メディアが伝えない沖縄基地建設強行の真実
9月を迎えた。
暦の上では秋。23日には昼夜の長さが逆転する秋分の日を迎える。
天候不順で秋色が濃くなるのも早くなる気配だが、日本政治も年末にかけて重要な節目を迎える。
安倍政権は政権支持を取り戻そうと、3日に内閣改造を実施するが、主要閣僚の留任が広がる見通しで、新しい展開が開けるのか。
「戦争と弱肉強食」
が安倍政権の基本テーマであると見られるが、新布陣のなかにも
「戦争と弱肉強食」
の色合いが強くにじみ出る可能性が高い。
隣国の韓国や中国と、友好的な関係を構築しようと考える主権者が多数存在する一方で、嫌韓、嫌中の空気を醸成して、蓄積された主権者の不満を外に振り向けさせようと考える勢力が存在する。
米国の産軍複合体にとって、何よりの脅威は世界平和である。
世界が平和になったら、この産業は消滅する。
利権を求める政治屋にとっても、軍事産業は宝の山である。
戦争を煽る勢力が、同時に利権をむさぼる勢力であることを見落としてはならない。
いずれにせよ、9月から12月の4ヵ月間は、日本の未来にとって、極めて重大な時期になる。
原発、憲法、TPP、消費税、沖縄
の五大問題が、それぞれ重大な局面を迎えるのである。
本土のメディアはほとんど報道しないが、辺野古米軍基地建設を強行しようとする安倍政権に対する批判が、沖縄で一段と強まっている。
琉球新報社は沖縄テレビ放送と共同で、8月23、24日に、安倍政権が辺野古米軍基地建設に向けた海底ボーリング調査を開始したことに関する世論調査を実施した。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230631-storytopic-271.html
その結果、衝撃的な現実が浮かび上がった。
【問1】普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で政府は海底ボーリング調査を開始した。今後の移設作業についてどう思うか。
(1)移設作業をそのまま進めるべきだ 19.8%
(2)移設作業は中止すべきだ 80.2%
【問2】ボーリング調査を開始した安倍政権の姿勢を支持するか、しないか。
(1)大いに支持する 4.3%
(2)どちらかといえば支持する 14.3%
(3)どちらかといえば支持しない 26.6%
(4)全く支持しない 54.9%
【問3】普天間飛行場の返還・移設問題について、どのように解決すべきだと思うか。
(1)沖縄県以外の国内に移設すべきだ 16.1%
(2)国外に移設すべきだ 30.8%
(3)名護市辺野古に移設すべきだ 10.0%
(4)辺野古以外の沖縄県内に移設すべきだ 4.6%
(5)無条件に閉鎖・撤去すべきだ 32.8%
(6)その他 5.7%
この調査では、沖縄県民の8割の人々が、辺野古米軍基地建設を中止すべきだとするとともに、ボーリング調査開始に反対した安倍政権の姿勢を支持しないと回答した。
そして、普天間基地の取扱いについて、県外・国外への移設を求める声が47%、無条件に閉鎖、撤去すべきとする声が33%となり、この両者を合わせると8割に達した。
辺野古に移設するべきとの回答はわずか10%にとどまった。
これが沖縄の主権者の声である。
地域の重要な決定について、地域の主権者の声を尊重すること。
これが民主主義、地方自治の基本ではないのか。
皆が嫌がるものを、金の力で地域に押し付ける行動が見られるが、沖縄の人々は、金で頬を叩かれてひれ伏す行動を示さない。
「金で人心を買う」卑劣な行動は、沖縄では通用しないのだ。
琉球新報の世論調査は、11月26日に投開票日を迎える沖縄県知事選についても質問を設定した。
【問5】11月の知事選で投票する人を選ぶ際に最も重視することは何か。
(1)普天間飛行場の移設・返還などの基地問題34.3%
(2)経済振興や雇用対策 24.4%
(3)医療や福祉、教育問題 19.3%
(4)環境問題 4.8%
(5)候補者の人柄や、候補者との地縁や血縁 6.6%
(6)その他 10.7%
雇用・経済、社会保障問題に対する関心は強いが、基地問題を最も重視する県民が34%も存在する。
安倍政権は金の力で沖縄の人々の心を買おうとするだろうが、沖縄の人々には、金の力では買えない心の強さがあることを示してもらいたい。
沖縄の経済振興は極めて重要な課題だが、米軍基地建設強行と経済振興策の交換は筋違いも甚だしい。
この問題は、日本が米国の言いなりになり続けてゆくのかという問題でもある。
県民の意思を踏みにじる安倍政権の暴挙に対して、沖縄県民ははっきりとNOを突き付けるべきである。
続きは本日の
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