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2015年4月 1日 (水)

AIIB主要国参加が示す対中包囲網外交の破綻

AIIB(アジアインフラ投資銀行)が中国主導で設立される。


これまでのアジア地域における国際開発金融機関としてはアジア開発銀行があり、いわゆるIMF・世銀体制の国際金融体制の枠組みのなかで、日本が中心的な役割を担ってきた。


これに対して、中国が新たに、アジア地域を軸とする国際開発金融機関を設立し、中核的な役割を担おうとしている。


英国、ドイツ、フランス、オーストラリアなどが相次いでAIIBへの参加を表明し、AIIBが巨大な国際機関として発足することが確実になった。


日本は、アジア開発銀行(AIB)を主導する立場から、AIIBへの参加に消極的な発言を繰り返しているが劣勢は明白である。


遅ればせながら、AIIB発足後に参加を申し入れる事態に追い込まれる可能性が高い。


米国はAIIBの透明性確保を要請しているが、米国のアジア戦略の中心には、中国との連携が置かれており、時機を見て、米国もAIIBに参画する可能性が高い。


米国の支配下にある日本は、米国を頼りに、AIIBを牽制する発言を繰り返してきたが、主要国が揃ってAIIBへの参加を決定し、頼りにしてきた米国でさえ、中国との連携に前向きな姿勢を示しているため、アジアにおける孤児に陥る気配が濃厚である。


根幹にある問題は、安倍政権がアジア友好ではなく、アジア敵対の基本方針を示していることにある。


日本だけがアジア敵対の方針に執着すれば、日本だけがアジアだけでなく、世界から取り残される状況に追い込まれることは必定である。


安倍政権の視野狭窄の外交姿勢を是正しなければ、日本国民が大きな損失を受けることになるだろう。

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において、私はAIIB(アジアインフラ投資銀行)の重要性をすでに指摘している。


AIIBについて既述した箇所を以下に転載する。



「安倍首相は、中国を敵視し、中国包囲網を形成する方針を掲げてきたが、完全なる空回りに終わっている。


韓国は日本との協調関係構築を拒んでいる。


安倍首相はインドに対する思い入れを強め、インドに対する巨大な経済支援を約束しているが、そのインド自身は、日本だけではなく、中国との友好関係も重視している。



安倍政権は、ロシアとの協力関係を強化し、日ロ友好関係をアピールすることによって、中国包囲網を形成しようとしたが、ウクライナ問題に対する日本の経済措置発動の影響もあり、ロシアは逆に中国に急接近する対応を示している。


インドも日本よりはむしろ中国との関係強化を強めており、欧米と日本によって構成されているG7の枠組みに代わる、いわゆる新興経済発展国グループであるBRICS諸国、すなわちブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの再連携が再び強調され始めている。



これまでの世界経済を支配してきたのは日本を含む欧米とIMF・世銀体制であったが、これに対抗してBRICS諸国は7月にブラジルで開いた首脳会議でBRICS開発銀行と新しい外貨準備基金を創設する方針を決めた。


BRICS版のIMF・世銀体制を構築しようというわけだ。



中期的に考えれば、世界の成長の主軸は、欧米からこの新興国に転換する。


中国、インド、ブラジルの潜在力は極めて高く、ロシアは巨大な地下資源を有する大国である。


日本の国家戦略としては、東京大学の安富歩教授が指摘しているように、3つの点を留意する必要がある。

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第1は経済成長の中軸が従来の製造業から非製造業に移行していることである。とりわけITに関連した産業分野が急速に広がりを示している。


第2に日本経済の最大の脅威は人口減少である。人口減少の主因は、弱肉強食推進政策にある。


弱肉強食推進の新自由主義経済政策を推進しながら、少子化対策を講じることは根本的な矛盾を有している。


西を目指しながら東に進めと言っているに等しい。



そして第3に世界経済の構図が大きく転換しようとしていることだ。


世界経済の成長の中心が欧米からエマージング市場、新興国経済に明確に移行していく。



この大局観を正確に捉えることなしに日本の経済政策戦略が構築されているところに、根本的な欠陥がある。


安倍政権が推進する成長戦略とは、単純な弱肉強食推進政策であり、それは米国を中心とするグローバルな強欲資本の利益を増大させることだけを目的とするものである。


しかしながら、グローバルな強欲資本の利益拡大を追求する政策の内容が、弱肉強食推進政策である以上、日本においては大多数の一般国民がより下流に押し流され、そのことが消費の構造的な停滞と、少子化の加速をもたらすことになる。



その延長上に生じることは、日本経済の衰退、そして消滅なのである。


欧米が欧米による世界経済支配を強化しようとすることに対し、BRICSなどの新興国がこれに対峙する経済構造を構築する戦略を提示し始めている。



新興経済発展国の中核を担うのは中国であると見て間違いないだろう。


2014年11月に中国の北京郊外でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催される。


この開催に合わせて、中国は「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の創設を打ち出す準備を進めている。


BRICS開発銀行ではなく、中国が名実ともにリードするアジアでの経済発展を支援する資金供給の国際拠点を創設しようという試みである。



中国は4兆ドルに近い、世界最大の外貨準備保有国であり、この外貨準備資金を活用して、中国を軸とする新世界秩序構築に踏み出す構えを示しているのである。



日本政府が、ただひたすら米国の命令に従うだけの、対米追従、対米隷属の経済外交政策を展開し続けることは、中期的に見て、日本経済および日本の主権者にとって最善の結果をもたらさない可能性が高い。


視野狭窄から離れて、世界情勢を俯瞰する、広い見地に立った国家戦略、経済外交戦略を構築することが求められている。」


(ここまで転載部分)

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