成長戦略という名のシロアリ・ハイエナ利権温床
NPJ(News for the People in Japan)
サイトの「NPJオススメ論評」に
政商納言・竹中平蔵の「ぱそな儲かりていとをかし」
【渡辺輝人】2014.06.06
http://nabeteru.seesaa.net/article/398848508.html
が紹介されている。
【政商】(せいしょう)政府や政治家と特殊な関係をもって、利権を得ている商人。
【納言】(なごん)大納言・中納言・少納言の総称。ものもうすつかさ。のうごん。
と言葉を説明したうえで、
提案
2 政商であり、政府の審議会委員でもある竹中平蔵を「政商納言」と呼ぼう。
とあった。
『市場と経済』(講談社)
という、渾身の力作を出版され、第45回大宅壮一ノンフィクション賞、第12回新潮ドキュメント賞を受賞されている。
竹中平蔵氏による「りそな銀行」不正処理に関する重要事実の多くも、佐々木氏の丹念な取材によって明らかにされたものだ。
竹中平蔵氏の実像に迫る快著である。
本題に戻るが、上記の
「政商納言・竹中平蔵の「ぱそな儲かりていとをかし」」
に、
「その他人材会社のお手盛り政策」
として、重要記事が紹介されている。
日刊ゲンダイ:竹中平蔵氏が旗振り 人材会社を潤わす「300億円」助成金
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150691
Business Journal:安倍政権の女性登用推進、発注先に政府関係者の関連企業が複数 麻生、竹中…新たな利権か
http://biz-journal.jp/2014/06/post_5030.html
日本財政を考察する際に、見落とせない記事である。
日刊ゲンダイ記事は、今年3月から大幅拡充された「労働移動支援助成金」が2億円から一気に300億円に増え、この巨額の税金が、人材サービス業のパソナなどに流れ込むことを伝えたもの。
Business Journal記事は、主婦をインターンとして受け入れた中小企業に対し、国が5000~7000円の技能修得支援助成金を払うという「中小企業新戦力発掘プロジェクト」を伝えるものだ。育児などで一度退職した女性の再就職を支援する事業とされている。
いずれも、パソナなどの人材派遣企業に税金が投入される政府事業である。
小泉政権、安倍政権が推進する経済政策の基本は、
市場原理、規制撤廃、小さな政府、民営化
である。
これらを基本とする経済政策体系は「ワシントン・コンセンサス」と呼ばれることがある。
1989年に経済学者ウィリアムソンが命名したもので、世銀、IMF、米財務省、FRBなどの本拠地が置かれ、グローバルハゲタカ資本の総本山であるワシントンを中心に立案された経済版の世界支配戦略のことである。
安倍政権の経済政策は小泉政権の完全なる焼き直しで、このワシントン・コンセンサスによる指令に基づいて実行されているものと考えられる。
ここで見落としてならないのは、この政策体系が、新種の巨大利権を生み出す点である。
規制撤廃、小さな政府、民営化は、実は新たな利権を生み出す。
日本の経済政策に、こうした新種の巨大利権が生み出されていることを、私たちは見落としてならないのだ。
竹中平蔵氏は現在パソナの会長に就任している。この竹中氏が政府の産業競争力会議に潜り込み、労働規制の撤廃や、労働移動ビジネスへの税金投入を誘導しているのである。
パソナの会長は南部靖之氏。パソナの「迎賓館」と呼ばれているのが「仁風林」で、麻薬事件で検挙された飛鳥氏が栩内香澄美氏と出会ったのは、この「仁風林」であると報じられている。
規制撤廃、小さな政府、民営化などの言葉の響きは、クリーンなイメージを生みやすいが、現実は正反対である。
郵政民営化で繰り広げられているのは、日本郵政の資産を活用した巨大利権の創出である。
かんぽの宿の不正払下げ未遂事案に見られるように、民営化の美名の下に、巨大な悪事が進行するものなのである。
そして、いま、安倍政権が推進する労働規制緩和の諸施策も、こうした利権がどろどろと渦巻くものである。
財政危機が叫ばれるなか、国民資産が特定のシロアリやハイエナ政商に食い荒らされることを防がねばならない。
続きは本日の
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