食品偽装事件社会問題化下の阪急阪神ホテル偽装
阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)が10月22日、運営する4都府県にある8ホテルと1事業部の計23店舗でメニュー表示と異なる食材を使用して客に料理を提供していたと発表した。
利用客は延べ延べ7万8775人。約8万人に上るという。
同社は10月7日に消費者庁に報告していたが、一般には2週間公表していなかった。
具体的には、
「鮮魚のムニエル」と書かれているのに実際は冷凍保存した魚を使う。
「霧島ポーク」としながら、仕入れ業者が別の産地の豚肉を納品していた。
信州そばは、信州産ではなった。
沖縄まーさん豚は、沖縄産豚ではなかった。
ホテル菜園の無農薬サラダ」がホテル以外の(無農薬ではない)野菜を使用していた。
柔らか牛肉の鉄板焼きは、牛脂注入牛肉であった。
サイコロステーキが牛脂注入牛肉であった。
「九条ねぎ」と表示しながら一般的な青ネギなどを使用。
「手捏(ご)ね煮込みハンバーグ定食」で既製品を提供。
芝海老(えび)としながら安価なバナメイエビを使用。
「レッドキャビア」と表示しながら「トビウオの卵」を使用
問題となったホテルとしては、ホテル阪急インターナショナル、第一ホテル東京シーフォートなどの有名ホテルも含まれている。
同社は「意図的ではなかった」としているが、客観的に見れば明らかに「偽装」である。
単に公表して謝罪し、役員報酬を減額して済む問題ではない。
同社の「偽装」は2006年3月~2013年9月まで行われていたと公表された。
重要なことは、この期間中に、多くの食品偽装問題が表面化して、刑事事件として立件されていった経過が存在することだ。
「頭の中が真っ白になって・・・」
と息子の湯木喜久郎取締役の横から母親の湯木佐知子氏がささやく釈明会見を記憶されている人も多いだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=tVm_FkJfuj8
北海道ではミートホープ社の食肉偽装事件が発覚した。
飛騨牛で有名な岐阜県でも、丸明の食肉偽装問題が表面化した。
拙著『知られざる真実-勾留地にて-』(明月堂書店)
の第一章タイトルは「偽装」
2006年から2007年にかけてのキーワードのひとつが「偽装」だった。
政府はタウンミーティングを偽装していた。いわゆる「やらせ」タウンミーティングだ。
耐震構造の「偽装」も刑事事件に発展した。
この章のなかに、徳洲会病院をめぐる生体肝移植問題=臓器売買問題についても記述した。
徳洲会に対する揺さぶりと並行して実施されたのが2006年12月の沖縄県知事選である。
両者の間には何の関係もないように見えるが、その裏側には重大なつながりがあったと思われる。
阪急阪神第一ホテルグループは、2007年から2008年にかけて多くの食品偽装問題が大きな社会問題となる期間を含めて、偽装表示を続けてきたことになる。
単なる勘違いで済ませられる問題ではない。
トビウオの卵をキャビアと表示して販売する、
霧島ポーク、沖縄豚と表示して他産地の豚肉を販売する、
鮮魚と表示して冷凍魚を販売する、
「手ごね」と表示して既製品を販売する、
などの行為は、不正競争防止法が規定する「不正競争」に該当する行為であると思われる。
偽装問題以上に深刻な問題は、こうした「偽装」問題が発覚しても、事案によって刑事上の取り扱いが著しく異なることである。
ミートホープ社の代表者に対しては懲役4年の実刑が確定した。
他方、船場吉兆のケースでは、不正競争防止法違反容疑で家宅捜索は行われたが、逮捕者は出なかったのではないか。
つまり、「法の下の平等」が実現していない。
刑事上の取り扱いにおける「法の下の平等」と密接に関わる問題が、「警察・検察の天下り」と政治上の判断である。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第699号「阪急阪神第一ホテル食品偽装事案の刑事責任」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:525円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社
|
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房
|
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社
|
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社
|
|
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
|
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:同時代社 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:祥伝社 |
![]() |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:青志社 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:祥伝社 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:創元社 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 出版社:筑摩書房 |
![]() |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 出版社:講談社 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 出版社:毎日新聞社 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
![]() |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 出版社:岩波書店 |
![]() |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:鹿砦社 |
</
« 原発再稼働茶番劇の台本を読みたい方におススメ | トップページ | 原発・憲法・TPP・消費税・沖縄問題対立勢力を結集 »
「猛毒米流通事件」カテゴリの記事
- 補償を受けられる傾斜マンション住民裏側の苦悩(2015.10.30)
- 食材「偽装」詐欺事案を「誤表示」問題に偽装(2013.11.05)
- 食品偽装事件社会問題化下の阪急阪神ホテル偽装(2013.10.23)
- 太田農水相は「事故米の食用転換」を宣言すべし(2008.09.13)
« 原発再稼働茶番劇の台本を読みたい方におススメ | トップページ | 原発・憲法・TPP・消費税・沖縄問題対立勢力を結集 »