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2013年12月12日 (木)

金融専門誌バロンズが「日本版財政の絶壁」を警告

2014年度の日本版「財政の絶壁」問題を指摘してきたのは、これまで私以外には誰もいなかった。


9月17日に、参議院議員会館会議室において、消費税増税に反対する緊急アピールの記者会見を行った際、2014年度の日本版「財政の絶壁」問題についての見解を示した。


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/2014-7030.html


会見には、東京新聞、北海道新聞、読売新聞の記者が出席した。


東京新聞の記者には、日本版「財政の絶壁」問題を、「こちら特報部」で取り上げてもらうことを提案しても良かったと思っている。


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実際には、そのような具体的提案は行わなかったのだが、これまで、日本のメディアは、日本版「財政の絶壁」問題をまったく取り上げていない。


国会でも議論されず、この問題を指摘するエコノミストも寡聞にして耳にしたことがない。


拙著『日本経済撃墜-恐怖の政策逆噴射-』(ビジネス社)


http://goo.gl/lgZ9ky


の主題は、日本版「財政の絶壁」問題である。


2014年度のデフレ財政政策の規模はGDP比3%を突破する。

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2013年の米国経済最大の問題は、「財政の崖」問題だった。


米国財政収支をGDP比3%規模で圧縮する政策が提示されていた。


米国経済が「財政の崖」を飛び下りたなら、2013年の米国経済は大不況に転落していたはずだ。


米国は「財政の崖」を飛び下りることを回避した。


財政赤字削減の規模をGDP比1.5%に抑制したのである。


その結果、米国経済は大不況に転落せずに済んだ。


だが、日本は異なる。


このまま進むと、日本は2014年度に「財政の絶壁」を転落する。


どのような悲劇が待ち受けるのか。


この問題を知りたい人は、ぜひ拙著『日本経済撃墜』をご高覧賜りたい。

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ダウ・ジョーンズ社が刊行する週刊金融専門誌である「バロンズ」は米国の金融専門家では知らぬ者がいない情報媒体である。


同誌のサイトには、


「投資家のバイブルとも称されるバロンズは、金融市場や投資動向などに関するあらゆる情報を満載した週刊金融専門紙です。情報の網羅性と先見性に定評があり、1921年に創刊されて以来、機関投資家から企業の経営層、運用額の大きい個人投資家まで、資本市場に影響力の持つ人達の必読紙として高く評価されてきました。」


と記述されている。


このバロンズ誌日本版の12月10日号トップに、


「アベノミクスと財政の崖」


と題する記事が掲載された。


私が指摘してきた警告を初めてメディアが取り上げたものである。


正当な経済分析を行なえば、当然に浮上する巨大な経済問題なのだが、これまでは、私以外、誰一人として、この問題を取り上げてこなかったのだ。

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これは、1997年度に日本経済が崩落したときもまったく同じだった。


私は、1996年の年初から、1997年度増税問題を最重要問題として指摘し続けていた。


96年6月25日に橋本政権が消費税率2%引上げの方針を閣議決定したときに、これを契機に事態が暗転すると指摘した。


日本の株価が22,666円から12,879円にまで暴落した、その起点になったのが、1996年6月25日の閣議決定だった。


株価は6月26日を境に暴落に突き進んだのである。


この過程で、株価が目に見えてはっきり急落したのは1996年末から1997年初であった。


NHK『クローズアップ現代』が1997年1月13日に、「検証株価急落」のタイトルで問題を報じた。


私は、NHKのVTR取材で、橋本政権が進める超緊縮財政政策=デフレ財政政策が株価下落の主因であることを、懇切丁寧に説明した。


しかし、番組を見ると、私の発言の主要部分がすべてカットされていた。


番組は、橋本政権が財政再建に向けて「構造改革」に注力している中で、族議員が跳梁跋扈して整備新幹線建設に向けて調査費が計上されたことが株価急落をもたらしたと結論付けるものになっていた。


97年2月に出演したNHK日曜討論でも、経済企画庁の吉富勝氏が私の指摘を全面否定して、大増税でも日本経済悪化は生じないと力説した。


私は、不良債権の規模が実態としては100兆円規模で存在することを指摘し、この金融問題があるなかでの超緊縮財政の危険性を訴えた。


ところが、吉富氏はそんなバカげた話をするようでは話にならないと発言した。


後に大蔵省は日本の不良債権が100兆円規模で存在することを認めるようになった。しかし、97年2月時点では、不良債権規模が20兆円台であるとの過小発表を続けていたのである。

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「バロンズ」誌が日本版「財政の崖」問題を取り上げたことで、日本国内でも認識が変化する必要がある。


しかし、バロンズ誌は、


「日本が来年の4月に起こる財政の崖に突き進んでいる。しかし、紺の背広の自民党議員には日本経済をその崖から回避させるような操作はできないであろう。」


と結論付けている。


私の主張をベースにしたものであるのかどうかは分からないが、私の警告を後追いする記事になっている。

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