資本優遇・労働冷遇アベノミクス本質を見逃せない
厚生労働省が毎月勤労統計を発表し、4月の現金給与総額が発表された。
事業所規模5人以上の事業所では、4月の現金給与総額が
前年同月比 +0.9%
の伸びを示した。
4月の全国消費者物価上昇率は
前年同月比 +0.6%
だった。
現金給与総額の伸びから物価上昇率を差し引いた、実質所得が
前年同月比 0.3%
となった。
4月は実質賃金が前年比でプラスを記録したことになる。
しかし、現金給与総額の中身を見ると、
所定内給与 +0.6%
所定外給与 -2.3%
特別に支払われた給与 +14.9%
となっており、現金給与総額を押し上げた大きな要因が
「特別に支払われた給与」=「ボーナス」であったことがわかる。
3月の現金給与総額は
前年同月比 +0.0%
消費者物価上昇率は
前年同月比 +0.3%
(消費税増税の影響2.0%を除く)
で、実質所得は
前年同月比-0.3%
だったから、4月は3月に比べると改善を示した。
しかし、4月の実質賃金増加はボーナスの増加に支えられており、所得環境が基調として改善しているとは言えない。
大企業を中心に企業収益が好調で、そのおこぼれを頂戴するかたちでボーナスは増えているが、所定内給与は目立った増加を示していない。
2014年度はGDP実質成長率が-1.0%成長に落ち込んだ。
消費税大増税で日本経済は撃墜されたのである。
その日本経済が、辛うじて「奈落の底」に落ちるのを回避できたのは、
1.2015年度の消費税再増税を先送りしたこと
2.原油価格が急落して、日本経済に大きな所得増大効果が付与されたこと
によっている。
この二つの条件が整わなかったなら、日本経済は奈落の底に落ちていたはずである。
原油価格が5割下落すると、日本の石油輸入代金が年間で約7兆円節約される。
原油価格急落は日本経済に7兆円減税と同等の経済効果を付与したのである。
『金利・為替・株価特報』
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
では、日本の株価見通しについて、以下のような予測を提示してきた。
2014年11月 年末にかけての「掉尾の一振」
年初からの株価下落
2014年5月 株価上昇
2014年10月 株価中立
2015年2月 株価上昇
2015年5月 株価弱含み
2015年5月 株価上昇
2015年の株価上昇は、「原油安の配当」によるところが大きい。
原油安=所得増大=物価下落=金利低下=株価上昇
のメカニズムが作動したのである。
しかし、この構図は、原油価格が反転上昇すると逆流する。
2015年半ばにかけてのリスクとして、この点を強調し、5月7日執筆のレポートで警戒スタンスを示した。
しかし、5月7日夜発表の米国雇用統計が市場心理の悪化を回避する内容となり、原油価格の反転が小康状態に移行する可能性が高まったため、5月中旬には株価見通しを「上昇」に回帰させた。
日本株価の上昇圧力が強い最大の背景は、企業収益の増大にある。この点を踏まえると、日本株価が大幅に水準を切り上げてもおかしくはない。
この点の分析は『金利・為替・株価特報』に記述しているが、別の視点から捉えると、この現実に日本経済の「歪み」がくっきりと浮かび上がっているということもできる。
それは、大資本だけが栄えて、一般労働者、末端労働者が切り棄てられているという現実なのである。
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