内閣改造でも止まらない安倍政権の下り坂
安倍晋三首相が自民党役員人事と内閣改造を行った。
政権発足から間もなく2年の時間が経過する。
派閥均衡、女性登用、増税シフト
の三点が特徴である。
この新体制は本年12月以降に厳しい局面に移行する可能性が高い。
2015年には安倍政権が終焉する可能性が高いと考えられる。
最大の理由は、人選に大きな偏りがあることだ。
基本的に安倍氏の好き嫌いが反映されている。
好き嫌いが反映されることは普通のことであるかも知れないが、その好き嫌いの基準に問題がある。
言い方を変えると、首相に耳の痛い言葉を提示する者を遠ざけているのである。
唯一、菅義偉氏だけがご意見番であるが、異なる才能の持ち主を積極的に登用して内閣の能力を高める姿勢が欠けている。
仲良しグループが形成されるわけで、逆風にさらされると一気に基盤が揺らぐ。
2014年12月以降に、安倍政権の苦境が急速に強まることになるだろう。
自民党幹事長に谷垣禎一氏を登用したことは、安倍晋三氏が消費税再増税シフトを採用したことを意味する。
麻生太郎氏、谷垣禎一氏は、いずれも、消費税再増税に前のめりの姿勢を示す。
安倍政権は11月17日に発表される7-9月期GDP統計を見て消費税問題について判断することとしているが、7-9月期GDP成長率は、4-6月期の反動でプラス数値として発表される可能性が高い。
経済の基調を判断して消費税問題に結論を示すのではなく、消費税増税実施をあらかじめ決めておいて、都合の良い数字を選んで使う姿勢が鮮明である。
安倍-麻生コンビは、増税と利権財政のエキスパートである。
増税で財政構造を改革するのではない。
増税で官僚利権と政治屋利権を拡張するのである。
増税で利権支出がさらに激増することになる。
国民のための政治ではなく、ハゲタカとシロアリとハイエナのための政治である。
米官業のトライアングルに加えて、日本政治を悪くしている主犯は、利権政治屋と御用学者である。
ダニとシラミのような存在だ。
ハゲタカ、シロアリ、ハイエナ、そして、ダニとシラミによって、日本が食い尽くされる。
この危険が一気に高まっている。
高村氏、谷垣氏、二階氏、麻生氏の取り込みは、派閥の力学で長期政権を狙うための布陣である。
石破氏の浮上を抑圧するために、党内長老格の取り込みを図っている。
小渕氏の優遇は、旧田中派、現在の額賀派への配慮である。
竹下氏の入閣も同じ文脈だ。
しかし、2015年前半、安倍政権は揺らぐことになる。
消費税、原発、集団的自衛権、そして、沖縄、TPPの問題で、政権が大きく揺さぶられることになるからだ。
政権の浮沈を左右するのが経済金融情勢の変化であるが、安倍政権が消費税増税を強行決定する限り、2015年の日本経済沈下は免れない。
企業収益の下振れは株価抑圧要因になる。
原発再稼働に過半数の主権者が反対している。
原子力規制委員会の委員長は、原子力規制委員会の規制基準をクリアしたからといって「安全だとは言わない」としている。
安全と言えない原発を再稼働することについて、主権者の賛同を得られるとは考えられない。
小渕優子経産相がこの問題を処理し切れるとは考えられない。
集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更は憲法破壊行為そのものである。
立憲主義を否定する暴挙を国会が阻止できなければ、国会の存在意義が問われる。
政府がこの問題で追いつめられる可能性は十分にある。
沖縄では、11月16日の県知事選が焦点になる。
この問題については改めて考察が必要だ。
米軍基地建設阻止の新知事が誕生すれば、辺野古基地建設は根底から揺らぐことになる。
自民党は2012年の総選挙で、TPPに断固反対のアピールをした。
この方針で選挙を戦いながら、TPP参加を強行するのは背信行為である。
その背信を代表する存在が西川公也氏であり、国会論戦での紛糾は必至である。
かくして、2015年12月を境に、安倍政権の凋落が始動することになるだろう。
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