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2015年4月26日 (日)

民主党の解体なくして日本政治再生なし

統一地方選の後半戦が投票日を迎えたが、一向に盛り上がりに欠いている。


恐らく、投票率は今回もまた低水準にとどまるだろう。


選挙に行く人が限られている。


その一方で、現在の安倍政権の利権のおこぼれに預かろうとする人々は、地を這ってでも選挙に行く。


すると、安倍政権与党の勢力だけが多数議席を確保することになる。


議会で多数議席を占有した者たちは、「我が世の春」だとして、利権漁りに奔走することになる。


これがいまの日本政治の基本図式だ。


2014年12月の総選挙で、自民党に投票した主権者は、主権者全体の17.4%しかいない。


主権者全体の6分の1程度の人しか、自民党を直接支持はしていないのである。


公明党を合わせた与党全体でも、主権者のなかで投票した人は24.7%である。


4分の1の民意で日本政治が支配され、利権がむさぼられている。


悲しい現実が広がっているのである。


そして、これをさらに増幅した状況が、地方選挙で展開されている。


この状態が、安倍晋三氏の「やりたい放題」を容認する環境を作っているわけだ。

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こうした惨状の主因は二つある。


第一は自公勢力に対峙する政治勢力の責任。


自公政治の問題点を明らかにして、明確な対立軸を明示する。


そして、広く主権者の結集を呼びかける。


本格野党が躍動するべき局面で、この対応ができていない。


明確に安倍政権と対峙する方針を示し、全国規模で活動を展開しているのが共産党である。


だから、安倍政権に賛同しない主権者の投票が共産党に吸い上げられている。


しかし、共産党には投票したくないと考える主権者も多い。


だから、共産党が自民党に代わる存在にはなり得ないと見られている。


第二は主権者自身の責任だ。


安倍政権に対峙する政治勢力の対応に問題があることは事実だが、参政権を放棄して、事態を傍観するだけに終わっていることが、現在の政治の惨状を招く原因になっていることを認識しなければならない。


主権者は国民なのだ。


だから、主権者自身が現在の状況を打破しなければならない。


そのためには、主権者が主導して、安倍政権に対峙する政治勢力の結集を誘導しなければならないのだ。


安倍政権に対峙する政治勢力の結集が実現すれば、日本政治の状況は一変する。


共産党がプレゼンスを拡大させているが、共産党一党で、政治状況を転換することは難しいだろう。


自公で政治権力を専修している現状を踏まえて、共産党と連携して政権を担える、安倍政権に対峙する政治勢力の結集を図らねばならないと考える。


その際、焦点になるのは、現在の民主党と維新の位置付けだ。


現在の民主党は自民党とほとんど変わりがない。


原発、憲法、TPP、消費税、基地問題への対応を見れば分かる。


この民主党が野党の中心に居座るから、主権者の多数が政治からの離反を起こしているのだ。


維新はどうか。


維新は辺野古の基地建設に賛成であるとした。


大阪で都構想の住民投票で賛成多数のとなれば、橋下徹氏が国政に転じるという。


そして、安倍晋三氏と手を組んで憲法を改定するという構想が描かれている。


維新は民主よりも、より自民党に近い存在であると見ておくべきである。


したがって、これらの不純物を取り除くかたちで、野党勢力の結集を図る必要がある。


脱原発・集団的自衛権非容認・TPP不参加


を軸に、安倍政権と対峙する政治勢力の結集を図ることが必要なのである。


現有議席数は少ないが、政治に緊張感を回復させる際に重要なことは、


「数の論理」ではなく「政策対立」である。


基本政策を明確にして、安倍政権に対峙する政治勢力を結集する。


ここから始めなければならない。


そのためには、まず、民主党の解体的改革を断行することが必要である。


水と油が同居していたのでは、有権者は投票しようがない。


この党の解体から日本政治の再生が始まると言っても過言ではない。

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