ISD付TPP大筋合意は明白な安倍自民党公約違反
TPPについて安倍晋三自民党は次の公約を明示している。
わが党は、TPP交渉参加の判断基準を明確に示します。
TPP交渉参加の判断基準
1 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
2 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
3 国民皆保険制度を守る。
4 食の安全安心の基準を守る。
5 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
6 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
これは、2012年12月16日の総選挙の際に、自民党が公表した公式文書である。
安倍自民党は6項目の公約を明示した。
その1番が、よく問題にされてきた、
「「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対」
というものだ。
ここでいう「聖域」として、
コメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖
の5品目が挙げられてきた。
しかし、6項目の公約のなかで、最重要の公約はこれだ。
「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」
「ISD条項は国の主権を損なうものであるから、これには合意しない」
というものだ。
このTPPの大筋合意成立に向けての作業が進められている。
ハワイで閣僚会合が開かれ、ここで、大筋合意を成立させる筋書きが用意されている。
この交渉について、NHKが次の報道をした。
7月27日のことだ。
「ハワイで開かれているTPP=環太平洋パートナーシップ協定の首席交渉官会合で、参加各国は、海外に進出して損害を受けた企業が、国際的な仲裁機関に訴訟を起こす「ISDS」条項について、導入する方向で最終調整に入る方針を確認しました。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加12か国は、日本時間の29日からハワイで始まる閣僚会合に先だって、首席交渉官会合を開いています。
3日目の27日の協議では、海外に進出した企業が、相手国の急な制度変更などによって損害を受けた場合に、国際的な仲裁機関に訴訟を起こす、いわゆる「ISDS」条項と呼ばれる制度の取り扱いについて協議しました。
この制度を巡っては、企業の海外進出に積極的なアメリカや日本が導入を求める一方、過去に訴訟で多額の賠償金の支払いを求められたとして、オーストラリアや一部の新興国が慎重な姿勢を示し、協議が難航していました。
こうしたなか、参加各国は、導入に慎重な国に配慮する形で、明確な根拠のない訴えは速やかに却下することや、訴えられる期間を一定の年数に制限することなど、乱用を防ぐ規定を設けることを前提に、導入する方向で最終調整に入る方針を確認しました。
首席交渉官会合では、協議が難航してきた、国有企業と民間企業の公平な競争条件に続き、「ISDS」条項の取り扱いで前進が図れたことで、大筋合意を目指す閣僚会合に向けて、対立点を絞り込む作業をさらに進めることにしています。」
安倍晋三自民党の選挙公約はどこに行ったのか。
NHK報道は驚くべき事実を伝えている。
「この制度を巡っては、企業の海外進出に積極的なアメリカや日本が導入を求める一方」
と伝えているのだ。
おかしくないか。
安倍自民党は2012年12月の総選挙の際に、
「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」
と確約しているのだ。
ISD条項に、
「国の主権を損なうISD条項」
と
「国の主権を損なわないISD条項」
があるのではない。
「ISD条項=国の主権を損なうもの」
であるから、
「ISD条項に合意しない」
ことが公約に盛り込まれたのだ。
いま交渉中のTPPにISD条項が盛り込まれることになるなら、
100%日本のTPP参加はない。
それが、安倍自民党の選挙公約である。
安倍晋三政権の日本破壊活動=民主主義破壊が止まらない。
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