どうしても承認撤回取消確約できない翁長雄志氏
沖縄県知事選投開票日まで1か月を切った。
10月17日には、青年会議所主催の公開討論会も開催された。
今回知事選最大の争点は辺野古米軍基地建設問題である。
この米軍基地建設について、安倍政権の官房長官の菅義偉氏は、9月10日の記者会見で、
「最大の関心は沖縄県が(辺野古沿岸部の)埋め立てを承認するかどうかだった。知事が承認し粛々と工事しており、もう過去の問題だ。争点にはならない」
「仲井真知事が埋め立て承認を決定した。そのことで一つの区切りがついている」
と述べた。すなわち、この問題の核心が知事による埋立申請承認であり、この承認がある以上は、米軍基地建設を粛々と進行させるということである。
したがって、辺野古米軍基地建設については、安倍政権のこのスタンスをベースに置いて対応することが必要不可欠である。
具体的に言えば、知事による埋立申請承認を撤回または取消しなければ、辺野古米軍基地建設を止めることができない。
このことを明確化したうえで対応策を検討することが必要不可欠である。
辺野古米軍基地建設について、埋立申請承認をベースに、4人の候補者の対応を整理すると次のようになる。
仲井真弘多氏 埋立申請を承認した本人
翁長雄志氏 埋立申請承認の撤回・取消を視野に入れる
喜納昌吉氏 埋立申請承認の撤回・取消を行う
下地幹郎氏 住民投票を実施する
こうして見ると、辺野古米軍基地建設推進が仲井真弘多氏、これを埋立申請承認の撤回または取消で対応するというのが喜納昌吉氏ということになる。
翁長氏は辺野古米軍基地建設に反対はするが、埋立申請承認撤回・取消については明言していない。
下地氏は住民投票の結果を踏まえて判断するとしているから、基本的に中立、時間的にも対応は先のことになる。
今回の知事選の最大争点が辺野古米軍基地建設問題であるとし、辺野古に新たに米軍基地を建設させないことを求める県民は誰に投票するべきであるか。
現在の公約提示状況から判断すれば、投票は喜納昌吉氏に集中させるべきということになる。
そうなると、辺野古基地建設阻止の県民投票が分断される危険が生まれる。
このことから、喜納昌吉氏は翁長氏に、埋立申請承認の撤回または取消を確約して、候補者一本化をするべきだと提言した。
翁長氏がこれを確約すれば、自分が出馬を辞退すると提言したのである。
しかし、これを翁長雄志氏が拒絶した。
誠に残念なことである。
辺野古米軍基地建設阻止の県民投票をが分断されることを回避するための最も有効な提案を翁長雄志氏が拒絶したのである。
この翁長雄志氏が、辺野古問題についての見解を公表した。
沖縄タイムズは10月15日付紙面で次のように伝えている。
「11月の知事選に出馬を表明している前那覇市長の翁長雄志氏(64)は14日、米軍普天間飛行場の返還問題に関する公約について、「あらゆる手法を駆使して辺野古新基地は造らせない」と明記する方針を決めた。」
「埋め立て承認への対応について、翁長氏側は「選挙結果をもとに日米両政府へ基地建設中止を求めるなど、ありとあらゆる方法や手段で取り組む必要があり、承認の撤回や取り消しも選択肢の一つである」との考えを示した。」
この表明は次のように読み取るべきである。
「辺野古に基地は造らせない」の公約を掲げるが、「埋立申請承認の撤回または取消」は明言しない。
「選択肢の一つ」というのは、典型的な霞が関用語である。
どこにポイントがあるのかと言えば、撤回または取消をしない場合の「口実」になるのである。
「あらゆる方法や手段で取り組む」のなら、
「他の方法で打開できない場合には、埋立申請承認の撤回または取消を行う」
と明言すればよい。
これを明言しないのは、埋立申請承認の撤回または取消に消極的であることの証左なのであると捉えられて当然である。
翁長氏の支持者から「なぜ埋立申請承認の撤回または取消を確約しないのか」との声が上がると、陣営が厳しい締め付けを行なって、こうした声を封殺されるとの声が随所から届いている。
翁長氏陣営は、何としても「埋立申請撤回取消の確約」をせずに、知事ポストを手中に収めたいと考えているのだと思われる。
その延長上にあるのは、県民への裏切りであるリスクが限りなく大きい。
知事選が、辺野古米軍基地建設の是非を問う選挙ではなく、県知事利権の争奪戦に転落している様相を色濃くしているのだ。
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