金権腐敗政治を排して主権者の政治を実現する
猪瀬直樹東京都知事が辞任し、2月9日に東京都知事選が実施されることになった。
猪瀬氏は徳洲会から極めて不明朗なかたちで5000万円を受領していた。
本人は借入れだと主張しているが、貸主である徳洲会側の徳田秀子氏は借用書の存在を否定していると供述していると伝えられている。
猪瀬氏が示した借用書は、問題発覚後に猪瀬氏が急遽作成した偽物ではないかとの疑惑は色濃い。
一部には猪瀬氏が過剰に攻撃されているとの主張があるが、はなはだ的外れな指摘である。
これが猪瀬直樹氏ではなく小沢一郎氏であったら、メディアの攻撃は数千倍になっていたことは間違いない。
政治には清流を流しておかなければならないが、猪瀬氏の行動は、明確に清流であるべき政治に汚染水を混入させたものであり、その罪は限りなく深い。
東京都議会は百条委員会を立ち上げて、問題の真相究明を徹底するべきであったが、猪瀬氏が辞任したことで、真相究明が放棄された。
正確に言えば、真相究明を行わないために、猪瀬氏の辞任が急遽決定されたのである。
都政にしても国政にしても、政治の世界が汚染され尽くされている。
政治の利権化は目を覆うばかりである。
原点に立ち返って、日本政治の刷新を考察しなければならない。
沖縄では普天間飛行場の県外移設を公約に掲げて当選した知事が、辺野古基地建設にゴーサインを出す惧れが生じている。
辺野古基地建設にゴーサインを出すなら、一度辞職して、県民の審判を仰いで決断するべきだ。
民主主義の根幹を踏みにじる行為が横行しているが、これでは、日本政治の再建は困難である。
沖縄選出の自民党議員も、普天間の県外移設を公約として選出されている。
その議員が揃って、辺野古移設容認に転じて、それが放置されていることがおかしい。
振り返ってみると、野田佳彦氏が主権者国民との契約を一方的に破棄して、消費税増税推進に突き進んで以降、政治家の一方的な背信行為が野放しにされる傾向が強まってきた。
野田氏は「シロアリを退治しないで消費税をあげるのはおかしい」と声高らかに宣言していた。
その野田氏が財務省と取引をして、官僚利権を温存したままの消費税大増税に突き進んだのである。
野田氏の行状によって、2009年に樹立された民主党政権そのものが全面否定される結果がもたらされた。まさに万死に値する罪状である。
日本政治の再生を考察する際、主権者国民の主権者国民による主権者国民のための政治という原点を再確認する必要がある。
東京都知事選も、メディアによる情報工作に都民が乗せられて、十分な政策吟味、人物選別をしないままに選挙が行われた結果として問題が生み出されてきたのである。
猪瀬氏の問題も突き詰めて考えれば、最大の責任は東京都民にある。
そのことを踏まえて、再出発の道を検討する必要がある。
何が問題であるのかと言えば、政治の実権が一部の既得権益に握られてしまっていることだ。
既得権益とは、官僚機構、大資本、そして、戦後日本を支配し続けてきた米国である。
この三者は密接に結びついている。
そして、この三者の利益を拡大させるために動いてきたのが、
マス・メディアと利権政治屋である。
米官業+政電
この五者が日本の既得権益である。
そして、既得権益勢力は、グローバルに、自らの利益極大化に突き進んでいる。
市場原理を基軸に置き、小さな政府、規制撤廃、民営化、法人税減税を追求し、弱肉強食社会の構築に突き進んでいるのだ。
これが、グローバリズムと呼ばれる運動である。
TPPはグローバリズムに国家権力を超越する強制力を付与するための仕掛けである。
この大きな流れにくさびを打ち込まなければならない。
そのための政治変革が求められているのだ。
既得権益の対極にある主権者国民が主導権を握る政治体制の確立が求められている。
続きは本日の
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