日本の真実を見抜く-思考停止に陥らないために
昨日、6月1日、IWJで
第2回クロストーク 木村朗×植草一秀×川内博史×岩上安身
『日本の真実を語る―思考停止に陥らないために』
が行なわれた。
IWJでは午後2時開始と告知があったが、開始時刻は当初から午後3時だった。
午後3時には、私をはじめ、木村氏、岩上氏はスタンバイしていたが、川内氏が国会前原発再稼働反対示威行動に参加していたため、IWJの判断で、川内氏の到着を待って3時45分から動画配信されることになった。
現在、4名で著書の制作を進行させている。
今回のトークは、この著書に収録するための対談を兼ねている。
安倍政権の危険性=アベノリスクが炸裂しており、これらの問題について、徹底討論が行われた。
テーマは、
1.原発再稼働
2.アベノミクスおよび消費税・成長戦略
3.集団的自衛権
4.日米関係・核武装・武器輸出
5.ウクライナ問題
などに及んだ。
IWJでは、クロストークを6月4日まで、非会員にも公開中。
4時間近くに及ぶ長いトークイベントとなったが、ぜひご高覧賜りたい。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/144261
原発問題で当面の焦点は再稼働問題である。
九州電力川内原発は鹿児島県に所在しており、再稼働の候補第1号とされている。
安倍政権は4月11日閣議決定の「エネルギー基本計画」で、原発をベースロード電源と位置付けた。
福島の教訓を踏まえることなく、原発全面稼働に突き進む姿勢を明確にした。
政府の言い回しは、
「世界でもっとも厳格な安全審査基準をクリアした原発を再稼働させる」
だが、言葉のトリックがある。
日本国民にとって重要なことは、審査基準が世界何位にランキングしているかではない。
審査基準が絶対安全を保証するものであるのかどうかだ。
これが一番大事で、世界百位であっても、絶対安全を保証するものなら意味があるが、世界一位でも絶対安全を保証するものでないなら、何の意味もない。
現実は、日本政府が設定した審査基準は「絶対安全」に到底及ばないものである。
さまざまな問題があるが、一番クリティカルであるのは、地震に対する防御である。
これまで観測された地震の最大加速度は約4000ガルである。
したがって、原発の強度としては、4000ガルの地震動加速度に耐えられるものであることが必要であるが、実際の耐震強度は、1000ガルにも満たない。
つまり、発生し得る地震の揺れに耐えられる強度が求められていない。
したがって、強い地震が発生すれば原発は再び事故を引き起こす。
5月21日に福井地裁が大飯原発の運転差し止めを命じる判決を示したのはこのためである。
原発の耐震強度が発生し得る地震の揺れに耐えられない水準にあることが厳しく指弾された。
原発が地震や津波で事故を引き起こせば、チェルノブイリや福島のようなことになる。
二度とこのような惨事を引き起こしてはならない。
この判断に立つなら、原発の規制基準では、発生し得る大地震に耐える設計が求められる。
しかし、そのような規制基準は設けられていない。
そうである以上、日本の主権者は原発再稼働を認めてはならない。
ところが、安倍政権は原子力規制委員会の委員を原発推進派に差し替えて、強引に原発再稼働実現に突き進んでいる。
集団的自衛権の問題で私が強調したことは、
「集団的自衛権行使容認の是非」
という問題と、
「憲法解釈を変更することに関する手続き」
の問題を峻別して論議することの必要性である。
国会論戦でも、両者が区別されずに論じられている。
これでは国民も理解できない。消化不良を引き起こす。
続きは本日の
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