« グローバル経済の真実-アベノミクスと円安誘導- | トップページ | アベノミクスの三つの顔と恐るべき正体 »

2014年12月22日 (月)

原発・憲法・消費税・TPP・基地・格差で反自公連合

12月14日の選挙で自公政権与党が勝利して、安倍政権を支持しない主権者は落胆している。


原発、憲法、消費税、TPP、基地、格差の


六つの重大問題が、主権者の意思に反する方向に誘導される可能性が高まった。


一強多弱の構造が絶対的真実であるかのような報道が流布されて、主権者は一強多弱が絶対の真実であると錯覚してしまいやすい。


12月14日に実施された総選挙の結果は、2012年12月の総選挙結果と酷似するものだった。


自公の与党獲得議席は改選前の326議席が325議席になった。


475の定員の68%を自公が占有した。


この数字だけを見ると「自公圧勝」ということになり、主権者の多くは自公が圧勝したと勘違いしてしまう。


しかし、比例代表の得票率を見ると、自公の得票率は46.8%で、5割にも達しない。


比例代表の獲得議席数は94で、定数180の半分を辛うじて上回るものだった。


選挙結果を詳細に調べてゆくと、総選挙の実態=真実が、実は「自公圧勝」ではなかったことが分かる。

人気ブログランキングへ

そして、今回総選挙のもうひとつの特徴は、投票率が著しく低かったことだ。


52.66%という、戦後最低記録がはじき出されたのである。


選挙に行った人の比率が52.66%。


そのなかで、自公に投票した人の比率が46.8%。


すべての有権者のなかで自公に投票した人の比率は24.7%だった。


かねてより指摘しているように、


5割の投票率で


投票した人の半分が自公に入れた。


有権者全体の4分の1の投票で7割の議席が占有されているのだ。


「民意なき多数議席」と言わざるを得ない。


逆に言えば、自公が日本政治を支配する構図は、まったく盤石ではないのだ。


砂上の楼閣と表現するのが妥当である。


自公による日本政治支配が「絶対的真実」と捉える必要はない。


「絶対的真実」ではないのだ。

人気ブログランキングへ

問題は「戦術」にある。

 

衆議院議員総選挙で勝敗を決する決め手になるのは、295の小選挙区である。


この小選挙区対策を実行しているか否か。


これが勝敗を分ける分岐点になっている。


自公の側は、295の選挙区で盤石の選挙協力体制を敷いている。


これに対して、反自公の陣営はどうか。


共産党がほぼすべての選挙区に候補者を擁立し、これ以外に、民主、維新などがそれぞれに多数の候補者を擁立した。


これでは、自公が負けるはずがない。


選挙をやる前から、自公が獲得議席数の勝負の上で「圧勝確実」になってしまっているのである。


この状況を放置したまま、民意に反して自公が圧勝したのは悔しいと地団駄を踏んでも、誰も同情してはくれない。


安倍政権の暴走を食い止めるための、具体的な対応、戦術構築、行動が求められているのだ


その具体策を提示し、行動を開始しなければならない。

人気ブログランキングへ

その際、重要になるのは、目の前にある議席配分に目を奪われないことだ。


目の前の議席配分に目を奪われると、民主と維新の合流による新党が政界再編の核になってしまう。


しかし、現状の民主と維新は一言で言って、自民補完勢力でしかない。


原発、憲法、消費税、TPP、基地、格差の問題で、民主と維新が示す政策は、自公と大差がないのだ。


このことが選挙の投票率の低さと密接にかかわっている。


つまり、民主と維新は、主権者多数の意思を代弁する存在ではない。


最大の票田は、選挙に行かなかった約半分の主権者そのものなのだ


いまの議席は少ないが、原発、憲法、消費税、TPP、基地、格差の問題で、安倍政権に真正面から対峙する政策方針を明示する主権者の党を創設するなら、こちらの方が、実は、民主・維新連合よりもより大きな主権者の支持を得る可能性が高い。


目先の議席配分に惑わされずに、政策を基軸に、暴走安倍政権に対峙する


「主権者の党」


を立ち上げて、この主権者の党と共産党による盤石の選挙協力体制を構築することを考えるべきだ。


急がば回れ。


これが日本政治を刷新する道である。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1038号「為せば成る成らぬは人の為さぬなりけり」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« グローバル経済の真実-アベノミクスと円安誘導- | トップページ | アベノミクスの三つの顔と恐るべき正体 »

2016年総選挙」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 原発・憲法・消費税・TPP・基地・格差で反自公連合:

« グローバル経済の真実-アベノミクスと円安誘導- | トップページ | アベノミクスの三つの顔と恐るべき正体 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ