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2014年12月26日 (金)

自公に対峙する第二勢力は民・維でなく主権者党

不幸の原因、失敗の原因は


「矛盾」


にあるという。


「矛盾」


がものごとを歪める原因になる。


ものごとを正しい方向に向かわせるには「矛盾」を解消することが大事だ。


いまの日本で最大の矛盾は、


「民意」と「国会」がねじれていることである。


具体的に言えば、主権者の24.7%の得票しか得ていない安倍政権与党が68%の議席を占有したことだ。


4分の1の民意で7割の議席。


これを「矛盾」と呼ばずして何と言うことができるか。


安倍首相はこの部分を謙虚に考えた方がよいだろう。


「衆参のねじれ」など、「民意と国会のねじれ」に比べれば、些少な問題だ。


むしろ、「衆参のねじれ」があることにより、民意に支えられていない政権の暴走は防がれることになる。


「衆参ねじれ」には立派な効用がある。

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「民意と国会のねじれ」


が生まれている最大の理由は、衆議院議員総選挙における295の選挙区で、自公が候補者を一人に絞ったのに、非自公が候補者を一人に絞れなかったことにある。


共産党と民主・維新の間には、大きな隔たりがあり、共産党と民主・維新が候補者を一本化することは、現実の問題として難しい。


この事情が自公を圧勝させる原因になった。


つまり、自公が勝ったというより、非自公が負けたというのが正しい。


しかし、この結果として、不幸を突き付けられるのは国民だ。


全有権者のなかで自公に投票した者は24.7%


4分の1に過ぎない。


私は2012年以降の国政選挙について、このことを指摘し続けてきた。


国民の半分しか選挙に行かない。


選挙に行った国民の半分が自公に投票する。


すると、国民の4分の1の民意によって政治が支配されてしまう。


この「矛盾」を解消することが必要であると。

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この問題を解くカギを握っているのは、なぜ、有権者の半分が選挙に行かなかったのかにある。


最大の理由は、非自公陣営の求心力の低下である。


自公陣営は、盤石の体制で選挙に挑んでいる。


つまり、自公支持者の大半は投票所に足を運んだと考えられるのだ。


ところが、自公政権を支持しない有権者の大半が投票所に足を運ばなかった可能性が高い。


その理由は、自分が投票したい候補者が立候補していないという点にある。


この推論の正しさは、各種世論調査の結果が示している。


選挙直前の世論調査では、安倍内閣不支持率が支持率を上回った。


有権者が全員投票所に足を運び、安倍政権の支持・不支持で投票するなら、安倍政権には不信任が突き付けられる可能性が高いのだ。


安倍政権が推進する、


原発再稼働、集団的自衛権行使容認、消費税再増税、


TPP参加、辺野古米軍基地建設強行、格差拡大推進


の重要問題について、有権者全員が賛否を示すなら、安倍政権が推進する政策方針は否定される可能性が高いのである。


ところが、現実には、この民意が生かされず、民意に反する政治が横行することになる。


これを「矛盾」と言わずして、何と言うことができるか。

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問題は、小選挙区制度にどう対応するのかである。


小選挙区制度には長所も短所もある。


ものごとは皆そうだ。


長所の反面が短所であることが多い。


だから、一概に良いとか悪いとかの判定はできない。


ものごとの「陽」と「陰」を総体として捉えることが必要だ。


いま必要なことは、現行の小選挙区制度の存在を前提に、戦術を構築することだ。


小選挙区制度が実施されているのだから、この制度のなかで「矛盾」を解消する方策を考えるのが、「賢明」な対応というものだ。


それは何か。


答えは決して難しくない。


安倍政権の政策路線に対峙する主張を提示する政治勢力が結束して、295の小選挙区に一人ずつ候補者を擁立する状況を生み出すことである。


こう考えると、現在の状況での民主や維新は、その核にはなり得ない。


なぜなら、現在の民主や維新は、自民亜流に過ぎないからだ。


私たちの生命、自由、幸福を追求する権利に直結する、


原発、憲法、消費税、TPP、基地、格差


の各問題についての民主や維新の政策方針は、自民と大差がない。


これでは、自公政治を支持しない主権者の意思を汲み取る政治勢力にはなり得ない。


今回の選挙では、共産党がこの考えを持つ主権者の最大の受け皿になったが、共産党は支持しないという主権者も多数存在する。


だから、非自公の政策を明確に提示する


「主権者党」


の樹立が求められるのだ。

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