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2014年8月 1日 (金)

津波対策講じなかった東電幹部の刑事責任は重い

2011年12月2日付ブログ記事


NHKスペシャルシリーズ原発危機が隠蔽した重要部分」


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/nhk-69af.html


に、国と東電が巨大な津波の襲来が予想されるとの産総研の指摘を無視して津波対策を取らなかった事実を記述した。


NHKは2011年11月27日にNHKスペシャル
「シリーズ原発危機 安全神話~当事者が語る事故の深層~」

「国・東電の歴代幹部150人がいま真相告白
“原子力村”で何が?失敗の本質は?」


と題する番組を放送した。


この番組は、東電が2008年に10メートルを超える津波襲来の可能性を認識したが、その報告を政府に提出したのが東電福島第一原発が津波の襲来を受けた2011年3月11日の4日前であることを紹介した。


この放送内容では、国が津波対策に不備があることを知ったのは原発事故の4日前ということになってしまう。


事実はまったく違う。


東電が問題を認識した2008年から2011年までの間に、あるいはそれ以前から、福島第一原発の津波対策が不十分であることが再三にわたって問題視されてきた事実が存在する。


NHK番組はこれらの事実をまったく伝えなかった。

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広瀬隆氏は2010年に出版した『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)に、115年前の明治三陸地震津波の例を引いて、原発の津波対策が不十分であることを的確に指摘した。


明治三陸地震津波程度の津波が襲来すれば、原発は全所停電に陥り、重大な原発事故=原子炉時限爆弾がさく裂することを警告した。


2006年には国会で原発の津波対策の不備が指摘された。

2006年3月1日、日本共産党の吉井英勝議員(京都大学原子核工学科卒業)は、国会質問で当時の経済産業大臣の二階俊博(自由民主党)に対、福島第一原子力発電所を含む43基の原子力発電所における


津波対策の不備


を指摘し、冷却水喪失による炉心溶融の危険性を警告した。

二階経産相は対策を約束したが、実際には改善を行わなかった。


吉井議員は同年12月13日にも、


「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」


を内閣に提出し、原発の安全対策の不備に注意を喚起した。


しかし、安倍晋三首相は、


「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」


と回答した。

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東電は、2008年に、東大地震研究所による堆積物調査や、東北大学によって実施された宮城県沖地震における重点的観測調査および産業技術総合研究所によるその調査結果などにより、福島原発の津波対策の不備を認識した。


活断層研究センターと東京大学地震研究所による、1100年前の連動型大地震である貞観地震による津波規模を、津波堆積物の分布状況をもとにコンピュータで精密に数値シミュレーションした
 
「石巻・仙台平野における869年貞観津波の数値シミュレーション」


https://www.gsj.jp/data/actfault-eq/h19seika/pdf/03.satake.pdf


が、次の事実を明らかにした。


貞観津波の規模が海岸線から内陸部に場所によっては3km以上の距離まで津波堆積物がある非常に大規模なものであること、


地質調査からこの規模の大地震が約1000年規模で繰り返し発生していること、


が明らかにされたのである。


この事実を踏まえて、福島原発の津波対策の不備が指摘された。

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2009年6月24日開催の原子力安全・保安院ならびに東京電力との「耐震・構造設計小委員会」会議の席上で、産業技術総合研究所の活断層研究センター長(地質学)である岡村行信氏が、これらの研究報告に基づいて連動型大地震の危険性について強くその対策を求めた。


「総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会 耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤 合同WG(第32回)」
 
の議事録はいまもネット上に公開されている。


https://www.nsr.go.jp/archive/nisa/shingikai/107/3/032/gijiroku32.pdf


ここでも、福島原発の津波対策の不備が厳しく指摘されている。


国と東電は近い将来に発生する可能性のある地震による津波で原発が電源喪失に陥り、重大事故を発生させる恐れがあることを知りながら、津波対策を怠った。


2011年3月11日に発生した原発事故は、国と東電が津波対策を怠ったことによって発生した人災である。


その刑事責任が問われるべきことは当然だ。


福島第一原子力発電所の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪などで告訴・告発され、2013年9月に不起訴とされた東京電力の勝俣恒久・元会長ら旧経営陣について、住民グループが勝俣恒久元会長ら6人の不起訴が不当であるとして、検察審査会に審査を申し立てていた。


この事案について、東京第五検察審査会は7月31日に、勝又元会長ら3人について「起訴相当」議決を行った。


検察が再捜査して決定を示すが、検察再び不起訴とした場合に、検察審査会が再度「起訴相当」議決を行なうと、3名の旧経営陣は強制起訴される。


具体的に誰が責任を負うべきかという問題は残るが、過去の事実経過は、福島原発事故が人災であることを示しており、誰一人刑事責任が追及されてこなかったこれまでの警察・検察の行動は明らかに不当・不正である。

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