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2015年6月 6日 (土)

安倍政権が違憲立法強行なら安倍退陣要求を本格化

憲法、原発、TPP、基地、格差


これが、いま日本政治が直面する五大基本問題である。


日本の命運を左右する基本問題、日本国民の未来を左右する基本問題である。


安倍政権はこの五つの基本問題について明確な方針を示し、強引な手法で政策を推進している。


しかし、そこには重大な問題がいくつも存在する。


第一の問題は、安倍政権が強引に推し進める政策が日本国憲法に反している疑いが濃厚であることだ。


安倍政権が政治権力を握っているとしても、憲法の規定に反することは許されない。


それが「立憲主義」というものである。


憲法は権力者の暴走を防止するために存在する。


権力者といえども憲法の前には従順でなければならない。


安倍政権の憲法破壊行為を主権者は許してならないのである。


第二の問題は、安倍政権が主権者多数によって支持されていないことだ。


たしかに安倍政権与党は国会における多数議席を占有している。


しかしながら、主権者全体のうち、国政選挙に際して安倍政権与党勢力に投票した者は4分の1にしか過ぎない。


25%の民意にしか支えられていない安倍政権は、常に反対意見に十分に耳を傾ける必要がある。


第三は、日本国憲法が国政に対して、


「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利について最大の配慮する」


ことを定めているが、安倍政権の行動がこの規定に反していることである。

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このなかで、いま焦点が当てられているのが憲法問題である。


安倍政権は昨年7月1日に、集団的自衛権行使容認を閣議決定した。


そして、現在開かれている通常国会に、その閣議決定を具体化する安保関連法案を提出している。


しかし、この立法行為そのものが違憲である疑いが濃厚なのである。


6月4日に衆議院憲法審査会で参考人質疑が行われた。


これについて、NHKは次のように報道している。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150604/k10010102971000.html


憲法審査会 全参考人が「安保関連法案は違憲」


「衆議院憲法審査会で参考人質疑が行われ、安全保障関連法案について、「従来の政府見解では説明がつかない」という指摘や「憲法9条に明確に違反している」といった意見が出され、出席した3人の学識経験者全員がいずれも「憲法違反に当たる」という認識を示しました。


衆議院憲法審査会で行われた参考人質疑では、出席した3人から、後半国会の焦点となっている安全保障関連法案について意見が出されました。

この中で、自民党、公明党、次世代の党が推薦した、早稲田大学法学学術院教授の長谷部恭男氏は、「集団的自衛権の行使が許されることは、従来の政府見解の基本的論理の枠内では説明がつかず、法的安定性を大きく揺るがすもので憲法違反だ。自衛隊の海外での活動は、外国軍隊の武力行使と一体化するおそれも極めて強い」と述べました。


民主党が推薦した、慶応大学名誉教授で弁護士の小林節氏は、「仲間の国を助けるため海外に戦争に行くことは、憲法9条に明確に違反している。また、外国軍隊への後方支援というのは日本の特殊概念であり、戦場に前から参戦せずに後ろから参戦するだけの話だ」と述べました。


維新の党が推薦した、早稲田大学政治経済学術院教授の笹田栄司氏は、「内閣法制局は、自民党政権と共に安全保障法制を作成し、ガラス細工と言えなくもないが、ぎりぎりのところで保ってきていた。しかし今回の関連法案は、これまでの定義を踏み越えており、憲法違反だ」と述べました。

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日本国憲法は第9条で次のように規定している。


第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


「国際紛争を解決する手段として」


「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」



「永久に放棄する」


としている。


「集団的自衛権」


とは、自国ではなく、他国が武力攻撃等を受けたときに、武力を行使することであり、これは、日本国憲法が定める


「国際紛争を解決する手段として」、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」を「永久に放棄する」


ことに反するのである。


1972年に政府が公表した政府見解も、このことを明記している。


今回の憲法調査会で各党が推薦した参考人も、全員が「違憲である」ことを明言した。


この状況を踏まえれば、安倍政権は安保法制を撤回するしかない。


この状況下で、安倍政権がなお強引に法律の制定を行なおうとするなら、日本の主権者は躊躇なく、この政権を退陣に追い込む必要がある。

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