« かわうち原発の再稼働は完全なる憲法13条違反 | トップページ | 矢部宏治氏新著が明示する米国の日本支配構造 »

2014年11月 8日 (土)

尖閣領有権棚上げの原点に回帰し日中関係を改善

「尖閣問題を紛争のタネにするな」


というタイトルの社説がある。次の書き出しで始まる。


「日本が尖閣諸島の魚釣島で進めいている開発調査に対し、中国外務省が公式に遺憾の意を表明するとともに、善処を求めてきた。


この遺憾表明は口頭で行われ「日本の“行為”は法的価値を持つとは認めない」と中国側の立場を明確にしながらも、厳しい抗議の姿勢ではなく、繰り返し大局的な配慮を要望したという。事をあら立てまいとする中国の姿勢がうかがわれるが、わが国としてもこの問題を日中の“紛争のタネ”に発展させないよう慎重な対処が必要だろう。」


さらに次のように続く。

「尖閣諸島の領有権問題は、一九七二年の国交正常化の時も、昨年夏の二中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。


つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。


それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束ごと”であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。


鄧小平首相は、日中条約の批准書交換のため来日した際にも、尖閣諸島は「後の世代の知恵にゆだねよう」と言った。


日本としても、領有権をあくまで主張しながら、時間をかけてじっくり中国の理解と承認を求めて行く姿勢が必要だと思う。」

人気ブログランキングへ

尖閣領有権問題は日本と中国がそれぞれに領有権を主張しているため、1972年の日中国交正常化時と、1978年の日中平和友好条約調印時に
「領有権問題の決着を先送りすること」で日中両政府が了解した。


上記の「社説」は、


「共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした「約束ごと」である」


ことを明記している。


日本と中国の双方が尖閣諸島の領有権を主張しており、両国の国交正常化及び平和友好条約締結のために、この問題の決着を先送りすることで両国が合意したことを、一般に「棚上げ合意」と呼んでいる。


上記「社説」は、尖閣領有権問題の「棚上げ合意」が存在することを明確に認めたものである。


この社説は、読売新聞社説である。


1979年5月31日付の読売新聞に掲載されたものである。


読売新聞は、社説において、尖閣諸島の領有権問題に関する日中両国による「棚上げ合意」が存在することを、


「これを順守するのが筋道である」


と明記している。


これは歴史の真実、明白な事実である。

人気ブログランキングへ

その読売新聞が、2013年1月26日付の社説では、次のように記述した。


「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない。日本政府の立場を堅持することが肝要なのに、気がかりな点がある。


山口氏が訪中前、香港のテレビ局に対し「将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」と述べ、「棚上げ論」に言及したことだ。


山口氏は習氏らとの会談では触れなかったが、看過できない発言だ。棚上げ論は、中国の長年の主張である。


先に訪中した鳩山元首相は、尖閣諸島を「係争地だ」と述べた。領有権問題の存在を認めたことなどから、中国の主要紙が大きく取り上げた。中国に利用されていることが分からないのだろうか。


国益を忘れた言動は百害あって一利なしである。」


つまり、


「棚上げ合意が存在する」


ことを社説で主張していた読売新聞が、手のひらを返して、今度は、


「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」


と社説で述べているのである。


こうした、いわゆる「二枚舌」外交が、


「国益を忘れた言動」


と言うべきもので、


「百害あって一利なし」


の行動なのだ。

人気ブログランキングへ

日中首脳が2年半ぶりに北京で首脳会談を開催する可能性が高まった。


尖閣諸島の領有権問題について、日中両国間に見解の相違が存在することを日本政府が認めることによって首脳会談が開催される予定となった。


日本政府が従来の主張を変えて譲歩したことによって首脳会談が実現することになる。


あたり前の対応が取られたわけで、このように問題を長期化させず、歴史事実に基づいて早期に対応するべきであった。


とはいえ、日本側が譲歩して日中関係を改善させる方向に一歩前進することは望ましいことである。

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第1004号「日本政府が主張改め日中関係改善に進むのが適正」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない 消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立 日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路 売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― 知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ 消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

戦後史の正体 戦後史の正体

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する

日米同盟の正体~迷走する安全保障 日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義 検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する

検察の罠 検察の罠

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える 「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:鹿砦社
amazonで詳細を確認する

« かわうち原発の再稼働は完全なる憲法13条違反 | トップページ | 矢部宏治氏新著が明示する米国の日本支配構造 »

尖閣問題」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 尖閣領有権棚上げの原点に回帰し日中関係を改善:

« かわうち原発の再稼働は完全なる憲法13条違反 | トップページ | 矢部宏治氏新著が明示する米国の日本支配構造 »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ