日本株価変動予測推移と現実の株価
筆者が執筆している
『金利・為替・株価特報』
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
では、日本株価の見通しを、2月12日執筆の2月16日号で、
「中立」から「上昇」
に変更した。
日経平均株価の予想変動レンジを
16500~18500円
としてきたものを、
17500~19500円
に変更した。
その直後から株価上昇が勢いを強め、日経平均株価が15年ぶりの高値をつけた。
『金利・為替・株価特報』においては、日本株価見通しが次のような変遷を示してきた。
2012年10月29日号
第1節【概観】日本円の下落が引き起こす大きな変化
に次のように記した。
「日銀の政策決定後もいまの、円弱含み、株強含み、長期金利弱含みの流れが大きく変化しない場合には、金融市場の流れが大きく転換する可能性が生まれてくる。
①米国の長期金利がボトムに到達した可能性があること、②他方、日本の金融政策においてさらに量的な緩和措置が強化される可能性が生まれること、を考慮すると、日本円の中期トレンドが「円高」ではなく「円安」に転じる可能性を否定できない。」
政治状況が変化して、為替が円安基調に転換し、連動して日本株価が上昇波動に転じる可能性を指摘した。
この直後に、野田佳彦氏が衆院解散を決定し、2013年央に向けて急激な円安、日本株高が進行した。
2013年1月25日号
第5節 株価が上昇する理由
にこう記述した。
「利回り格差が3%程度に縮小する場合、株式益利回りは3.7%となり、PERは27倍、日経平均株価は約16,000円になる。日経平均株価16,000円への上昇は十分に説明のつくものになる。日経平均株価が16,000~18,000円に上昇する可能性を念頭に入れておくべきである。」
日経平均株価は2013年央に16000円水準にまで上昇した。
そして、2013年末にかけて、金融市場では2014年株価に対する強気見通しが蔓延したのである。
このなかで、
2013年11月25日号
第2節 【政策】2014年度の政策逆噴射には最大の警戒が必要
第9節 【投資戦略】目先は掉尾の一振も大きなリスクが忍び寄る
に、
「2013年末に向けて、株価は「掉尾の一振」で上昇する可能性が高いが、2014年入り後は、消費税大増税を軸とする「政策逆噴射」による日本経済撃墜の見通しが強まり、株価は反転下落する可能性が高い」
との見通しを示した。
現実に、日本株価は2014年初から下落波動に転じたのである。
2014年5月12日号
全体タイトルは
「大増税で超割安水準に下落日本株価に妙味」
であった。
第9節 【投資戦略】逆張り発想への転換
に次のように記述した。
「安倍政権の政策逆噴射で日本株価は下方圧力を受けているが、株価諸指標は日本株価の割安を示している。
日本経済を悪化させる要因が出尽くしとなれば、日本株価は底入れ反騰に転じる可能性がある。
「逆張りの発想」により悪材料出尽くしの巨大チャンスを取り逃がさぬようにしなければならない。」
株価見通しを「下落」から「上昇」に変更した。
実際に、日経平均株価は5月19日を境に、上昇波動に転じたのである。
内外株式市場は10月に乱高下を演じた。
このなかで、
2014年10月14日号
に次のように記述した。
「日本株価について本レポートは、5月12日号で株価上昇見通しに転換したが、この株価上昇見通しを「中立」に転換する。
当面はなお乱高下が持続し、強弱感が対立すると想定するが、その後の方向は、12月までに決定される消費税再増税についての判断に依存することになる。
それまでの間の株価見通しを「中立」に転換する。」
そして、11月に入り、衆議院解散・総選挙が決定され、消費税再増税の先送りが決定された。
株価は乱高下を繰り返したのである。
その延長上で、
2015年2月16日号
第4節 【株価】日本株価予想変動レンジの上方改定
に次のように記述し、株価見通しを上方改定した。
「現時点での状況を総合的に勘案して、日経平均株価予想変動レンジを16500-18500円から17500-19500円に引き上げる。
前提は、①日本経済の緩やかな改善、②米ドルの底堅い推移、③日米長期金利の急騰回避、である。
背景には日本株価が理論的妥当値よりも下方に大幅かい離しているとの判断がある。」
現実に、日本株価は2月19日に2013年末高値を突破して、新領域に突入した。
続きは本日の
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