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2015年8月 4日 (火)

腐敗臭が漂う刑訴法および盗聴法改悪の強行

「国家にしかできない犯罪、それは戦争と冤罪である」


これは、後藤昌次郎弁護士の言葉である。


国家による最悪、卑劣な犯罪。


それが戦争と冤罪だ。


安倍政権はこの


戦争と冤罪


を推進している。


安倍政権は、盗聴法・刑訴法等改悪案を衆議院法務委員会で強行採決し、8月6日か7日にも衆議院本会議で可決しようとしている。


盗聴法はこれまで、市民の反対などによって、その運用に不十分ではあるが一定の歯止めをかけられてきた。


しかし、法務省は盗聴法を改定し、盗聴を行い得る犯罪の対象を広範に広げるとともに、検察・警察などの捜査機関の施設で、第三者の監視なしで盗聴捜査を実施できるようにすることを目論んでいる。


大阪地検特捜部を舞台とした、村木厚子厚労省元局長に対する不当・冤罪逮捕で、大阪地検特捜部長などが捜査記録の改ざん、捏造などで有罪判決を受けた。


小沢一郎元民主党代表を標的とした政治謀略事案であった西松事件・陸山会事件では、石川知裕衆議院議員に対する取調べ捜査報告書が捏造されて、小沢一郎氏を強制起訴する決定的な要因になった。


史上最悪、最低の検察巨大犯罪が明るみに出されたのである。


こうした検察の巨大犯罪発覚を背景に、刑事司法の近代化を実現するために刑事訴訟法の改正等が検討されたが、最終的にまとめ上げられたのは、驚くべき改悪案だった。

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私も、国家による卑劣極まりない冤罪謀略事案に巻き込まれた当事者である。


この惨事に巻き込まれることによって、日本の警察、検察、裁判所制度の欠陥、前近代性を知ることになった。


日本の警察、検察、裁判所制度は、およそ近代国家とはかけ離れた水準にある。


江戸刑法の時代から、ほとんど進化していない状況にあると判断される。


その前近代性の一端が明るみに出たことによって、制度改正の必要性が生じたわけであるが、制度改正は何も行われないことになった。


制度改悪だけが実行されることになる。

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取り調べの可視化がすべての基本になる。


被疑者だけでなく、被害者、目撃証人を含む、すべての関係者の供述を、全面、完全可視化しなければ、警察、検察による犯罪の捏造などの悪質犯罪を防ぐことは不可能である。


冤罪を創作する警察、検察が、法廷に警察官を証人として送り込むことがある。


冤罪創作機関の一因が、真実を証言する可能性はゼロに近い。


ところが、裁判所は、警察官の証言を信用できるものとして取扱い、警察、検察が創作する冤罪成立に加担する。


日本の裁判所は、その人事権を、根幹の部分で内閣総理大臣に握られている。


下級裁判所の人事権は最高裁事務総局が握っているが、最高裁事務総局は最高裁の人事権を握る内閣総理大臣の顔色を見て人事を行っているから、津々浦々の裁判所に至るまで、内閣総理大臣の意向が、その人事に反映されるのである。

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日本の警察、検察、裁判所制度の諸問題のなかで、とりわけ重大な問題を三点提示する。


第一は、警察、検察に不当で不正な「裁量権」が付与されていることだ。


第二は、制度の全体を通じて、基本的人権が擁護されていないことだ。


そして、第三が、裁判所の独立性が確保されていないことである。


第一の警察の不正で不当な裁量権とは何か。


端的には刑事訴訟法248条が問題なのだ。


第二百四十八条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。


東電福島第一原子力発電所が人類史上最悪レベルの放射能事故を引き起こした。


この事故について、事故発生時に東電の代表取締役副社長だった皷紀男氏は報道陣の質問に対して、


原発事故は「人災であった」


との見解を表明している。


東電および経済産業省に対して、独立行政法人産業技術総合研究所などが、再三にわたり、福島原発の津波対策の不備を指摘したにもかかわらず、東電と国は、適切な津波対策を取ることを怠ってきた。


このために、過酷な放射能事故が発生した。


捜査当局が強制捜査を行い、責任ある当事者の刑事責任を立件するべきことは当然だが、これがまったく行われずにきた。


トヨタでは、役員が麻薬取締法違反で逮捕されたが、起訴猶予処分になった。


こうした裁量権は検察だけではなく、警察にも付与されている。


犯罪が存在するのに無罪放免にする裁量権



犯罪が存在しないのに犯罪人に仕立て上げる裁量権


の両方が、日本の警察、検察に付与されている。


日本とは、そういう国なのである。

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