景気後退突入の現実を隠蔽する腐敗御用メディア
12月26日、11月鉱工業生産統計速報値が発表された。
鉱工業生産指数は
季節調整後前月比 -0.6%
の減少を示した。
鉱工業製品在庫率指数は
前月比4.0ポイント上昇の 116.8
を記録した。
11月に発表された予測指数では、12月の生産は
季節調整後前月比 +2.3%
の伸びを記録することとされていたから、予測指数に対して、大幅下方修正の統計数値発表となった。
この統計が示していることは、日本経済が、完全に景気後退局面にあることだ。
景気の循環変動を把握するうえで、最も有用な経済指標は、
鉱工業製品在庫率指数
の推移である。
景気循環の姿は、鉱工業製品在庫率指数の推移にくっきりと表れる。
鉱工業製品在庫率指数は、
景気拡大局面で低下し、
景気後退局面で上昇する。
鉱工業製品在庫率指数の推移を示すグラフを見ると、経済の循環変動が手に取るように分かる。
2008年の初めから2009年の初めにかけて、日本経済は急落した。
サブプライム金融危機不況が世界経済を襲ったのだ。
米国の投資銀行であるリーマンブラザーズ社が破綻したのが2008年9月15日。
リーマンショックが世界の金融市場を震撼させた。
日本では2008年末に、東京日比谷公園に年越し派遣村が設営された。
サブプライム金融危機大不況で、製造業が生産活動を急激に縮小し、派遣労働者が解雇されて、寒空の下に放り出されたのである。
鉱工業製品在庫率指数のグラフは、この大不況の進行を鮮明に描き出している。
2012年4月から2012年11月にかけて、不況が日本経済を覆った。
野田佳彦政権による財政再建原理主義不況である。
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」
と絶叫していた野田佳彦氏が、
「シロアリを退治しないで消費税をあげる」ことを決めた。
野田佳彦氏と菅直人氏は、日本政治を破壊したA級戦犯である。
二人とも、自分の利益のために、魂を財務省に売った人物である。
自分が総理大臣になるために、主権者との約束を踏みにじって消費税増税に突き進んだ。
そして、この愚行が、日本政治刷新の芽を破壊し尽くす主因になったのである。
いずれにせよ、鉱工業製品在庫率指数のグラフは、野田佳彦財政再建原理主義不況の現実を鮮明に示している。
そして、2014年の日本経済。
安倍晋三氏による消費税増税実施により、日本経済は再び景気後退局面に突き落とされた。
私が『日本経済撃墜』(ビジネス社)
で警告した「日本経済撃墜」が現実のものになった。
2014年の日本経済は景気後退局面にあるのだ。
これが真実である。
しかし、日本の腐敗御用マスメディアは、12月の総選挙に際して、事実無根の大本営報道を展開し続けた。
「アベノミクスで日本経済は改善傾向にある」
との虚偽報道が展開され続けたのである。
先の大戦で大本営が、日本軍の連戦連勝を喧伝し続けたのと、まったく同じ図式が展開され続けた。
拙著『日本の奈落』(ビジネス社)
で、2015年の日本経済を読み抜くポイントを指摘した。
アマゾンが、拙著に対する販売妨害行動を続けているのは、恐らく安倍政権の意向を反映したものであると思われる。
紀伊國屋ウェブショップでは販売が行われているので、ぜひご参照賜りたい。
http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784828417752
安倍政権がどの部分を国民に読ませたくないのか、本書から探り出していいただきたい。
また、
12月22日発行の「金利・為替・株価特報」第219号
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/
に、年明け後の金融市場動向についての分析を提示した。新年に幸運を呼び込むための秘訣も盛り込まれているので、ぜひご参考にしていただきたいと思う。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1043号「砂上の楼閣安倍政権打倒に向けての戦術プラン」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015) 価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章 価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
![]() |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
![]() |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
![]() |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 山本太郎議員合流生活の党が政界再編核心になる | トップページ | 「沈みゆく大国」とともに「沈みゆく属国」 »
「偏向報道(2)」カテゴリの記事
- 人を追い込む情報空間の歪み(2023.07.12)
- 「ブラマヨ吉田に賛同の声」に?(2023.05.28)
- 高市国務相の絶体絶命(2023.03.13)
- 責任を「感じて」も解決にならず(2023.03.10)
- 内容がねつ造でないなら議員辞職(2023.03.08)