「岩手ショック」が【オールジャパン平和と共生】起爆剤に
本年9月に予定されている岩手県知事選に出馬する意向を表明していた平野達男氏が出馬しない意向を表明した。
現職の達増拓哉知事が三選に立候補を予定しているなかで、達増氏の三選を阻止するために平野氏が知事選出馬の意向を示していたのである。
4月26日付ブログ記事
「民主党の解体なくして日本政治再生なし」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-1735.html
に記述したように、平野達男氏は小沢一郎氏の支援を受けて、2001年の参院選に出馬して当選した人物である。
達増拓哉氏は生活の党代表である小沢一郎氏直系の政治家である。
そして、岩手県は小沢一郎氏の牙城。
平野氏は小沢氏の力で参院議員になり、民主党政権では菅・野田政権で大臣職まで付与されていながら、小沢一郎氏に弓を引いたのである。
2013年の参院選では、民主党からの出馬が、当選に不利になると見て無所属で出馬した。
そして、今回の知事選では、自民党の支援を得て立候補の意向を固めていたのである。
自民党で平野達男氏の知事選出馬を後押ししたのは二階俊博氏である。
二階氏もかつては小沢一郎氏の陣営に所属した議員であるが、自自公連立政権から自由党が離脱すると、与党に残留するために、小沢氏とたもとを分かった人物である。
今回の知事選における平野達男氏の出馬方針は、小沢一郎氏の政治的生命を断つことを目的に組み立てられたものである。
平野氏の陣営には、小沢一郎氏の秘書を務めていた高橋嘉信氏が加わっていた。
2009年に民主党の小沢-鳩山ラインが政権を奪取したことと並行して、日本政治史上、最も卑劣で最も悪辣な政治謀略事案が進行した。
小沢一郎氏、鳩山友紀夫氏に対する史上空前の人物破壊工作が展開された。
その謀略によって鳩山政権は破壊され、小沢一郎政権の誕生が闇に葬られた。
その謀略工作の最終バージョンが今回の知事選であったと言える。
しかし、潮目が変わり、平野氏が当選する可能性は消滅した。
平野氏が知事選に出馬すると、参院補欠選挙も実施される。
小沢一郎氏系の達増拓哉氏が知事選に勝利し、補欠選挙でも小沢一郎氏系の候補者が勝利することが確実の情勢になった。
平野氏は完全に失脚し、後見人の二階俊博氏も大きな失点をあげることになる。
この事態が明白になったため、平野氏と二階氏が投降したというのが、知事選出馬取りやめの実態である。
安倍晋三政権は、これから坂を転げ落ちる。
次の政権の絵が描かれていないから、安倍政権の安泰が続くとの見解が一部で示されているが、甘い見方であると思われる。
安倍政権の凋落には、合理的な理由がある。
その「理の当然」に従って、安倍政権が下り坂を転がり始めたのだ。
そう簡単にこの流れを変えることはできないだろう。
どこに問題があるのか。
それは、安倍政権が民主主義の根幹を破壊し続けていることにある。
二つの致命的な過ちが犯されている。
一つは、立憲主義の根幹である憲法を破壊していることだ。
政治権力といえども、憲法の前には従順でなければならない。
これが「立憲主義」の基本である。
ところが、安倍政権は、その憲法をないがしろにしている。
政治権力を握れば、憲法も好きなように改変してよい。
これが安倍政権の基本スタンスだが、このような暴挙が容認されるわけがない。
二つめは、原発、憲法、TPPという、国の根幹に関わる重大事項について、主権者の意向を無視した政策運営を強行していることだ。
政治権力を握っているとはいえ、民主主義の政権であるなら、国の根幹に関わる重大事項については、主権者の意向を尊重して政策を運営しなければならない。
ところが、安倍政権は国会における「数の力」を振り回し、主権者国民の圧倒的多数が反対する重大政策を独裁的に強行しているのである。
このことが表面化して内閣支持率が急落している。
この根本が修正されない限り、政権支持率が再浮上することはあり得ない。
潮目が変わったから、風景は見る間に変わってゆくことになるだろう。
いや、変えてゆかねばならないのだ。
岩手県における平野達男氏、高橋嘉信氏、二階俊博氏の大敗北は、流れの転換を象徴する出来事であると言って間違いないだろう。
続きは本日の
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