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2014年5月31日 (土)

日本政治の危機を象徴する政党政治の衰退

集団的自衛権の行使に関する論議は二つに分けて考察することが必要だ。


ひとつは、集団的自衛権行使そのものの是非。


もうひとつは、憲法解釈を変更することの是非。


両者を区分して議論するべきであるが、国会論戦を含めて、両者が混同された論議が多い。


もちろん、重大であるのは、憲法解釈変更の問題だ。


内閣が憲法解釈を自由に変えられるということになると、憲法は意味を失う。


憲法解釈変更とは、憲法の内容を変えることである。


憲法の内容を改定するのは憲法改正=憲法改定で、その手続き、用件は日本国憲法第96条に規定されている。


第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。


日本国憲法改定のハードルは高い。


硬性憲法である。


憲法改定のハードルはなぜ高く設定されているか。


憲法が国の基本法であり、憲法は政治権力の暴走を防ぐために定められているものだからである。


政治権力の暴走を許さない。政治権力が暴走しないように憲法が制約を課して政治権力の行動を縛る。


これが「立憲主義」の考え方である。

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安倍晋三氏は選挙で勝った政権は憲法解釈を勝手に変えられると受け取れる発言を示した。


そしていま、現行憲法の条文を変えずに、集団的自衛権の行使を容認しようとしている。


この問題については、歴代の政権が政府としての公式見解を示してきた。


「日本は独立国として個別的自衛権、集団的自衛権を有するが、日本国憲法の規定により、集団的自衛権は行使できない」


というのが、日本政府が明示し続けてきた見解である。


この憲法解釈は正当なものである。


日本国憲法第9条の条文は以下の通りである。


第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


日本は、


国際紛争を解決する手段としては、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する


こととしているのである。


この規定により、日本の集団的自衛権行使は憲法によって禁止されていると解釈され、これが政府の公式見解となってきた。

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このなかで、安倍政権が集団的自衛権行使を容認するというのは、憲法否定の行為であり、日本国憲法第99条に違反する違憲行為である。


日本国憲法第99条には次の条文が置かれている。


第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


難しい話ではない。


誰にでも理解できることがらである。

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安倍晋三氏が、信念をもって日本が集団的自衛権を行使できるようにするべきだと考えるなら、堂々と憲法改定を提案すればよい。


立憲主義に立つ政治を行う考えがあるなら、これが唯一の進むべき道である。


国会で、こうした正論が広く展開され、安倍政権の暴走に歯止めをかけることが求められているが、いまの日本の国会は著しく歪んでしまっている。


政界再編が取り沙汰されているが、野党のなかで、集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更を容認する見解が示されている。


維新とみんながこの考えを示している。


立憲政治を踏みにじる政治勢力が拡大していることは、日本の危機を意味すると言って過言ではない。


およそ考えられない事態が進行しているのだ。


安倍首相の暴走に同調する姿勢を示す政治勢力は、結局のところ、与党にぶら下がりたい勢力であるのだと思われる。


与党になれば、政権の旨みにありつける。


巨大な財政資金を配分する権利は、何にも代えられない巨大な利権である。


民主主義の根幹、法の支配、立憲政治を守り抜くという気概など、かけらも存在しない。


ひたすら政治権力を求め、政治利権を求める。


低俗な政治勢力が拡大していることが、日本の危機を如実に物語っている。

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