新年の日本列島を襲う大寒波が惨事を引き起こす
新年を迎えた日本列島は典型的な冬型の気圧配置となった。
シベリアから張り出した低気圧が日本海上空を通過する際に異常に発達し、「爆弾低気圧」となった。
急激な天候の変化が日本列島を襲った。
この低気圧は、強風とともに、日本海側の山沿いに5メートル超もの積雪をもたらした。
沿海部でも積雪は50センチメートルを超えていた。
新崎原子力発電所の高台にある非常用電源車の車庫棟の入口もセンチメートルの積雪で埋まり、大みそかの夕刻からの厳しい冷え込みで表面が硬化していた。
「関東地方で大規模な停電が発生、原因は調査中」
このテロップがNHKの「ゆく年くる年」の放送中に流れたのは、新年を迎える数分前だった。
停電が起きたのは関東地方の50万世帯・・・・・・しかし停電を食らった世帯ではテレビのテロップを確認することもできず、不意の停電に不吉な予感を覚えはしたが、多くの人はそのまま床についた・・・・・・。
これは、現役経産官僚である若杉冽氏によるリアル告発ノベル
『東京ブラックアウト』(講談社)
の迫真の書き出しである。
若杉氏の第一作
『原発ホワイトアウト』(講談社)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-610e.html
を読まれた読者は、新作で「原発ホワイトアウト」の現実を目の当たりにすることになる。
福島の悲劇が日本を襲った。
あと一歩のところで、東日本は壊滅していた。
原発の精度が低く、圧力のリークがあったために大爆発が回避されただけのことである。
しかし、この原発事故で、日本は根底から破壊された。
いまなお、10万人を超える人々が避難生活を余儀なく迫られている。
「仮設でパチンコできるのも、東電さんのおかげです
仮設で涙流すのも、東電さんのおかげです
東電さんよ ありがとう」
これは、福島県浪江町の帰還困難区域に一時帰宅した住民が、自宅の窓に張り出した言葉である。
と若杉氏が記述する。
そして、原発事故発生から4年の時間が経過しようとするいま、福島県の子供たちの甲状腺がんの発症が急増している。
安倍政権は甲状腺がんの急増と原発事故との関係を否定するが、非情な現実がこの見解を明白に否定している。
日本の原発には、世界的には常識となっているコアキャッチャーすら設置されていない。
コアキャッチャーとは、原子炉でメルトダウンが発生した場合に備えて、原子炉格納容器の下部に設置される装置のこと。
溶けた核燃料を閉じ込めて冷却し、放射性物質の拡散を抑制することができる。
実は、中国の原子力発電所にも配備されている。
世界では常識となっている装置なのだ。
原発が事故を引き起こした際の、避難計画すら万全の備えがなされていない。
事故が発生すれば、住民は我先に遠隔地に避難を始めるだろう。
周辺道路が大渋滞になることは必定である。
そして、日本の法体系では、原発事故が発生した際に、誰が最終責任を負うのかが明確にされていない。
「決死の部隊が原発を守る」の言葉は綺麗だが、誰が決死の部隊を担うことになるのか、明確にされていない。
事故が発生した際に、自分自身の生命を守ろうとすることは、根源的な基本的人権に属することである。
この人権を抑圧して、個人を決死部隊に投入する指揮命令権はどこにも存在しない。
「原発再稼働が殺すのは
大都市の住民だ!!」
のメッセージが私たちの心に突き刺さる。
亡国の政策である原発再稼働がどのようなメカニズムで作動しているのか。
原発ホワイトアウトで日本列島に何が生じるのか。
すべての国民が、このリアル告発ノベルを読んで知る必要がある。
続きは本日の
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