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2015年4月20日 (月)

安倍首相は自己利益のために国益を売り渡すのか

日本の国民生活を根底から破壊するTPP(環太平洋経済連携協定)が妥結に向けて動いている。


鍵を握るのは米国の対応だが、民主、共和両党の超党派議員が、大統領に通商交渉の権限を一任する「大統領貿易促進権限(Trade Promotion Authority=TPA)」法案を議会に提出した。


米国では議会が通商に関する強い権限を握っている。


政府が外国と貿易に関するルールなどを決めた場合、米議会は個別の条文ごとに細かい修正を求めることができる。


TPP交渉が妥結しても米国議会が妥結内容を修正する場合、政府は相手国と再交渉しなければならなくなる。


TPP交渉参加国は、米議会がTPAを認めなければ協定案に署名しないと指摘されている。


米政府と交渉してルールを取り決めても米議会にひっくり返される可能性があるからだ。


この意味で、米国議会にTPA法案が提出された意味は大きい。


議会には民主党を中心にTPPに反対する主張が根強く、TPA法案が可決されるかどうかは不透明であるが、TPA法案が可決される場合にはTPPが妥結に向けて大きく動き出す可能性が一気に高まる可能性が高い。


これと表裏一体の関係にあるのが安倍晋三氏の4月末の訪米に際しての米議会上下両院合同会議で演説機会の獲得であるとの指摘がある。


安倍首相は訪米の際に、米議会上下両院合同会議で演説する。


日本の首相が米議会で演説するのは、1961年6月の池田勇人首相以来54年ぶり。


上下両院合同会議での演説は、日本の歴代首相の中では初めてである。


韓国の歴代大統領は過去6回も両院合同会議で演説しているが、日本の首相は演説機会を提供されてこなかった。


池田首相の前には、吉田茂首相、岸信介首相が議会で演説しているが、背景には米ソ冷戦の激化があった。


しかし、池田首相以降は日本の首相に議会演説の機会が与えられていない。


小泉首相は靖国参拝がネックになって機会を得られなかった。


安倍晋三氏が靖国参拝を実行したにもかかわらず議会演説の機会を得たの背景として指摘されているのが、TPP交渉での日本譲歩のシナリオなのである。

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これに呼応するかのように、日米の閣僚会合が4月19、20日に東京で開かれる。


4月23日に参加国全体の首席交渉官会合が開かれることを踏まえて、その前に日米の交渉進展を明示することがTPP早期妥結に必要であるとの判断が働いている。


基本シナリオは安倍首相に議会演説の機会を与えることと引き換えに、日本の大幅譲歩を提示させ、これを材料に議会でのTPA法案を可決に持ち込むというものである。


米国はアジアにおける中国のプレゼンス拡大に対する警戒を強めている。


中国を含まないTPPが米国のアジアへの影響力確保の最重要のツールとして位置付けられている。


日本の譲歩を見せることで、TPPに反対している民主党議員を懐柔する戦術が練られているわけだ。

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こうした図式を見る限り、議会演説機会の獲得と引き換えに、日本がTPP交渉で大幅譲歩することは、安倍氏が自分の利益と引き換えに、国民の利益を売り渡すということになる。


これこそが、「売国の作法」なのだ。


国民の利益を失うくらいなら、議会での演説機会など蹴り飛ばす、


というのが「愛国者作法」である。


安倍氏の行動を見る限り、優先されるのは自分の利益であって、国民の利益ではないということになる。


とはいえ、安倍氏の行動は、これまでの安倍政権の基本からすれば理解しやすいものである。


安倍首相の基本は「対米隷属」である。


日本の主権者の意思を基礎に据えるのではなく、米国の命令が基礎に据えられているのだ。


原発を推進するのも米国の命令である。


自衛隊を米軍の支配下に組み入れて、米国が創作する戦争に自衛隊が駆り出される体制を整えるのも、米国の命令に基くものである。


沖縄県民が2010年以来のすべての名護市議選、名護市長選、沖縄知事選、および2013年の参院選、2014年の衆院選で、辺野古米軍基地建設拒絶の意思を明示しているのに、辺野古米軍基地建設を強行しているのも、ひとえに、これを米国が命令しているからである。


つまり、安倍首相の行動を日本国の首相の行動として理解することは困難である。


しかし、これを米国の植民地日本の総督の行動として理解するなら、すべての疑問は氷解する。


安倍政権は米国が用意したシナリオに沿って、日本の国益を売り渡すTPP参加に向けて、突き進んでいるのだと理解できる。


この安倍政権の暴走に対して、


「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」


http://tpphantai.com/join/


が違憲訴訟を5月14日に提訴する見通しである。


一人でも多くの市民が会に参加して、国民生活を根幹から破壊するTPPへの日本参加を阻止してゆかねばならない。

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