沖縄の主権者必見「翁長雄志氏出馬表明会見」
10月7日(火)に那覇市で開催されたシンポジウム
緊急提言「埋め立て承認撤回なくして 辺野古は守れない!」
には、多くの沖縄県民の皆様にご参加いただき、感謝申し上げます。
私は、「辺野古に米軍基地を建設させない」ことを希求し、この目的のために何が必要であるかを考察し、一切のしがらみとは無関係に、純粋に自分なりの考え方を述べさせていただいた。
シンポジウムの模様はIWJが実況生配信くださり、現在のところ、アーカイブ映像も一般公開くださっているので、ぜひご高覧賜りたい。
2014/10/07 【沖縄】緊急提言 「埋め立て承認撤回なくして、辺野古は守れない!」シンポジウム:植草一秀氏(基調講演)、喜納昌吉氏、上里直司氏(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/177154
このような市民メディアが存在してくれるということは、誠にありがたいことと思う。
基調講演で私は、
1.今回シンポへの参加の経緯説明
2.辺野古米軍基地建設問題の背景および日米安保問題との関連
3.9月10日菅義偉官房長官会見の意味
4.辺野古米軍基地建設問題を巡る訴訟等の現状
1)埋立承認取消および執行停止訴訟
2)ジュゴン「自然の権利」訴訟
3)米国議会調査局報告
5.埋立申請承認の「撤回」と「取消」の法的意味
6.選挙公約と政治行動に関する考察
7.9月13日翁長雄志氏知事選出馬表明記者会見の論点
8.結論
の順序で話をさせていただいた。
私が一貫して主張してきたことは以下の3点に要約できる。
1.辺野古米軍基地建設を阻止するためには、この政策を掲げる候補者をただ一人に絞り、統一候補として辺野古米軍基地建設阻止を希求する県民が連帯、結束して支援する必要があること
2.辺野古米軍基地建設を阻止するためには、菅義偉官房長官が明言した内容から判断しても、仲井真知事が行なった埋立申請承認を「撤回」または「取消」することが必要不可欠であること。
3.9月13日に出馬会見を開いた翁長雄志氏は辺野古米軍基地建設阻止を求める県民の統一候補者とされているが、現段階では埋立申請承認の「撤回または取消」を公約に掲げておらず、この公約化を求めることが必要であること。万が一、翁長氏が公約化を拒絶する場合には、別の統一候補者の擁立が必要になること。
である。
基調講演では、9月13日の翁長雄志氏の出馬記者会見でのやり取りのなかで、重要と思われる部分を取り出し、考察した。
基調講演では、記者とのやりとりのなかから、三つの事例を紹介させていただいた。
まずは、次の動画映像の
4分45秒経過時点~6分45秒経過時点まで
のやり取りをじっくりご覧いただきたい。
「今大議論となっている翁長市長、県知事選出馬記者会見2
https://www.youtube.com/watch?v=aZEIXJRXFiY#t=421
4分45秒~6分45秒
この部分のやり取りを文字化したので、併せてご覧いただきたい。
読売新聞:すいません、読売新聞のカイヤと申します。よろしくお願いします。
あの、少ししつこいようなんですが、あの重大な問題なので重ねてお聞きしたいんですが、あの辺野古移設に関して、ま、具体的な方法論は、ま、今後というようなことでしたけど、ま、現にいまあのー、名護では名護市長が、明確に反対を唱えながら、政府は一貫して移設計画を進めています。
で、知事選の結果にもかかわらず、移設計画に影響はないという方針を示していますが、そういうなかで、反対はしたけれど、政府に強行されて、造らせてしまったと、いう結論になったときに、どう、こう、有権者に、絶対に造らせないという部分を、こう、まあ担保してゆくというか、選挙戦の前には具体的なものをきちっと明記されていくお考えでしょうか。
翁長:私はね、まあ、あなたはマスコミだからそれでよろしいかと思うんですが、普通の人がそういう質問をするとね、大変失礼だなっと思うんですよね。
日本政府とアメリカ政府を相手にね、沖縄県は69年間戦ってきたんですよ。
10万人集会も何回もやったんですよ。
このこう要請行動に、県41市町村長、41市町村議長、ね、みんなそろってだめですよと言って一顧だにしないんですよ。
こういう政府を相手にね、私たちにね、具体的に何も見えなかったらね、あんた責任に負えないんじゃないんですか、などというのはね、よくあなたがそういう考え方を持っているんならば、もしあれば、こういうことも考えられるんじゃないでしょうかという話をね、すると日本政府もね、ちょっと折れ曲がるんじゃないですかという話があれば少しはいいんですが、それをね、とっても厳しい中をね、僕らはね、穴を開けてね、そしてそれをね、みんなでね、力で阻止をして、やっている。
と方法論は、いまこれだけの人間がね、価値観を持ちながら来てますので、必ずね、相談をしながらね、いい形でね、えーやっていける。これが・・・。
講演でも述べたが、この記者会見で読売新聞記者が翁長氏に質問した、その質問内容は、極めて的確であり、まさに、沖縄の主権者が疑問に思い、そして翁長氏に聞きたい、核心を衝くものであった。
記者会見では、このような質問をすることこそが求められているのであり、質問内容の要旨も明快で、どこにも、「失礼」にあたるような部分はない。
これに対して、翁長氏は、言わば「逆ぎれ」して、記者を高圧的に威圧する発言を示したのである。
この点について、
ブログ「私の沖縄日記-広島編」の主宰者は、
「沖縄知事選「翁長出馬会見」の驚愕」
と題して、以下の指摘を示している。
「そしてそのヤジは、ある記者の質問でピークに達しました。記者は「辺野古反対といいながら、結局政府に押し切られた、という形にならないか」と聞いたのです。実に的を射た質問です。
ところがこれに対し質問の途中から大きな怒声のヤジが何度も飛ばされ、翁長氏はそれに乗じるように、「普通の人がそういう質問をすると大変失礼なことになる」と、暗に記者を罵倒したのです。
この光景に背筋が寒くなる思いがしました。これは翁長氏と会場の支持者が一体になった記者への圧力であり、質問封じではないのか。
痛いところを突かれた質問を、こうして翁長氏と会場が一体になって封じ込めるなど、民主主義社会では絶対にあってはならないことです。
そもそもこういう異例・異様な「記者会見」にしたこと自体に疑問を禁じえませんが、その懸念がはっきり表れた光景でした。
会場にはいわゆる「革新」といわれる政党やその支持者、「反基地」でたたかっている人たちが多数いたはずです。その人たちはこの光景をどう受け止めたのでしょうか。
熱狂的空気の中で、「翁長擁立」で「がんばろう」と拳をあげた人たちは、この異様な「記者会見」に何も感じなかったのでしょうか。
もしもそうだとするなら、私は沖縄の「民主主義」に大きな疑問を抱かざるを得ません。」
私も記者会見の模様を何度も確認し、まったく同じ感想を抱いた。
続きは本日の
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