« 予想通り翁長安倍会談物別れでお茶濁す極秘シナリオ | トップページ | 安倍首相は自己利益のために国益を売り渡すのか »

2015年4月18日 (土)

原発稼働・集団的自衛権・TPP参加を阻止する

昨日、4月17日、「孫崎チャンネル」に出させていただき、有益なご高話を拝聴させていただいた。


http://goo.gl/e83Nj8


原発、憲法、TPP


消費税、基地、格差


の六大問題のうち、


原発、憲法、TPP、基地の各問題について広範な解説、問題点の摘示、主張を示していただいた。


基本的な認識を共有させていただく。


原発については福井地方裁判所の樋口英明裁判長が、極めて重要かつ画期的な判断を示した。


樋口英明裁判長は、昨年5月21日に、関西電力大飯原発3号機、4号機の運転差し止め訴訟で、運転差し止めを命ずる一審判決を示した。


さらに、本年4月15日には、同じ関西電力高浜原発3号機、4号機の運転差し止め仮処分申請について、申し立てを認める仮処分を決定した。


この司法判断の重要性は、単に大飯原発、高浜原発の運転差し止めを命じただけではなく、原子力規制委員会が設定した規制基準に基づく原発再稼働全体について、規制基準が合理性を満たしていないことを明確に指摘した点にある。


安倍政権は「世界でもっとも厳格な」規制基準を設定し、その基準をクリアした原発を再稼働させる方針を示しているのだが、福井地方裁判所が示した判断は、その「世界でもっとも厳格な」規制基準が、


「原発の安全性を確保する」ものではない


ことを指摘したのである。

人気ブログランキングへ

日本の原発が過酷事故を引き起こす原因として、もっとも懸念が持たれているのは、言うまでもなく地震と津波だ。


福島原発事故の原因は明らかにされていないが、地震と津波が影響したことは間違いない。


日本は世界有数の地震国であるから、いつ、再び東日本大震災クラスの地震が発生してもおかしくない。


したがって、原発の安全性確保とは、まずは、日本で発生し得る地震や津波に対する安全性確保でなければならないことは当然のことである。


地震の揺れの強さを測る尺度が「ガル」と呼ばれる単位である。


日本では2008年に宮城岩手内陸地震で4022ガルの地震動を観測している。


このクラスの地震の揺れが、今後も日本各地で発生すると予想される。


したがって、原発の安全性を確保するには、


「最低でも」


この4022ガルの地震動に耐える設計になっていることが必要である。


誰にでも分かる判断である。


これ以下の規制基準で良いとする根拠を見出すことはできない。

人気ブログランキングへ

ところが、原子力規制委員会が設定した規制基準は、4022ガルとかけ離れたものである。


再稼働のトップバッターとされる、鹿児島県所在の九州電力川内原発の場合、規制委員会の規制基準は620ガルでしかない。


樋口英明裁判長が運転差し止め命令を示した関西電力大飯原発の場合は、関西電力が1260ガルの地震動に耐える設計になっていると説明するが、それでも4022ガルには遠く及ばない。


4022ガルをはるかに超える水準に規制基準が定められているというなら理解できる。しかし、現実はそうではなく、4022ガルをはるかに下回る水準に規制基準が定められているのである。


これで、原発の安全性が確保されているとは、口が裂けても言えないのである。


原子力規制委員会の田中俊一委員長は、このことを認識しており、


「原発が安全とは言わない」


と言っている。


そう発言するなら、


「基本的に安全」


と言える水準にまで、規制基準のハードルを引き上げるべきだ。


何のために存在する規制基準であるのか


根本から認識を誤っているとしか言いようがない。

人気ブログランキングへ

第二の問題は憲法破壊、集団的自衛権の問題である。


日本国憲法は、


「国際紛争を解決する手段として」、


「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は永久に放棄する」


ことを定めている。


集団的自衛権の行使は、明らかにこの規定に反する。


日本は平和主義を決意した国家として、国際紛争については、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使によらず、平和的手段で解決することを守り抜くべきである。


これが、現行憲法の規定下における唯一の選択肢である。


安倍政権は憲法改定の手続きを経ることもなく、現行憲法を維持したまま、集団的自衛権の行使容認に突き進んだ。


このような政治的暴走が許されてよいわけがない。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1127号「「平和と共生の連帯」運動による大同団結」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« 予想通り翁長安倍会談物別れでお茶濁す極秘シナリオ | トップページ | 安倍首相は自己利益のために国益を売り渡すのか »

政策連合(平和と共生)=ガーベラ革命」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 原発稼働・集団的自衛権・TPP参加を阻止する:

» 日本の国家主権を形骸化させるアベ右巻き政権の「反日・売国」性 【辺野古新基地・安保法制・TPP…】 [みなと横浜みなみ区3丁目]
(翁長知事「辺野古に絶対作らせない」と米大統領に伝達を要請。東京新聞4月18日) 安倍首相が翁長沖縄県知事と会談したその日(17日)、政府は安全保障法制に関する与党協議で条文案を提示・説明し、法制化の準備を加速させた。 今月末にはオバマ大統領との首脳会談が予定されており、これらの辺野古新基地建設、安保法制、さらにはTPPなどの「反日」政策が主要テーマとなる中で、安倍首相は”日米同...... [続きを読む]

« 予想通り翁長安倍会談物別れでお茶濁す極秘シナリオ | トップページ | 安倍首相は自己利益のために国益を売り渡すのか »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年6月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ