「戦争と弱肉強食」か「平和と共生」かの選択
光陰矢の如しと言うが、本年も8月を迎えた。
まもなく立秋。秋を迎える。
日本の敗戦から69年の時間が経過する。
敗戦後、日本が独立を回復した時点で、米国軍は日本から撤退することになっていた。
ポツダム宣言にもサンフランシスコ講和条約にも、このことは明記されている。
日本は1952年4月28日、主権を回復して独立を回復した。
ところが、日本の独立とともに米軍が撤退するとの基本は守られなかった。
1951年9月8日、米国サンフランシスコで講和条約が調印されたが、同じ日に、米国は日米安全保障条約の締結を強要した。
吉田茂首相は、サンフランシスコ講和条約調印と同時に、日米安保条約に独断で調印した。
日本の独立は、米軍の駐留継続と沖縄を含む南西諸島の切り離しと引き換えに成立した不完全なものであった。
安倍晋三氏は4月28日を「主権回復の日」として、新しい日本の記念日にすることを企てたが、4月28日は沖縄県民にとっては、日本から棄て去られた「屈辱の日」である。
そして、米国軍隊が日本に駐留し続ける「半植民地」としての日本の地位が始動した日でもある。
安倍晋三氏は、日本の半植民地の状況を永続しようとの意思を有しているのだと思われる。
日本をどのような国にしてゆくのか。
それを決めるのは日本の主権者国民である。
主権者がどのような判断を下し、どのような政権を樹立するのかによって、国の進路はいかようにも変わる。
2012年12月に発足した安倍政権は、いま、日本の命運を分かつような重要な問題について、独断専行の行動を強めている。、
敗戦後の日本は、平和国家の方針を定めた。
戦争を放棄し、国際紛争を解決する手段として、国権の発動たる戦争、武力の行使、武力による威嚇を永久に放棄することを定めた。
集団的自衛権の行使とは、日本ではない第三国が攻撃を受けたときに、日本が武力を行使するもので、憲法が禁止している「国際紛争を解決する手段として、国権の発動たる戦争、武力の行使、武力による威嚇」を行うものである。
したがって、集団的自衛権の行使は日本国憲法が禁止しているのである。
憲法が禁止していることを、安倍晋三政権は内閣の閣議決定でこれを容認する方針を定めた。
憲法を破壊する暴挙に突き進んだ。
原発については、地震や津波が襲う可能性のある臨海部で、地震対策、津波対策が不備ななかで、再稼働が推進されている。
日本のすべての制度の根幹が破壊され、しかも、日本が国家の主権を喪うTPPに安倍政権は参加しようとしている。
さらに、地元自治体が拒絶している米軍基地建設を沖縄県名護市で強行しようとしている。
主権者である国民の意思を踏みにじる暴挙に突き進んでいるのが、いまの安倍晋三政権である。
こうした民主主義の破壊を、日本の主権者が黙認してしまうのか。
問われているのは、日本の主権者の意思と行動力である。
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のテーマは、私たちは日本政治をどのような方向に導くべきであるのかということだ。
私たちはどのような日本社会を創造すべきであるのか。
その目指すべき社会を構築し得る政治権力を創出しなければ、日本の進路は主権者国民の意思を離れることになる。
突き詰めて考えると、日本が目指すべき方向は、
「平和と共生」の社会であるべきか、
それとも、
「戦争と弱肉強食」の社会であるべきか、
という問いにたどり着く。
安倍政権が誘導している方向は、明らかに、
「戦争と弱肉強食」
である。
日本の主権者国民が、本当に「戦争と弱肉強食」の社会を望んでいるのか。
この根源的な問いに答えなければならない。
その反対の方向が、
「平和と共生」
である。
続きは本日の
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