« 埋立承認撤回を拒絶する翁長知事の一貫性 | トップページ | 埋め立て承認撤回しない理由は工事進捗の推進? »

2015年5月 3日 (日)

民衆の覚醒なくして戦争亡者の暴走を防げない

「原爆 水爆大好きな


戦争亡者の親玉よ


お前の親や兄弟が


女房や子供が


恋人が


焼けて爛(ただ)れて


死ぬだろう


苦しみもがいて死ぬだろう」


5月3日の中日新聞1面トップに、美輪明宏氏の作詞・作曲「悪魔」の歌詞が紹介された。


この日の日本経済新聞には、梯久美子氏の「愛の顛末-小林多喜二5-」が掲載された。


「多喜二が赤坂区福吉町(現在の港区溜池)の路上で特高刑事に逮捕され、築地警察署内で死亡したのは、昭和8年2月20日のことである。


自宅に運び込まれた遺体の服を脱がせたとき、仲間たちは息を呑んだ。


こめかみに傷、首には細引きで締められた跡があり、喉仏が折れていた。


下半身は赤黒い内出血で割れそうにふくれあがり、股の上には釘か錐(きり)が打ち込まれて肉がえぐられた跡が無数にある。


手の指の一本は逆向きに折られていた。」


プロレタリア文学の作家として知られる小林多喜二は特高警察によって、拷問の末、殺された。


ファシズムと戦争。


この歴史の事実の記憶が風化して、不幸な歴史がいま甦ろうとしている。

人気ブログランキングへ

美輪明宏氏は、


「国民を守る」「国を守る」


という耳当たりのいい言葉で、改憲の議論が進むことにいら立ちを隠せない。


「改憲して戦争に参加できるようにって、どうして学習能力がこんなにもないのか」


そんな政治家を舞台に立たせたのは、国民の選択だった。


そのことをもう一度考えてほしいと美輪さんは歌い、語り続けている。


「無辜の民衆が戦争に駆り出されるのではない。


選挙民に重い責任があるのです」


(「中日新聞」より引用)


安倍晋三氏が日本国憲法を破壊している。


憲法第9条には次の文字が刻まれている。


「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」


「集団的自衛権の行使」とは、


国際紛争を解決する手段として、


国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使


を行うことである。


憲法第9条に反していることは、小学生でも分かる。


したがって、「集団的自衛権の行使」を容認するためには、憲法改定が必要である。


安倍晋三氏が憲法改定を訴えて、正規の手続きを踏んで集団的自衛権の行使を容認するのなら、それはひとつの考え方である。


しかし、憲法改定が難しいからといって、憲法解釈を変更して集団的自衛権を容認することは許されない。


なぜなら、憲法が明確に集団的自衛権の行使を禁止しているからである。


それにもかかわらず、強引な手法で集団的自衛権を認めるのは、安倍氏の幼児性を示す暴挙としか言いようがない。


しかし、このような為政者を生み出していることに最大の責任を負うべきは、実は国民自身なのである。

人気ブログランキングへ

安保法制で、


「自衛隊派遣に例外なく国会の事前承認を必要とする規定を条文に盛り込む」


ことで自民党と公明党が合意したと報じられている。


「平和と福祉の党」である公明党が協議に参加しているから、明確な歯止めがかかっているとの評価があるが、実態はまったく異なる。


安保法制のうち、例外のない事前承認を定めるのは国際平和支援法だけであって、他国を武力で守る集団的自衛権の行使については、国会における事前承認が義務付けられない。


事後承認が容認されるのである。


日本が戦争国家に転落する引き金を引くのは「集団的自衛権行使」であり、これに国会の事前承認が義務付けられないのである。


事前承認が義務付けられるのは


「国際平和支援法」


だけであって、


「武力攻撃事態法」


「重要影響事態安全確保法」


には、事前承認が義務付けられない。


「周辺事態」を「重要影響事態」と名称を変えて、日本が軍隊を世界中に派遣する体制が整えられるのである。


日本の主権者は、いま何が起きているのかを把握して、日本が戦争国家に転落するのを絶対に阻止しなければならない。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1137号「民主主義を偽装する支配者の「支配の作法」」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« 埋立承認撤回を拒絶する翁長知事の一貫性 | トップページ | 埋め立て承認撤回しない理由は工事進捗の推進? »

反戦・哲学・思想」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 民衆の覚醒なくして戦争亡者の暴走を防げない:

« 埋立承認撤回を拒絶する翁長知事の一貫性 | トップページ | 埋め立て承認撤回しない理由は工事進捗の推進? »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ