「新成長戦略」という名の新手の政策詐欺にご用心
安倍政権は「成長戦略」の概要を6月10日の産業競争力会議に提示し、27日の閣議決定を目指している。
安倍政権の政策基本方針は、
「戦争と弱肉強食の推進」
である。
2010年参院選、2012年総選挙、2013年参院選結果を受けて、安倍政権が衆参両院の過半数を確保した。
このために、安倍政権の暴走が許されている。
その責任の3分の2は、民主党の悪徳10人衆にある。
藤井裕久・渡部恒三・仙谷由人・菅直人・岡田克也・野田佳彦・
前原誠司・安住淳・枝野幸男・玄葉光一郎
の10名が民主党悪徳10人衆だ。
主権者の主権者による主権者のための政権を、これらの人々が破壊した。
2012年の総選挙は安倍自民党が勝利したのではなく、野田民主党が自己崩壊したのである。
2013年参院選はマスメディアが「ねじれ解消」を誘導したものだ。
安倍晋三氏は、衆参両院の過半数を確保したことをよいことに、暴走を始めた。
特定秘密保護法を強行制定、消費税増税を断行、原発推進方針を確定、TPP参加方針を強行決定、そして、正規の改定手続を経ることなく憲法を改ざんしようとしている。
「アベノリスク」全開である。
その方向は、
米国が創作する戦争への全面加担
と
経済の弱肉強食化の全面推進である。
戦争への加担方針の裏側にあるのは、米国の戦争産業が巨大であることだ。
国防費は年間60兆円。そのうち、23兆円程度が武器・弾薬などの兵器支出だ。
あの巨大な原子力ムラの規模が年間2兆円。それでも、これを縮小することは至難の業である。
年間23兆円規模の米国兵器産業は、大規模戦争が継続的に発生しないと、産業として維持することができない。
米国は必要のない戦争を常に「創作」する必要に迫られている。
と同時に、兵器産業の上得意顧客を創出する必要に迫られている。
その戦略上、恰好の「カモ」が現れた。
安倍政権である。
2012年11月のヘリテージ財団上級研究員のクリングナーが、このことを指摘している。
経済政策では、米国の大資本が日本で金儲けをできることを推進するのが安倍政権に与えられたミッションである。
内外の巨大資本をハゲタカとハイエナと呼ぶ。
日本にこれ以外に、財政支出に巣食うシロアリが存在する。
「国民の生活が第一」ではなく、「ハゲタカとハイエナとシロアリの生活が第一」の経済構築が目指されている。
これを実現するための方策が「成長戦略」と呼ばれるものである。
雇用関連の制度変更でも、知らぬ間にハイエナが忍び込んで、国民の血税を吸い取ろうとしている。
人材派遣会社パソナの代理人が産業競争力会議に忍び込み、不当な利得を得るために跋扈していることがすでに報道されている。
「成長戦略という名のシロアリ・ハイエナ利権温床」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-d8bc.html
「成長戦略」の言葉を聞くと悪い印象がないが、本質を見抜くための視点は、この政策が誰のためのものであるのか、何を目的とするものであるのかを考察することだ。
ひとことで言うと、「成長戦略」は内外の大資本が利益を増大させるための政策で、この政策は同時に、主権者=生活者=労働者=消費者=市民に不利益をもたらすものである。
言葉の響きにだまされてはならないのである。
そして、「成長戦略」はTPPと表裏一体をなしている。
外からの強制力であるTPPと足並みを揃えて、「成長戦略」で日本の仕組みを内側から変えてしまおうとするのである。
そのひとつに「混合診療拡大」がある。
これにも、主権者を騙す「ワナ」が仕掛けられている。
「公的保険医療と保険外診療を併用できる患者に有利な制度」
という甘い言葉の説明が施されるが、うっかりこれを容認した先には地獄が待ち構えている。
こうした「政策サギ」に引っ掛からないようにしなければならない。
ハゲタカ資本が日本で狙っているのが、
農業
と
医療
である。
この2分野で大きな金儲けができると考えている。
日本農業はやりようによっては、十分に巨大投資の採算に乗る分野である。
日本農業のさまざまな制度規制を取り払い、ハゲタカ資本が日本農業に参入できるようにする。
これは、日本国民の幸福を追求する政策ではない。
日本農業が食い荒らされ、外国資本が、ただ単に金儲けのために日本農業に参入するだけのことなのだ。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第884号「混合診療拡大で国民医療の安心は完全消滅する」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
![]() |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
![]() |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
![]() |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |
« 民主悪徳10人衆は民主党を自主離党すべきだ | トップページ | 党首討論での安倍首相オバマ来日発言の虚偽引用 »
「TPP」カテゴリの記事
- 安倍政治が売国政治である決定的な証拠(2018.08.18)
- 『タネはどうなる?!』種子法廃止と種苗法運用改変(2018.07.20)
- 日欧EPA影響試算は試算ではなく根拠なき妄想(2018.02.10)
- 売国まっしぐらの安倍暴政日欧EPA&TPP11(2018.02.09)
- TPP推進安倍政権支援は馬鹿主権者だけだ(2017.11.12)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「新成長戦略」という名の新手の政策詐欺にご用心:
» やめて欲しい「道州制」 [Cozy Life]
「地域づくりのための道州制」
そんなキャッチコピーを目にしますね。
う~ん。修飾語を補って読みましょう。
「海外の資本家がやりたい放題にできる
そんな地域づくりのための道州制」
これが正しいキャッチコピーではないでしょうか?
道州制が導入されれば、
財政破たんを避けるため、という理由で、
九州にもたくさんの企業誘致や
リゾート開発が行われるでし...... [続きを読む]