« 「辺野古に基地を造らせない」公約廃棄の謀略 | トップページ | 無駄な競技場を作らずに国民の命を守れ »

2015年7月 9日 (木)

週末に第2のヤマ場迎えるギリシャ債務問題

ギリシャへの金融支援が合意を見なかったことでグローバルに金融市場の動揺が広がっている。


『金利・為替・株価特報』


http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html


2015年6月29日号(6月23日執筆)


に次のように記述した。


「6月に入りギリシャのデフォルトリスクが強く意識されてきた。


6月30日にギリシャは現行の救済プログラムの失効と国際通貨基金(IMF)への返済期日を迎える。


6月25日のユーロ圏財務相会合では合意に至らず、結論を持ち越した。


本誌が発行日を迎える29日には方向が明確になっている可能性が高いが、最終段階まで決着が見通せない状況が続いている。


6月24日に日経平均株価が2000年高値を更新したのは、ギリシャ問題で合意が成立するとの楽観論が広がったためだが、その後の揺り戻しが生じている。


この問題の決着が当面の金融市場動向を決定する最重要ファクターだ。」


「ギリシャと債権団との交渉決裂の場合、金融市場は大きな混乱に見舞われる。ユーロは急落し、他のユーロ加盟国の金融市場が揺さぶられる。


グローバルに株価の大幅調整が生じると考えられる。


逆に、金融支援再開合意が成立すれば、ユーロが上昇し、グローバルに株価が上昇傾向を強めると考えられる。


正反対の金融市場の反応が生じると見込まれるから、まずは、交渉の着地を見定める必要がある。」

人気ブログランキングへ

「双方の主張が対立したまま最終期限の6月末に近付いている様相は、チキンゲームにたとえられる。


2台の車を対面して発車させて、衝突コースから先に離脱した側を負けとするゲームだ。双方が譲らなければ衝突事故が起こる。


両者のスタンスを見るとギリシャの側の覚悟が強いように見える。


ギリシャ政府は最悪の場合には、交渉決裂、デフォルト発生をも辞さない覚悟で交渉に臨んでいる可能性がある。」


「ギリシャへの金融支援中止はギリシャ国債のデフォルト、ギリシャのユーロ離脱につながる可能性が極めて高いために、債権団の側が譲歩せざるを得ない客観情勢が存在していると見ることができる。


この客観情勢がギリシャ政府の強硬姿勢をもたらしている面があり、債権団サイドがこの点を不快に思い、交渉決裂の道を選択する可能性が生まれる。」


「金融市場では欧州金利反転上昇を背景にユーロが反発し、ドイツ株価が調整したが、ギリシャ楽観論が広がり株価が小反発した。


その後の交渉難航の影響は株価、為替には強く表れていない。金融市場は最終的には交渉成立を前提として動いているように見えるから、想定が覆された場合の反応は大きくなる。」

人気ブログランキングへ

以上が、6月23日時点で、ギリシャ情勢について『金利・為替・株価特報』に記述した内容の一部である。


金融市場では、


ギリシャと債権団との交渉で合意が成立する


あるいは


合意が成立しなくても各種手当が施されているから大きな混乱を引き起こさない


との楽観論が支配していたが、『金利・為替・株価特報』では、合意が成立しない可能性の高さを指摘し、その場合に、かなり大きな混乱が生じる可能性を指摘した。


現実は、強調したリスクが顕在化するものになっている。


『金利・為替・株価特報』の投資戦略の節で指摘したが、


「リスクが顕在化する局面で柔軟にリスク回避体制を採ることが重要」


である。


グローバルに金融市場は連動し、ひとつの問題が他に波及する


コンテイジョン=伝染


現象は、現代金融市場の一つの特徴にもなっている。

人気ブログランキングへ

ギリシャ問題について、グローバル強欲巨大資本側の報道は、


「ギリシャが悪い」


とするものがほとんどだが、ものごとの考察に必要なことは、多面的な思考である。


こちら側から見る状況と、あちら側から見る状況とがまったく違うことは少なくない。


ユーロの統合で最も利益を得てきたのがドイツであることは明らかである。


その利益を念頭に入れれば、ユーロという一つの統合体を維持するための、ドイツなどの負担は、その利益に対するひとつのコストなのである。


ギリシャに対して、財政再建の中身にまで口を差し挟み、政権を崩壊に追い込もうとする行為は、明らかに「内政干渉」である。


「弱肉強食」よりも「共生」を重視するチプラス政権を、グローバル強欲資本が敵視するのは十分に理解できるが、強欲資本の論理を押し通すことが、やがては、自分たちに大きなしっぺ返しをもたらすことを、強欲資本の側は十分に理解していないように見える。


この週末にかけて、ギリシャ問題は第二のヤマ場を迎える。


強欲資本の側が何らかの譲歩を迫られる可能性が徐々に拡大している点に留意が必要になるだろう。合意が成立すれば、金融市場の情勢は逆に一変する点に留意が必要だ。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1188号「ギリシャ債務問題で譲歩を迫られる債権団」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« 「辺野古に基地を造らせない」公約廃棄の謀略 | トップページ | 無駄な競技場を作らずに国民の命を守れ »

金利・為替・株価特報」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1026314/60674585

この記事へのトラックバック一覧です: 週末に第2のヤマ場迎えるギリシャ債務問題:

« 「辺野古に基地を造らせない」公約廃棄の謀略 | トップページ | 無駄な競技場を作らずに国民の命を守れ »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2018年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ