ウクライナ情勢が日本株価下落主因だという偽装
日経平均株価が前日比488円の下落を示した。
3.3%の下落である。
前日のNY市場でも株価が下落した。こちらは前日比232ドルの下落。
下落率は1.4%だ。
しかし、日本のメディア報道は、口裏を合わせたかのように、
「ウクライナ情勢と中国経済に対する懸念」
が株価下落の原因であると説明している。
株価が下落するときに、その理由を誰がどのように特定するのか。
解釈は実は多数存在する。
ある見解を採ったとしても、それは、多数存在する解釈のひとつに過ぎない。
仮説に過ぎないのであって、断定などできるものでない。
私は日本の株価が年明け後に下落する可能性が高いとの見通しを提示してきた。
年末にかけては「掉尾の一振」で株価上昇が予想されるが、年明け後の株価は下落するリスクが高いとの見通しを示してきた。
安倍晋三氏は12月30日の東証大納会に出席して、
「アベノミクスは来年も買い」
と高らかに宣言した。しかし、残念なことに、この日を境に株価は下落に転じた。
その下落率は東京市場が突出して大きいのである。
日本株価が下落している主因はウクライナでも中国でもない。
日本に要因がある。
この真実を日本のメディアがまったく伝えない。
日本株価下落の背景は、
拙著『日本経済撃墜』(ビジネス社)
に詳述している。
詳しくは拙著をご高覧賜りたいが、私が執筆している会員制レポート
『金利・為替・株価特報』2014年3月17日号
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
にも、その背景を詳しく記している。
ネット上に公開している『金利・為替・株価特報』2013年12月10日号
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/report_194-121013.pdf
の最終節【投資戦略】タイトルも、
「掉尾の一振後の日本株価下落に備える」
とした。
レポートの2014年3月17日号のタイトルは、
「日本株価下落主因は超デフレ財政政策実行」
である。
日本株価が下落している主因は、ウクライナでも中国でもなく、日本国内の経済政策なのだと考えられる。
この有力な仮説をメディアが一切報道しない。
その裏側に、財務省のメディアコントロールがある。
もっとも典型的なのが日本経済新聞である。
もはや「御用新聞」に堕してしまっている感の強い、この「経済専門紙」は、政府の提灯記事ばかりを掲載している。
1月5日に続いて、2月21日にも、
「消費税増税の影響軽微」
という趣旨の記事を1面トップに掲載した。
その一方で、2月17日に発表された、事前予想を大幅に下回った、昨年10-12月期のGDP速報に関する記事を翌日の朝刊にまったく掲載しなかった。
その背後に、財務省の強い「指導」があると思われる。
消費税増税の影響を軽微にするために、人為的に世間に流布する情報を「操作」しているのである。
この「情報操作」によって、本当に景気の悪化が阻止できるのなら、それはそれで悪いこととは言えないかも知れない。
しかし、現実には経済が悪化しているのに、その真実を伝えず、歪んだ情報を流布して、結果としても事実誤認の情報が流布されることは、極めて大きな弊害を伴うものである。
現実には、そのリスクが非常に高まっている。
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