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2014年5月 1日 (木)

取り調べの可視化を拒絶する法務行政の厚顔無恥

日本の民主主義が育たない理由が五つある。


第一は、民衆自身に民主主義を追求する気魄が欠けていること


第二に、日本の支配者である米国が民主主義を尊重していないこと


第三に、明治以降、官僚機構が、自分たちが支配者であると思い続けていること


第四に、メディアが権力と癒着していること


第五に、警察・検察・裁判所が人権機関ではなく権力機関に堕していること


この五つだ。


根源的な原因は民衆の側にある。


政治のレベルは民衆のレベルを超えられない。


政治の劣化が問題とされるが、それは、言い換えれば民衆の劣化ということでもある。


正確に言えば、「劣化」ではなく「未熟」である。


日本は市民革命を経験していない。


民主主義は民衆が力で勝ち取ったものではない。


敗戦とともに、上から与えられたものだが、その価値を民衆が十分には認識していない。

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奴隷解放令が施行されたにもかかわらず、自由の身になりたがらぬ奴隷がいたという。


理由を尋ねると奴隷はこう言った。


「ご主人様が悲しむんでねえかと思って自由にはなれません」


ものごとの根本を理解せずに、情だけに流されれば、こんなことになる。


エーリッヒ・フロムの古典的名著(著者名訂正済み)


『自由からの逃走』(東京創元社)


http://goo.gl/kPJTVj


が改めて読み直されている。著書の案内には次のように記されている。


自由であることの痛烈な孤独と責任の重さを受け止め、真に人間性の実現といえる自由を希求することなくしては、人類にとって望ましい社会は生まれない


機械主義社会や全体主義の圧力によって、個人の自由がおびやかされるというばかりでなく、人々がそこから逃れたくなる呪縛となりうる点にあるという斬新な観点で自由を解明した、必読の名著。

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日本を悪くしている二つの巨悪。


それが堕落したメディアと、日本の支配者といまも思い続ける官僚機構である。


官僚機構の二つの総本山が財務省と法務・警察である。


カネと力を握っている。


財務省は官僚組織の頂点に位置すると自任し、自らの利権拡張だけにひた走る。


公務員は「全体に対する奉仕者」であることとされているのは、憲法の上においてだけである。


消費税増税にしても、社会保障を安定的にするために実施されたのではない。


官僚利権の財源を確保するためだけに実施されたものである。

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さて、問題の核心は警察・検察・裁判所である。


裁判所については、最近、元裁判官が内側から見た裁判所批判の著書を相次いで出版されている。


森炎著『司法権力の内幕』(ちくま新書)


http://goo.gl/9AgTl2


瀬木比呂志著『絶望の裁判所』(講談社現代新書)


http://goo.gl/DJ0khm


などである。前者についてはすでに紹介させていただいた。


後者についても稿を改めて紹介する。


中立・公正であると思われやすい裁判所であるが、本質はまったく違う。


一言で言えば、裁判所は治安機関、権力機関であって人権機関ではない。

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そして、悪の温床が警察・検察である。


「陸山会事件」で、検察はうその捜査報告書を捏造して、無実の小沢一郎氏を刑事被告人の立場に追い込んだ。


史上空前の巨大犯罪である。


そして、袴田事件では無実の市民である袴田巌氏を殺人犯人に仕立て上げて、死刑を確定させ、48年間もの長期にわたって袴田氏を獄に繋いだ。


万死に値する重大犯罪である。


その「犯人たち」がいまだに野放しにされている。


諸悪の根源のひとつが、暗黒の取調べ室である。


この暗黒の取調室に光を差し込ませるのが、取調べの全面・完全可視化である。


しかし、腐敗した日本の警察・検察は、この期に及んで、なお、ほぼ全面拒否しているのである。


その背徳の行為を容認しているのが安倍晋三政権である。

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