支離滅裂のNHK「偏向」を「編集」と言い逃れ
2月2日の「日曜討論」で、
「生活の党と山本太郎となかまたち」
の出演を妨害したNHK=日本偏向協会は、生活の党に対して、日曜討論への出演妨害について次のように説明したという。
1.現役議員が5人以上おり、
かつ
2.直近の衆院選で得票率が2%以上
という、局が定めた条件を満たしていない
ことを理由に出演を拒否したと説明したと伝えられている。
公職選挙法の規定では
1.所属する国会議員が5人以上
または
2.直近の国政選挙での得票率が2%以上
のいずれかの要件を満たした政治団体が「政党」として扱われる。
NHKは、この基準をもとに日曜討論への出演者を決定してきたと見られるが、これまでもその運用は極めて恣意的なものであったと窺われる。
昨年12月に安倍政権が解散・総選挙に突き進んだが、この局面では所属議員がたった一人の新党改革の荒井広幸参議院議員を何度も日曜討論に出演させた。
荒井広幸議員が安倍晋三氏に近く、荒井氏が安倍政権に対する賛辞を送ることを前提に荒井氏を繰り返し出演させたものと見られる。
荒井広幸氏は新党改革の代表を務めている。
しかし、この党に所属する議員は、荒井氏ただ一人である。
総選挙に際して開催された、大政翼賛会の御用メディア=日本記者クラブ主催の討論会にさえ、荒井氏は招かれていない。
主要政党の代表者が討論する討論会に、一人しか議員が存在しない新党改革代表者を参加させることが、明らかに政治的公平に反するからであると考えられる。
NHKはいかなる根拠で、所属議員が1名の新党改革を繰り返し日曜討論に出演させたのか。
NHKが荒井氏の出演を強行した大義名分は、新党改革が公職選挙法が定める政党要件を満たしているということだけだったと見られる。
すでに示したように、公職選挙法上の政党要件とは、
1.所属する国会議員が5人以上
または
2.直近の国政選挙での得票率が2%以上
である。
実は、新党改革はこの二つの条件のいずれをも満たしていない。
新党改革は、2010年の第22回参議院議員通常選挙における比例区での得票率が2.0%を超えたため、2016年まで国会議員が1人以上所属している限り政党要件を満たしている、ということである。
しかし、生活の党の出演を妨害するために提示した条件を、新党改革はまったく満たしていない。
NHKの政治的偏向、NHKの堕落、NHKの腐敗は目を覆うばかりである。
放送法違反が明確であるNHKに対して、視聴者は放送受信料を支払う必要はないだろう。
受信契約の解除申し入れが殺到しておかしくない状況である。
新党改革の、2012年12月総選挙以降の、得票率は以下の通りである。
2012年12月総選挙 0.22%
2013年7月参院選 0.0%
2014年12月総選挙 0.0%
(いずれも比例代表選挙の得票率)
政党要件を獲得した2010年7月参院選の得票率は2.01%だった。
「生活の党と山本太郎となかまたち」
の昨年12月総選挙における比例代表選挙得票率は1.93%だった。
生活の党は、北海道、中国、四国ブロックで比例代表選挙に候補者を擁立しなかった。このために、得票率が2%を割り込んだが、2%をわずかに割り込んだだけである。
安倍政権は小沢一郎氏、ならびに山本太郎氏を心底恐れているのである。
安倍政権の暴走に対して、正面から批判の正論を突き付ける、小沢一郎氏と山本太郎氏は、安倍政権にとっての天敵なのである。
NHK経営委員会サイトに、2013年9月7日に開催された
「視聴者のみなさまと語る会」
における質疑応答が掲載されている。
http://www.nhk.or.jp/keiei-iinkai/hearing/houkoku/h25_03.html
このなかで、専務理事の吉国浩二氏が次のように発言している。
「『日曜討論』にはいろいろパターンがありますが、一つのやり方は与野党同席での討論です。
そのときにどの政党に出席を依頼するかは、放送時間や、討論としての物理的な制約もありますので、国政への参加の実態や実績を踏まえて、報道機関として編集権に基づいて決めています。」
「報道機関としての編集権」
この「報道機関としての編集権」が濫用されている。
「編集権」があっても、その編集権は、政治的公平の原則を満たす範囲内で認められるものである。
「政治的公平」に反する「編集権」は認められていない。
吉国氏が主張しているのは「編集権」ではなく「偏向権」である。
安倍政権とNHKは小沢一郎氏と山本太郎氏の正論による政権批判の破壊力を心底恐れているのである。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1075号「放送法改定し日本偏向協会を抜本改革すべき」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章 価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
![]() |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
![]() |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
![]() |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 2.20勉強会起点にこの国の政治を主権者が取り戻す | トップページ | 多国籍資本に完全支配される日本への警鐘 »
「NHK問題」カテゴリの記事
- 戦争礼賛者重用する犬HK(2023.08.15)
- 目も当てられぬNHK報道の劣化(2023.07.20)
- 29万人主権者の負託は重い(2023.02.23)
- 壊される民主主義(2022.01.28)
- 拍車かかる「すがさまのNHK」偏向報道(2021.04.08)
« 2.20勉強会起点にこの国の政治を主権者が取り戻す | トップページ | 多国籍資本に完全支配される日本への警鐘 »