工することができない。


この「事前協議」のための協議書が沖縄県に提出された。


これを沖縄県が受け取ってしまうと、国は本体工事に着手する条件を得てしまうことになる。


翁長知事が国による本体工事着手を阻止するには、この事前協議書を受け取ってはならなかったのである。


そのためには何が必要だったのか。


答えは明白だ。


翁長氏が仲井真前知事が出した埋め立て承認を撤回ないし取り消すことが必要不可欠なのだ。


埋め立て承認を取り消してしまえば、事前協議書を沖縄県が受け取る必要がなくなる。


事前協議書が受理されなければ、国は本体工事に着手できないのである。

人気ブログランキングへ

しかし、翁長知事は、いまだに埋め立て承認を撤回ないし取り消ししていない。


そして、国が提出した事前協議書を受け取ってしまったのである。


今後、1ヵ月国が工事を中断しても、その後に本体工事に着手することを阻止する最大の防御策を、翁長氏は、自ら放棄したということになる。


1ヵ月間の工事中断は、安倍政権が戦争法案を押し通す際に、沖縄の基地問題で国民世論の批判を浴びることを避けたいために取られた策である。


安倍政権の安倍政権による安倍政権のための、「目くらまし」施策に過ぎない可能性が濃厚なのだ。


沖縄が喜ぶような話ではないのである。


むしろ、原発、戦争法案という二大問題が国民世論の批判に晒されているタイミングで、沖縄が埋め立て承認の取り消しを行うことが、安倍政権を攻略する最大のチャンスであると見るべきなのだ。


翁長氏の行動は、「辺野古に基地を造らせない」ための行動というよりは、安倍政権に対する全面協力の行動であると評価されるべきであろう。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1214号「辺野古基地阻止に全力投球しない翁長知事」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社

« 被爆者代表に糾弾された戦争法案推進安倍晋三氏 | トップページ | 安倍暴政打倒する主権者運動の本格始動 »

辺野古米軍基地建設」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1026314/61104806

この記事へのトラックバック一覧です: 埋立承認取り消さず国と協議に談合の気配充満:

« 被爆者代表に糾弾された戦争法案推進安倍晋三氏 | トップページ | 安倍暴政打倒する主権者運動の本格始動 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ