« 最悪の愚策「真珠湾攻撃」から学ぶべきこと | トップページ | 地震火山活動期日本の原発稼働は狂気の沙汰 »

2015年5月12日 (火)

大阪市民が都構想を否決しなければならない理由

5月17日に大阪市で大阪都構想の賛否を問う住民投票が行われる。


大阪市長の橋下徹氏が大阪都構想を提示している。


共同通信社が大阪市の有権者を対象に5月9、10両日実施した電話世論調査では、


大阪市を廃止し5つの特別区を新設する「大阪都構想」について、


賛成 39.5%


反対 47.8%


で反対が賛成を8・3ポイント上回った。


ただし、投票までまだ時間があること、また、賛成者と反対者の投票率に差が生じる可能性があることを踏まえれば、結果を断定することはできない。


橋下徹氏は、昨年12月の総選挙において、創価学会、公明党と連携する姿勢を示した。


苦境に立たされている橋下氏が創価学会に大阪都構想への支持を「懇願」する可能性もあり、予断を許さない。


決定権を有するのは大阪市民であり、大阪市民には参政権を放棄することなく、意思表示の一票を投じてもらいたいと思う。

人気ブログランキングへ

今回の住民投票で大阪市民は二つのことを考察しなければならない。


ひとつは、大阪都構想そのものの是非。


もちろん、これが基本にはなる。


しかし、もうひとつの事情を十分に考慮しなければならない。


それは、今回の住民投票結果が今後の日本政治全体に与える影響が大きいことだ。


具体的に言うと、住民投票で都構想が否決される場合、橋下徹氏は「政治家を辞める」と明言している。


とはいえ、平気でウソをつく人物だから、本当に政治家を辞めるのかどうかは分からない。


しかし、橋下徹氏の政治的影響力はいよいよ地に堕ちることになる。


逆に、大阪都構想が肯定される場合、橋下徹氏が政治的影響力を維持する可能性がある。


ここが最重要のポイントだ。


それは、安倍政権が憲法改定を強行するに際して、橋下維新の力を活用しようと企んでいるからだ。


大阪都構想が肯定された場合、橋下大阪市長は大阪都構想実現の目途をつけたうえで、来年夏の参院選に出馬すると見られている。


安倍晋三氏は国会議員となる橋下徹氏と連携して、憲法改定を強引に推し進める可能性が高いと見られているのだ。

人気ブログランキングへ

つまり、大阪市民は、今回の住民投票において、二つのことがらを考察し、どちらに比重を置いて投票するのかを決める必要がある。


大阪都構想の是非


と同時に、


憲法改定の是非


を考察し、どちらに軸を置いて投票するのかを定める必要があるのだ。


二つの問題のうち、圧倒的に重大であるのは後者だ。


憲法改定が強引に推し進められることを、私たちは体を張って阻止しなければならない。


このことに比重を置いて考えるなら、答えは明瞭である。


大阪都構想に断固NOを突き付けて、橋下徹氏の政治的影響力を完全に封殺することが望ましいのだ。


憲法改定に賛成ならば大阪都構想に賛成票を投じるのもよいだろう。


しかし、日本を再び戦争国家に転落させることは、体を張ってでも阻止しなければならないと考える主権者は、地を這ってでも今回の住民投票に参加して、都構想反対の一票を投じるべきである。


世論調査で反対多数でも、住民投票でこれを否決するには、投票所に足を運び、反対票を投じることが必要不可欠だ。


総選挙を棄権した人も、今回の住民投票には必ず行かねばならぬ。


都構想の賛否よりもはるかに重要な問題のために、必ず、投票所に行って、都構想反対の一票を投じるべきなのである。

人気ブログランキングへ

私は日本の地方自治体制の抜本的な刷新が必要であるとの持論を有する。


その観点から言えば、人口266万人の単一自治体は規模が大きすぎると考える。


しかし、現行制度下で大阪府を5つの特別区に分割しても、この特別区の自治権は制限付きのものにしかならない。


問題は大阪市単独の問題ではなく、日本全体の問題である。


このことについては、改めて、国全体の問題としてじっくりと検討するべきだ。


いま、拙速に大阪都構想を推進すべき理由は見当たらない。


憲法破壊、憲法改定に突き進む安倍晋三政権の暴走を阻止するには、まずは、今回の住民投票で大阪都構想を否定しておかねばならないのである。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1144号「安倍政権の憲法破壊阻止が最重要課題」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« 最悪の愚策「真珠湾攻撃」から学ぶべきこと | トップページ | 地震火山活動期日本の原発稼働は狂気の沙汰 »

橋下徹大阪府知事」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大阪市民が都構想を否決しなければならない理由:

« 最悪の愚策「真珠湾攻撃」から学ぶべきこと | トップページ | 地震火山活動期日本の原発稼働は狂気の沙汰 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ