暴走安倍政権の衝撃の大きさ示す滋賀知事選報道
「驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し」
は平家物語の一節である。
安倍政権バブルの崩壊が始動したようである。
7月13日の滋賀県知事選の結果は安倍政権に衝撃を与えるものだった。
その衝撃度をくっきりと示したのが、翌日のメディア報道である。
朝の報道番組ではこのニュースをほとんど大きく報じなかった。
極めつけはNHKニュースウォッチ9。
冒頭で延々と「突然の雷鳴 驚く犬たち」を報道した。
利権複合体の広報部隊であるマスメディアに指令が下ったのだと思われる。
この最重要ニュースの取扱いを圧縮すること。
各報道番組がトップで時間をかけて報道するべき内容である。
安倍政権が推進する「なしくずし改憲」と「原発再稼働」が焦点になった知事選である。
反安倍陣営では、共産党が独自推薦候補を擁立した。
東京都知事選でも見られた図式である。
反安倍陣営が自公を向うに回し、共産党の選挙協力をも得ずに堂々の勝利を果たした。
極めて重大な意味を持つ選挙だった。
この結果について、メディアが極力その影響を抑制するべく行動していることがくっきりと浮かび上がる。
逆に、このことによって、安倍政権の衝撃の大きさが鮮明に示されていると言える。
「民主党悪徳10人衆の残骸」はこの選挙をてこに、不当な代表降ろしの活動を活発化させようと狙ったのだと思われるが、この思惑も失敗に終わった。
恥知らずな民主党悪徳10人衆の残骸は、直ちには民主党を去るべきだろう。
原発を推進し、集団的自衛権行使容認の解釈改憲を容認し、TPP参加を推進する者たちは、自民党などの政党に所属する方がはるかに筋が通っている。
日本の民主主義を破壊した主犯である民主党悪徳10人衆が民主党を離党することによって、日本政治の再編は一気に加速することになるだろう。
安倍政権の凋落の主因がどこにあるのかは明白である。
それは、安倍政権が主権者国民の意思を反映する政治を実行するという基本をおろそかにしているからである。
国会で多数議席を確保すれば、何をやってもよいとの、間違った判断に対して、主権者が遅ればせながら警告を発したのである。
「国政は国民の厳粛な信託によるもの」
が日本政治の基本である。
国会で多数議席を確保しているからといって、主権者の意思に反する政策を独断専行で実行してよいわけではない。
民主主義の基本は、主権者である国民が、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動して政治を司るものである。
国会における代表者の行動の正当性の根拠は、主権者の信託にある。
その国会における代表者が主権者である国民の意思に反する行動を取ることは許されないのである。
安倍晋三氏の行動の矛盾の原点がここにある。
すべての間違いは矛盾を原点に発生する。
主権者である国民の意思を踏みにじる行動を加速させる安倍晋三氏の「矛盾」が大きな問題を引き起こしてゆくのである。
正規の改定手続を経ずに、憲法の内容を内閣が勝手に書き換えてしまう、「なしくずし改憲」を容認する主権者国民は少数である。
それだけでなく、日本が集団的自衛権を行使することについても、主権者国民の過半数は反対なのである。
戦後日本の背骨が「平和主義」である。
この「平和主義」を日本の基本に定めたのが日本国憲法である。
日本国憲法第9条が、戦後日本の背骨となってきたことは間違いのない事実である。
その背骨を抜き取るという行為を、一内閣が勝手に実行してよいわけがない。
脊椎動物が軟体動物に変身することを、主権者国民の意思に反して強行してよいわけがない。
しかし、安倍晋三氏はこれを強硬に推し進めている。
これ以上の「驕り」はない。
しかし、
「驕れる者久しからず」なのである。
基本の基本を大切にしない者に、永続する繁栄はあり得ない。
安倍政権バブルが崩壊し始めたことは、日本の主権者国民にとっての朗報である。
続きは本日の
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