« 安倍首相の邦人拘束事件対応は正しかったのか | トップページ | 本性表す日本偏向協会支離滅裂説明の大失態 »

2015年2月 3日 (火)

国民の生命・自由・幸福追求尊重しない安倍首相

安倍政権の暴走を止めなければこの国は終わる。


安倍政権の基本姿勢は明確だ。


国民の生命を守ることなど二の次、三の次である。


「人命第一」


というのは、単なるウソだった。


信用できる余地はゼロである。


2名の邦人がイスラム国に拘束され、身代金を要求されているときに、安倍首相は何をしていたのか。


自由になる時間が十分に確保できた年末年始に安倍首相が時間を費やしたのは、


ゴルフ、高級ホテルでのグルメ三昧、コンサートである。


驚愕の事実は、安倍政権が邦人救出のための身代金交渉を一切行わなかったことを自慢げに吹聴していることだ。


何のことはない。


人命を救出する意思さえ持たなかったことになる。


むしろ、積極的に人命が失われる方向に行動したと言われても反論できないだろう。


1月17日は、阪神淡路大震災から20年の時間を迎えるタイミングだった。


安倍首相はこの慰霊式典に参加することなく、フランスでのテロ発生で警戒感が強まる中東に出かけていった。

人気ブログランキングへ

そして、安倍晋三氏が発した言葉がこれだ。


ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」


http://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/eg/page24_000392.html


1月17日、阪神淡路大震災から満20年のこの日、安倍首相はエジプトで開催された「日エジプト経済合同委員会」でこう述べたのである。


邦人2名がイスラム国に拘束されるなかで、イスラム国を空爆で壊滅させるために戦う周辺国に2億ドルの支援を発表したのである。


これに呼応して、イスラム国が2億ドルの身代金をyoutube映像を通じて求めた。


安倍首相はこの事態に対して、イスラエルで日章旗とイスラエルの六芒星の国旗を背景に次のように述べた。


「卑劣なテロはいかなる理由でも許されない。断固として非難する。」


そして、安倍首相は現地対策本部をヨルダン国に設置することを指示した。


ヨルダン国に現地対策本部を設置したことが、湯川さんと後藤さんの救出を極めて困難にした主因である。

人気ブログランキングへ

一連の推移を見ると、安倍首相にはそもそも、邦人2名を救出する意思が存在しなかったとの疑いが浮上する。


他方、イスラム国の出現には不透明な部分が多くある。


イスラム国の出現で最も利益を得ているのは誰か。


この視点も重要である。


イスラエルは有志国連合を通じて、アラブ諸国との敵対関係を緩和している。


また、米国の産軍複合体は、中東地域における武器弾薬、兵器の販売を急拡大させる格好の素材を得たことになる。


イスラエルが米国の産軍複合体と直結する存在であることは言うまでもない。


安倍首相は日本を米国の産軍複合体の利益共同体に組み入れるために行動しているように見える。


邦人の命を救う=人命第一の方針が取られたのなら、政府の対応はまったく異なるものになったはずだ。


邦人が拘束されて身代金を要求された際、人命第一の方針で対応するなら、身代金交渉に応じる対応が取られるの普通である。


身代金交渉に応じることは、他の多数の邦人の拘束リスクを高めるから、人命第一の原則に反するとの反論は示され得る。


しかし、フランスやドイツは身代金を支払って人質の命を救出したと見られている。


そして、その後にフランス人やドイツ人の拘束が増加したとの事実も確認されていない。


また、身代金交渉などについて否定的な見解を示している米国も、アフガン戦争の際には人質交換などの対応を示している。


邦人を見殺しにしておいて、「身代金交渉は一切していない」ことを自慢げに語る安倍政権の暴虐ぶりを主権者は直視する必要がある。


より重大な問題は、こうした安倍政権の暴走を厳しく糾弾する論調が、完全に抑圧されていることである。


政府の責任を適正に問うことができないのなら、国は衰退の坂道を転げ落ちる以外に、道はなくなってしまうだろう。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1071号「邦人殺害を誘導した安倍首相人質事件対応」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« 安倍首相の邦人拘束事件対応は正しかったのか | トップページ | 本性表す日本偏向協会支離滅裂説明の大失態 »

反戦・哲学・思想」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 国民の生命・自由・幸福追求尊重しない安倍首相:

» 痛恨の極みとは人質を救おうとしなかった者の戯言だ [心理カウンセラーの眼!]
支配層から若年層まで通底するこの時代の精神の危機があらわに! [続きを読む]

« 安倍首相の邦人拘束事件対応は正しかったのか | トップページ | 本性表す日本偏向協会支離滅裂説明の大失態 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ