メディアの嘘八百都知事選情報工作に騙されるな
東京都知事選は情報戦である。
既得権益は、予想通りの情報工作を展開している。
2012年12月衆議院総選挙、2013年7月参議院通常選挙とまったく同じ図式である。
既得権益の脅威は細川護煕(もりひろ)元首相が、原発即時ゼロの公約を掲げて出馬したことにある。
都知事選が原発再稼働の是非を判定する選挙となり、細川氏が当選することが警戒されているのだ。
そこで、世論調査を実施する前に、大規模な情報操作が展開された。
1.原発問題をシングルイシューとすることは、都知事選にふさわしくない
2.細川氏は猪瀬氏と同じ政治とカネの問題で首相を辞任した
3.細川氏は高齢で政治活動から遠ざかって20年もの時間が経過している
この情報が徹底して流布された。
その上で、世論調査の数値が示された。
世論調査では、
1.舛添要一氏が最大の支持を集めている
2.選挙争点としては原発問題は第一位に浮上していない
3.細川氏と宇都宮氏が競い合う状態になっている
との結果が示されたとされている。
これらはすべて、操作された情報である。
細川氏が出馬表明した時点で世論調査を実施していると、細川氏の支持が一位であったはずだ。
この結果を公表すれば、地すべり現象が生じる。
細川選出の流れが確定してしまう。
そこで、まずは、徹底して細川攻撃が展開された。
世論調査の結果は真実でない可能性が高い。
恐らく、真実のデータでは、細川氏が第一位の支持を集めたのだと思われる。
しかし、それをそのまま公表することはできない。
舛添氏を人為的に第一位に押し上げて数値が公表されているのだと思われる。
宇都宮氏と細川氏が競り合う状況に見せかけるのは、原発ゼロでの候補者一本化を阻止するためである。
原発ゼロ支持票を分断すれば、舛添氏の当選可能性が高まる。
同時に舛添優勢の情報を流布して、投票率の引き下げが画策されている。
この結果になるなら、選挙に行く意味はないとの判断を引き出そうとしているのだ。
主権者は既得権益の情報工作を見破り、これを打破しなければならない。
原発問題は、当然のことながら、都知事選の最大の争点である。
舛添氏が知事に就任して、何か都政で変化が生じると考えられるか。
答えはNOである。
福祉、教育、社会保障、防災など、都政の課題が山積していることは間違いない。
しかし、舛添氏が都知事に就任して、猪瀬路線と異なる新機軸が打ち出されるとは考えられない。
今回の都知事選の最大の意義は、安倍政権の暴走に歯止めをかけることができるのかどうかである。
安倍政権の暴走に歯止めをかけるとは、すなわち、原発再稼働の方針に待ったをかけることだ。
原発ゼロの候補者を当選させることによって、初めて安倍政権にブレーキをかけることができるようになる。
このことを念頭にいれたとき、主権者は、細川氏と宇都宮氏のいずれかの候補に勝利の可能性があるのかを見極めなければならない。
私は税策全体を吟味するなら、宇都宮氏が都知事に就任することが望ましいと考える。
しかし、宇都宮氏が当選する可能性は、残念ながら低い。
この点を踏まえて、原発ゼロを求める主権者は、清き一票の投票先を細川氏に集中させるべきである。
原発ゼロを求める投票が細川氏と宇都宮氏に分断されることは、既得権益の思うつぼである。
そのための情報工作が展開されている。
有権者の最大の関心は原発問題である。
そして、多数の主権者が原発ゼロを希望している。
これが真実の姿である。
メディアの情報は既得権益の意向によって汚染されていることを前提にものごとを考えなければならない。
主権者が原発ゼロ投票の一本化に成功しなければ、この国は、引き続き、既得権益の思いのままに運営されてゆくことになる。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第774号「原発ゼロ投票一本化を阻止しているのは誰か」」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社
|
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社
|
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房
|
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社
|
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社
|
|
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:同時代社 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:祥伝社 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:青志社 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:祥伝社 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:創元社 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 出版社:筑摩書房 |
![]() |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 出版社:講談社 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 出版社:毎日新聞社 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
![]() |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 出版社:岩波書店 |
![]() |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:鹿砦社 |
« 安倍首相自画自賛でも株式市場に三つのリスク | トップページ | 民主主義が機能する沖縄と機能不全本土の相違点 »
「2014東京都知事選」カテゴリの記事
- 「安倍政治を許さない」主権者が東京都政を変える(2016.07.31)
- 猪瀬氏や渡辺氏の政治資金問題は実質的かつ重大(2014.03.26)
- 小沢一郎代表の明解都知事選総括と政界再編展望(2014.02.13)
- 舛添新知事失職後は25%主権者が団結で勝利(2014.02.11)
- 都知事選構図と情報工作が日本政治病根の縮図(2014.02.10)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: メディアの嘘八百都知事選情報工作に騙されるな:
» 総理を辞めた人でも、過去の人でも、人間なんだ! [インターネット政党 「ネット des 新党 」 のブログ]
細川護熙氏について語りたい。
この方の場合、政策や政治能力については一旦脇に置いてみよう。そして、話そのものに耳を傾けると、話し方といい、トーンといい、実に心地よくて品があると感じられる。これはその方自身の資質のなのか血筋なのか私には分からない。...... [続きを読む]
» メディアによるテロ! [人生二毛作の田舎暮らし]
東京都知事選挙は自民党によって仕組まれた、 マスコミを使った国民・都民への 情報テロ行為が行われている! ”ふくしまの願いよ東京に届け!” ”原発はあってはならない存在!” ~メディアの嘘八百都知事選情報工作に騙されるな~ 植草一秀の『知られざる真実』 2014年1月26日 (日) http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-ce57.html 『細川氏が出馬表明した時点で世論調査を実施していると、 細川氏の支持が一位であったはずだ。... [続きを読む]
» 新聞やテレビの題字に騙されてはならない [高橋敏男のブログ]
都知事選に立候補した細川護熙元首相の演説と、 [続きを読む]