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2015年1月 5日 (月)

橋下維新が大阪で議席を維持した背景

昨年12月14日に実施された衆議院議員総選挙では、自公の与党勢力が現有勢力を維持した。


700億円もの費用をかけて、多忙な年末に総選挙を実施した理由はただひとつである。


安倍晋三氏の私的な利益を満たすためである。


選挙結果がいびつであると言わざるを得ないのは、主権者の25%の得票で衆議院の68%の議席が占有されたことにある。


民意をまったく正確に反映しない議席構成が維持された。


安倍晋三氏が解散総選挙に突き進んだ理由は、このいびつな構造が維持できるタイミングが、この時機にしか存在しないことを正確に判断したからである。


私的な利益を満たすという目的に対しては、実に正当な巧妙な判断であった。


しかし、安倍晋三氏の私的な利益を満たすということは、同時に、日本の主権者の公の利益を損なうということでもある。


この最も重大な欠陥を常に頭に置いておかなければならない。


いびつな選挙結果がもたらされた最大の原因は、小選挙区制を基礎に置く現行選挙制度に対して、自公の与党が完璧な対応を示したのに対して、野党勢力の対応が完全に遅れたことにある。


この野党勢力の対応は、大多数の主権者の意思に反するものであり、今後は、主権者が野党の政治勢力を誘導して、次の国政選挙に備えなければならない。

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次の国政選挙は、恐らく2016年夏に実施されることになるだろう。


2016年夏には参議院議員通常選挙が実施される。


これは確定している。


衆議院の任期満了は2018年12月であるが、衆議院が解散されれば、その前に総選挙が実施されることになる。


一部には2016年夏の選挙が衆参ダブル選になるとの見方があるが、現時点では未確定である。


これ以前の衆議院議員総選挙の可能性を否定することはできないが、確率としては小さなものになるだろう。


したがって、2016年夏に次の国政選挙が実施される可能性が高いのである。


この、2016年夏の通常選挙では、消費税再増税の是非が重要争点になる。


安倍政権は1月下旬に召集される見通しの通常国会に消費税法改正案を提出する。


この法改正で、2017年4月に消費税率を現在の8%から10%に引き上げることが明記される見通しである。


「景気弾力条項」をつけずに、2017年4月の消費税率10%を確定する方針を示している。


この結果、2017年4月の消費税率10%が確定することになると思われがちだ。


しかし、この判断は正しくない。


なぜなら、2017年4月までに、改正された消費税法が再改正されれば、2017年4月の消費税率10%が実現しない可能性があるからだ。


つまり、法改正をすることが、2017年4月の消費税率10%を確定する確たる根拠にはならないのである。

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財務省は2016年夏の参院選結果を通じて、消費税率10%の規定路線が覆されぬように、全力を注ぐことになる。


これまで通り、選挙では「争点ずらし」の策略が展開されることになるだろう。


しかし、日本の主権者は、主権者として財務省と安倍政権の暴走を防がねばならない。


2016年夏の参院選を、主権者反転攻勢の橋頭保にしなければならないのだ。


昨年12月の総選挙結果は、衆議院議席構成を大枠で現状維持させたが、重大な変化が三つ観測された。


第一は、次世代が事実上、消滅したこと。


第二は、共産党が議席を大幅増加させたこと。


第三は、維新が議席を維持したこと。


この三つが重大な事項である。


次世代の消滅は安倍政権にとって大きな痛手になった。


憲法改定を目論む安倍政権は次世代勢力を増強することを目指していた。


この目論見が崩壊したわけだ。


代わりに躍進したのが共産党だが、安倍政権に対峙する信頼される国民政党が不在になったことが共産党にとって最大のフォローの風になった。


もうひとつ、見落とせない事項が、維新の議席維持であった。


維新は大幅に議席を減少させると見られていたが、結果としては、ほぼ現状維持になった。


その背後にある事実は、橋下徹氏が創価学会の軍門に下ったと見られることである。


これは私の「論評」であり、「事実」であると断定するものではない。


しかし、多くの関係情報を集める限り、橋下徹氏は創価学会の軍門に下った疑いが濃厚なのである。


今後の日本政局再編を考察する際には、この点への認識が極めて重大になる。

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