敗戦から68年いまだに日本を占領し続ける米軍
11月2日に東アジア共同体研究会が沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学でシンポジウム
「終わらない<占領>」
を開催した。
東アジア共同体研究所は鳩山由紀夫元首相が理事長を務めるシンクタンクである。
孫崎亨元外務省国際情報局長が理事を務めている。
日本が直面する五大問題は、
原発・憲法・TPP・消費税・沖縄
である。
同時に、日本が
「奪い合う社会」を目指すのか、それとも「分かち合う社会」を目指すのか。
これが政治の方向を考える際の意見対立の基軸である。
安倍政権が誕生し、
原発推進、憲法改悪、TPP推進、消費税大増税、辺野古基地建設
が推進され、
日本社会を「分かち合う社会」から「奪い合う社会」に大変質させる路線が明示されている。
安倍政権は衆参両院の多数議席を占有しているが、主権者の大半が安倍政権の政策路線を支持しているわけではない。
衆参両院の多数議席は、有権者全体の約4分の1の支持によってもたらされたもので、主権者の4分の3の意向が反映されたものとなっていない。
安倍政権の路線に反対の意思を持つ主権者は、結束して積極的に行動する必要がある。
安倍政権の暴走を許せば、取り返しのつかない事態に陥ることは明白である。
東アジア共同体のシンポジウムでは、鳩山由紀夫元首相が基調講演を行った。
鳩山元首相は普天間飛行場の移設先について、「最低でも県外」の方針を示しながら、最終的に辺野古移設の日米合意に同意してしまった。
鳩山元首相が述べるように、これは鳩山元首相の失政である。
その責任は重いと言わざるを得ないが、鳩山元首相はこの決定の誤りを認め、沖縄の負担軽減を実現してゆかなくてはならないとの考えを一貫して示し続けている。
不本意な形で首相を辞任し、その後の対米従属強化路線が形成されたことへの強い反省から、現在、東アジア共同体研究所を設立され、日本の対米従属路線の見直しを追求している。
沖縄では鳩山元首相の真摯な姿勢を評価する意見が強い。
鳩山元首相が辺野古移設日米合意を作ってしまったことへの反発はいまなお強いが、それでも、沖縄の立場から真摯に問題に取り組む鳩山元首相の姿勢は高く評価されているのである。
シンポジウムでは、鳩山元首相の基調講演のあと、孫崎亨氏、前衆議院議員の川内博史氏、『本当は憲法より大切な日米地位協定入門』(創元社)の著者である前泊博盛氏が報告を行った。
さらに、新崎盛暉元沖縄大学長、伊波洋一元宜野湾市長、太田昌秀元沖縄県知事、高野孟氏がパネル討論に参加した。司会は鹿児島大学教授の木村朗氏が担当した。
鳩山元首相は森本敏前防衛相が「政治的な理由で沖縄の海兵隊が必要」と述べたことについて、そうであるなら、「政治的な理由」をなくせば「軍事的な理由」もなくなり、辺野古も要らなくなり、沖縄に基地は要らなくなると述べた。
沖縄には日本に存在する米軍専用施設の63.8%が集中している。
沖縄の面積は日本全体のわずかに0.6%に過ぎない。
この0.6%に73.8%の米軍施設が集中している。
普天間飛行場が返還されても、辺野古に基地が新設されれば、沖縄負担率は73.1%にしか低下しない。
「沖縄の負担を軽減するためにも辺野古移設を進める必要がある」
とする安倍政権の説明がいかに欺瞞に満ちているかがよく分かる。
鳩山元首相は沖縄基地問題を日本全体の問題に引き上げた。
重要なことは、沖縄問題が単に沖縄だけの問題ではないことである。
問題の本質に「日本の独立」という問題がある。
私は、この問題を『日本の独立』(飛鳥新社)
にまとめて記述したが、残念ながら、敗戦から68年が経過したいまなお、日本は真の独立を実現していない。
実現していないどころか、安倍政権は対米隷属=対米従属を一段と強め、日本を米国の属国にするための法整備に突き進んでいる。
極めて重要な指摘が数多く示されたが、この重要な問題指摘をマスメディアがまったく伝えないのだ。
続きは本日の
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